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ディメンシアの儀式 後編 ~ディメンシア公爵就任、そしてセイドンの裏切り~

 
 さて、シル公爵を始末して、その心臓を頂いたところだ。
 あとは、これをアルデン=スルの祭壇に捧げると、俺は晴れてディメンシア公爵になれるのだ。
 

 シル公爵の隠れ家ジレサルドは、ディメンシアの地のどこかへと通じていたようだ。
 岩に囲まれた場所で、空模様からここがどこだかわかる程度である。
 

 岩山を抜けて視界が広がると、霧の中に浮かび上がる偉大なるかがり火。
 まるで灯台のように、俺たちの行く手を照らしてくれている。
 
 オベリスクも起動しているようだが、めんどくさいのでここは保留。
 オーダー軍との争いが本格的になったのならば、一つずつ停止させていくことにしよう。
 

 そんなわけで、ニュー・シェオスへ戻るためにクルーシブルへと向かうわけだが、その途中で例の墓場に通りかかる。
 しかしシル公爵の墓は無い。
 さすがに今さっきの出来事だから墓はまだできていないのか、それとも公爵ともなれば、もっと別の場所に埋葬されるのか。
 どっちにせよ、墓石が全てシェオゴラスマークなのは頂けないなー。
 
 ………
 ……
 …
 
 そんなわけで、サセラム・アルデン=スルの教会へと戻ってきた。
 

 ん? ダーク・セデューサーが増えてないか?
 そしてこっちに向かってくるアークタス、何ぞ?
 
「儀式もあとわずかですぞ。あとは祭壇に手を出し、女公爵の心臓をアルデン=スルの祭壇に捧げるだけです」
「わかりみ!」
 
 まさかこの儀式で命までは奪ってこないだろう。
 早速祭壇へと足を進める。
 

「えーと、このお盆が祭壇かな?」
「そうじゃ、早う入れい」
「急かすなじじい」
 

 不思議なことに墓地から死体が全て消え、棺の中には心臓だけが残されているのだ。
 ――とかなんとか思ってみる。
 

 すると、シルの心臓の周囲に、ディメンシア特有の緑色の炎が現れるのであった。
 やはり炎の色だけは、こっちの方が好きかも。
 俺の統治するディメンシアは、陰鬱な世界でなく、緑色の世界を目指そう。
 

 ――などと、意味の分からないことを考えていたら、今度は緑色をした炎の柱が立つのであった。
 これは美しいと思う。
 これと同じものをいろいろな場所に飾りたいものだ。
 

 そして空中で弾け、あとは何事も無かったかのように、祭壇が残されるのであった。
 
 うん、儀式らしかった。
 やはり儀式はこのぐらい派手じゃないとダメだよね。
 スイッチ押したら穴が開いて、そこにいけにえを投げ込むだけのヘレティック式儀式はダメである。
 

 儀式が終わると、アークタスは駆け寄ってきて、
 
「すんばらしい!」
「ピカソの簒奪ビーフですか?」
「またしても継承の儀式は成熟された! アルデン=スル様のご意思により、シルの心臓は燃え尽きた。ディメンテッドは汝を迎え入れよう!」
「よいよい、これからは明るく楽しくやっていくように」
 
 緑娘の思惑ではないが、これもまた考えようだな。
 俺がディメンシアを支配するに当たって、その考え方を改めるよう民に動きかければ、こちら側も住みよい地域になるだろう。
 その考えに反対だ! ――と言われる前に、俺の思想を広げるのだ。
 そして十大神目に、ラムリーザとしてラロスが君臨するのだ!
 
「今ここに、新たな戦慄の島ディメンシア公誕生を宣言する! 汝の憤怒が導きとならんことを!」
「憤怒は終わりにする。これからは勤勉、情熱、統制の三原則を軸に励むように!」
「なっ、ははーっ!」
 
 よし、これでマシな世界になるだろう。
 やはり国を治める根本は、秩序だよね。
 勤勉、情熱、統制の三原則。勤勉と情熱により達成が、情熱と統制は均衡を、統制と勤勉は精巧となす。
 そして達成と均衡と精巧が、秩序を生み出すのだ。
 これからは、ディメンシアはこうであるように!
 

「――でいいのかな?」
「よくやった! まさかお前が生き延びるとはな、実に驚きだ! さて、次はじゃが――」
「じゃがではござらん! 話がある!」
 
 シェオゴラスのじじいに報告して、次の任務について聞こうとした時、教会内に聞いた声が響き渡る。
 

 セイドン公爵、堂々たる出陣だな!
 早速ディメンシア公爵を継いだ俺に、闘争心をぶつけてきたか?
 
「セイドンよ、邪魔をするな! わしを邪魔できるのはわしだけだ!」
「シル――私のシルを殺したな! 何をした? 何をやらかした?!」
「口を慎め公爵よ! 舌をむしり取ってやろうか?」
 
 ああ、そうだった。
 セイドンとシルは、マニアとディメンシアそれぞれの公爵であると同時に、二人は逢瀬していたんだっけ。
 俺は見ているだけだが、セイドンはシェオゴラスとやりあっている。
 ほーお、このじじいに盾突く行動力はあったか。
 御しやすいと思ったのは一部修正してやろう。
 しかし、薬中の公爵など、怖くない。
 

「ではこの異邦人が? 新入り? よそから来たくせに、解せぬ!」
「気にするな、俺はただの通りすがり。セイドン公爵の言う通り、ちょっと振り向いてみただけの異邦人さ」
「おぬしは黙っておれ! セイドン! お前はまだ公爵なのだぞ、仕事に戻れ!」
「オーダーが迫ってきているのに? すでにフリンジは取られた! なのに神よ、あなたは変化の話ばかり進めて!」
「変化が我々を保つのだ! それこそ島の生きる道。それは山を動かし、人をも動かす!」
 
 シェオゴラスとセイドンの口論は、治まるところを知らない。
 黙っておれと言われたので、俺は何も言わないから二人で解決してね。
 できれば、シェオゴラスとセイドン、共倒れしてみてね。
 

「狂神よ、私はジャガラクに降る! オーダーの司祭として身を捧げてやる! シルのことは忘れない、覚えておけよ!」
 
 ほう、マニア公爵は敵となるか。
 ま、これも想定通り。シルを害したら、セイドンが怒り狂うのはわかっていた。
 マニア側の公爵が空位になるなら、緑娘でもあてがって、二人で支配するかな?


 そう言い残すと、セイドンはこの場を立ち去った。
 
「ふぁっはっはっ、マニアの統治者による反逆とは前代未聞だ! しかし変化とはいい。新展開が生まれるぞ」
「ではマニアの公爵には、このミド――ソニアを当ててはいかがですか?」
「その前にフリンジの件だ。あやつの言ったことは本当だ。事態を収拾してくるのだ」
「ん、そうしよう」
 
 どうやらフリンジは、グレイマーチに飲み込まれたそうだ。
 そしてそこは、オーダーの兵が集まっているという。
 グレイマーチとは謎だったが、フリンジの様子を見ることで、その意味が分かってくるだろう。

「ではおぬしに地位に象徴として、君主の指輪、そしてダーク・セデューサーを召喚できる術も授けよう。それではフリンジに向かい、ヤツ・らを・阻止・せよ!」
 
 そう言い残すと、シェオゴラスも教会から消え去った。
 残されたのは俺たちと、二人の司祭だけ。
 
 次の任務は、オーダーに奪われたフリンジの奪還か。
 あそこにはマシュー親子を置いてきたけど、大丈夫かな?
 

「というわけで、じじいからもらった君主の指輪を付けてみた。どうだ?」
「見えないわ」
「ぬ?」
 
 透明化する指輪か。
 ジ・スカール先輩みたいになっちゃった。
 
 
 
 
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