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生き残るのは?! ~魔術師大学カルテット~

 
 デイゴン軍のブルーマ総攻撃に備えて、シロディールの各街から援軍を送ってもらうこととなった。
 しかし、それぞれの街もオブリビオン・ゲートの脅威に晒されており、その問題が解決するまで兵は割けないと言ってきたのだ。
 そこで、魔術師大学の仲間に協力を要請し、それぞれの街でゲートを閉じてきてもらうことにした。
 
 俺はシェイディンハル地方を担当し、フラー――じゃなくてファーウィルに協力してゲートをとじることに成功した。
 その結果、シェイディンハルを統治する伯爵のインダリスから、援軍を送る約束をしてもらい、さらにインダリスの杖をもらったり、茨の騎士団に加えてくれたりしたものだ。
 しかし、他のみんなは無事にゲートを閉じてこられただろうか? ひょっとしてデイドラに返り討ちにあっていたりしないだろうか?
 俺は、少し不安を感じていたりした。
 しかし、別れ際のみんなの台詞を思い出していた。
 
「私達は、きっと生きてオブリビオン・ゲートを閉じてきます」
「だからその時は、ウォーネットの宿屋で再開しようね」
 

 そう、ここがウォーネットの宿屋。
 帝都の門から出てすぐの所にある、休憩所みたいな場所だ。
 近くには、魚釣りでいろいろあったエイルウィンが住んでいたりする。
 
 しかしやっぱり怖い。
 もしも待ち合わせ場所にしていたここに、誰も帰ってきていなければ?
 
 いや、みんなを信じるしかない。
 
「そうだ、約束だったもんな。早くウォーネットの宿屋へ行かねば」
 
 約束なんだ、約束を破っちゃみんなに悪いもんな。
 

「あらクヴァッチの英雄、こんな寂れた宿屋にようこそ」
「アークメイジです……(。-`ω´-)」
「そうね、アークメイジ。丁度いい所に、ちょっとお願いしたいことが――」
「いや、後にしてくれ」
 
 今はとても人助けをしている気分的余裕は無い。
 もしもここに、仲間の誰も居なかったら――?
 
 俺は、恐る恐る、宿屋の奥を見る。
 そこには――
 

「リリィさん!」
「ふふっ、今帰りましたよ。ほら、これがシジルストーン。貴重な研究材料になることでしょう」
「リリィさんなら、きっとゲートを閉じてきてくれると信じていたよ!」
 
 よかった、さすがリリィさんだ。
 スキングラード南西にある一軒家では、ゲートに奇襲されて不覚を見せたが、正面決戦なら彼女は十分にやっていけると信じていた。
 そして彼女は戻ってきた。ゲートを閉じた証である、シジルストーンを手に。
 
「でも、無理させて悪かった。ほんとに大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。それより他のみんなは?」
 
 そこで俺は気がついた。
 この宿屋で待っていたのはリリィさんだけ。
 ということは、他のみんなは――? 
 
「ジ=スカールは? あなたの婚約者は? まさかデイドラにやられて?」
「先輩ならやられる可能性――とか考えたくないけど、緑娘はしれっと帰ってきそうだけど……」
「な、なんてこと? 帰ってきたのが私だけだなんて……」
「いや、落ち着いてください。俺も帰ってきました」
 
 しかし、他のみんなは、遅れているだけだよな?
 

「でも、やっぱり俺が悪いんだ。みんなに無理強いしすぎたんだ」
「気を落とさないで、アークメイジ。あなたのせいじゃない。みんなシロディールの平和のために戦ったのです」
「俺が楽しようとせずに、全部自分で回ればよかったんだ……」
 
 その時――

 コツッ、コツッ、コツッ――
 なにやら固いもので、石でできた宿屋の床を踏み鳴らしているような、独特な足音?
 俺は、おそるおそる顔を上げ、音のする方を振り返った。
 そこには――
 

「ただいま、ラムリーザ」
 
 俺は一瞬目を疑った。
 そこには緑娘――、俺の愛しのソニアが立っているではないか。
 もちろんその手には、シジルストーン。
 俺はおもわず駆け寄り、緑娘を力強く抱きしめた。
 

「おかえり、ソニア!」
 
 オブリビオン・ゲート、残り無数。
 デイゴン軍のブルーマ総攻撃まで、あと3日……
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 緑娘も戻ってきたことだし、先ほど話を聞きかけた内容を聞きなおしてあげることにした。
 彼女はネルッサ、この宿屋ウォーネットの女主人だ。
 
「実は私は、タムリエル中の全種類のワインを集めるのに夢中になっているの」
「ほう、ワインコレクターですか。例えばグラス一杯1000万Gのロマネコンティとか?」
「それは持ってます。でも隠滅のワインっていう年代物のワインとは無縁なの。何としてもコレクションに加えたいわ」
「ん、持ってますよ」
 
 俺は、これまでの冒険で、隠滅のワインとやらを何本か手に入れている。
 例えばクルダンにグリーフ砦に閉じ込められた時や、シサイニア砦を探検してみた時にね。
 後は、新たなリリィ研究所となったオゥム・クォート・オゥムの酒場にも売っていたりしたので、全部で六本持っている。
 
「本当? 六本集めてくれたら、喜んでお金を払うわ」
「はいどうぞ、丁度六本ありますよ」
「言葉にならないわ。本当に六本見つけたのね! ああ、私のコレクションの中で一番よ! 本当にありがとう!」
「で、隠滅のワインの何がすごいのだ?」
 
 ロマネコンティよりも集めるのが難しいらしい隠滅のワイン。ちょっと興味が沸いたりするものだ。
 
 ネルッサの話では、この隠滅のワインは、たった一度しか造られなかった幻のワインなのだそうだ。
 醸造に通じた錬金術師が造ったらしいそのワインは、味だけではなく魔法が込められていて、飲むと暗視能力を得られると言う。
 その錬金術師は、砦がまだ使われていた時代に、砦に駐屯して兵士のために、特別にワインを造ったのだ。
 たとえば寒い夜に見張りに立つ兵士も、そのワインを飲めば寒さを感じず、暗闇でも目が利くようになるという、確かに便利なワインだ。
 
「なんかすごいね、リリィさん。リリィさんなら造れませんか?」
「それは錬金術の領域ね。できないことも無いけど、私はどちらかと言えばエンチャンター、魔法工学専門ですから」
「錬金術ならミーシャちゃんに任せたらいいと思うの。あたしがミーシャちゃんにお願いして、隠滅のワイン造ってもらってもいいわよ」
「なるほどね。でも子供にワインを造らせるってどうなのだ?」
「あ! 忘れるところだったわ。これはお礼よ。少ないけど受け取って」
 
 俺が緑娘やリリィと話していると、ネルッサは報酬の話を忘れていたと言って手渡してきた。
 1000Gをね。
 
 おい、ロマネコンティとえらく差がないか?
 どっちが幻のワインなのか、それだと分からないぞ?
 
 まあいいや、ワインはわからん。
 別に隠滅のワインにこだわりは無いので、欲しいという人に与えるのが一番だ。
 
「また隠滅のワインを見つけたら、私のことを思い出してね」
 
 ネルッサの言葉を背後に聞きながら、俺達はウォーネットの宿屋を後にした。
 
 
 

「今夜は祝杯を挙げよう。みんなの無事帰還を祝って」
「いいですねそれ」
「あたしはワインよりハチミツ酒がいいなぁ」
「オゥム・クォート・オゥムの酒場には、ハチミツ酒も置いてますよ」
「わあーい」
「さてと――」
「こらーっ! ラムリーザ!!」
 

「何ぞ?」
「ジ=スカールの事を忘れて帰ろうとするんじゃない! 酒場で待っていたのに、なぜ声一つかけない!」
「先輩! 居たのですか! ひょっとして透明化していたのですか? 分かりませんでしたよ!」
「あっ――。とにかくこのシジルストーンを見るのだ」
「ありがとう先輩」
 
 なんかよくわからんけど、宿屋の中で先輩も待っていたようだ。
 ただし、何故か透明化したまま。
 みんなを驚かせたかったのはわかるが、効果時間が切れるのを待てなかったようだな。解呪の魔法も覚えておけよ。
 そういえば、ブルーマでのイタズラ事件の時、透明化を解いたのはヴォラナロの解呪魔法だったな。
 先輩は、効果時間が切れるまで、自力で透明化を解くことができないので、ある。
 
 
 以上、魔術師大学カルテットによる、ゲート閉じ閉じ大作戦は、大成功でおしまい。
 
 

 最後に決めポーズ、俺達魔術師大学特戦隊!!
 
 ん、なんか一人足らん気がする。ミーシャでも誘って今度は五人でやるか?
 
 
 
 
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©発行年-2020 らむのゲーム日記