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新たな任務 ~狂気への理解~

 
 この日、まだ夜まで少し時間があったので、先にシェオゴラスに報告を済ませておこうと思った。
 その後、病弱バーニスの酒場へ向かって、奇跡の水で元気なバーニスに届けよう。
 それから、病弱バーニスの酒場改め、元気バーニスの酒場に泊まる、これでいこう。
 

「ぬ、宮殿内部にもオベリスクがあるのな」
「オーダーの騎士が怖いのかしら?」
「俺は怖くないけど、町の中に現れたら被害甚大だろ?
「壊せないのかな?」
「それもシェオゴラスに聞いてみるか」
 
 最初に来たときは、あまり意識してなかった。
 しかし、ゼディリアンでの襲撃を見て以来、どうもこのオベリスクが気になってしまうのだ。
 それに、今回の報告事項にオーダーの騎士襲撃、というのもあるからね。
 それがまさか宮殿にあるとは、この先何か問題が起きそうな気がする。
 

 そして戻ってきました、ニュー・シェオスの宮殿。
 最終的に、俺がここに住むことになるのかな?
 
 
 
 宮殿内部にて――
 

 入った瞬間、ちょっとした違和感を感じたので、そこへ向かってみた。
 そこには、ゼディリアンで見た調律した巨大な水晶の塊をミニチュアにしたような物が置いてあった。
 
「フォーカス・クリスタルじゃないのかしら?」
「なぜ知ってる?」
「キリバンが言ってたじゃないの、鑑賞できるように、宮殿に送って広間に飾ろうって」
「ぐぬぬ、俺は記憶力の悪い人だからな……(。-`ω´-)」
 
 ノコギリザメみたいな剣しか覚えてないぞ、くそっ。
 
 

 さて、気を取り直して、シェオゴラスと二度目の対面だ。
 
「その犬は何だな?」
「俺にもわからぬよ。ただ男には、犬を引き連れねばならぬ時がある」
「まあよい、どんな知らせがあるのかな?」
 
 そういえば、最初に訪れたときは、犬のチロジャルはまだ居なかったけな。
 いろいろと説明がめんどくさいので、この場では適当に言ってるだけにしておく。
 
 俺はシェオゴラスに、オーダーの騎士が襲い掛かってきたことを述べた。
 しかし彼は、早いな――とは思ったが、驚くほどのことでもないと言ってきたりする。
 次にゼディリアンについて尋ねてきたので、再稼働させたことを述べたのだ。
 
「素晴らしい! 祝賀会だ! 皆にチーズを!」
「ほー、チーズパーティね。カース・マルツゥを用意できるならしてもらおうか?」
「よし、そなたにはそれを与えよう」
「要らん……(。-`ω´-)」
「じゃあ止めだ、チーズは無し。お前がチーズ嫌いなら、その方が祝賀会らしいだろ?」
 
 いや、普通のチーズなら別にいいのだけどね。
 とまぁ自分で変なの吹っ掛けておいてそう言うのも何だが。
 
「よし、祝賀会の代わりに新しい魔術を授けよう」
「相手を混乱させる魔術ですか?」
「んや、わが執事、ハスキルを呼び出す魔術だ。旅の助けとなるぞ」
「ハスキルに何ができるのか?」
「白なら戦闘から逃走し、黒なら効果はない。ただし合体なら、敵一体に無属性ダメージを与えるであろう」
「なんやそれ……?」
 

 とまぁこれはシェオゴラスの戯言で、簡単に言えば旅の助言をしてくれるらしい。
 そういえば一度だけ、緑娘がゲートが見えないことについて、呼び出して尋ねたっけ?
 あの時は非公式だったが、これからは公認で召喚できるということだ。
 
「実際にやってみろ。我が友を呼んでみるのだ」
「ん、呼べばいいのな」
 

「出てこい出てこい、そりゃあ!」
 
 シェオゴラスから授かった、ハスキル召喚の魔術を使うと、近くにハスキルが現れたのであった。
 
「なるほど、王はあなたに召喚の力を授けたのですね。ありがたいことです」
「どうだ、面白かっただろう? わしもその魔術は好きなのだ」
「いや、いろいろと疑問があるのだが?」
「よし、もう一回やってみせろ」
 
 これ、本当に召喚できているのか?
 そんな疑問も頭をよぎるが、なんだかシェオゴラスも楽しんでいるようなので、言われた通りもう一度やってみる。
 

 ハスキルの目の前で、な!
 
「出てこい出てこい、そりゃあ!」
 

 もう一度召喚術を使ってみると、確かに俺の近くにハスキルが現れ――
 
「いや、距離が離れたぞ」
「ああ、また召喚ですか。陛下も特権として楽しまれますが、あなたにはもう十分でしょう」
「いいぞいいぞ! ジャガラグを打ち破り、グレイマーチを阻止するためには少しでも戦力が欲しい!」
「いや待て。召喚って言っても少し移動しただけじゃん。超スピードでごまかしただけだろ?」
 
 そう、先ほどの流れでは、ハスキルがほんの2メートル前後の距離を移動しただけに過ぎない。
 二回目では、目の前のハスキルが、1メートルほど先に移動しただけだ。
 
「おおそうだ、王国の外でハスキルを召喚できると思うなよ。わしから離れるのを嫌がるのでな」
「それ、召喚できないってことだよね? まあいいや、ハスキル呼べなくても別に困らんし。それよりも、ジャガラグって何?」
「オーダーのデイドラロードだ。つまり秩序の君主、あるいはびすけっと――」
「ピカソを凌駕する鬼才を誇る絵師で、凡人には到底理解し得ない圧倒的な画力をもって描かれた絵を誇り、漫画家になる自信もあった人のことか?」
「つまらんのぉ、つまらん、つまらんッ!」
「黙れ! つまれ!」
「あーつまらん」
 
 てめーが言ったことだろうが……(。-`ω´-)
 いや、それ以外に「びすけっと」なる人物のことを知らんのだが!
 このふんげーそーらんじじいめ!
 
 要するにジャガラグについては、オーダーの騎士の頂点に君臨するものであり、いずれはグレイマーチというものを阻止するために動かなければならないというのだ。
 
「で、グレイマーチとは?」
「イベントだ、言わば終末だ。全ての時代の終わりに起こる。つまり、今だ!」
「ク=シャーラ系でしたか……(。-`ω´-)」
 
 そもそも、てめーが仕向けた終末だろうが、ボーダーウォッチでは!
 
 シェオゴラスの話では、グレイマーチとはジャガラグの時代であるという。
 そしてそれが起こるとジャガラグが闊歩し、破壊を尽くすのみであろうと。
 
 
「闊歩だぞ。くれぐれも、スキップや横歩き、気取り歩きではないぞ」
「そんなの聞いてません。で、次の依頼はなんぞ? ジャガラグの退治か?」
「依頼などない、大依頼だ!」
「なんやそれ」
「いいか! ここはわが王国で、わしの世界なんだぞ! わしが法だッ!」
「わかったから、次の依頼は?」
「いーや、お前は自分の立場を全く分かっておらん! 土地勘もないし、人の理の知っておらん! よし、次は学がよい。お前がどこに居て、何をしているのか!」
「…………(。-`ω´-)」
 
 めんどくさいじじいだ。
 まあいいか、今はこいつに従っているように見せかけてやろう。
 いろいろと気になっている部分があるからな……
 
 ここで一つずつ気になっていることを問いただしてみよう。
 まずは、オベリスクは何であるか。
 
 じじいの話では、昔からある目立つものではあるが、ここの物ではないというのだ。
 グレイマーチが起こると、オーダーの騎士がその周りに群がるらしい。
 つまり、いずれはこの宮殿の敷地内にあるオベリスクからも、オーダーの騎士が現れる――ということで良いのかな?
 
「わかったよ、それじゃあまたな」
「また来いよ! さもないと、目ん玉くりぬくぞ」
「はいはい」
 
 
 あとは――
 
 俺は、シェオゴラスの謁見の間に緑娘に少しの間待ってもらうことにして、宮殿の隅へと移動した。
 二つのことを確認しておくために。
 
「出てこい出てこいそりぁ(小声)」
 

「はい? お手伝いが必要ですかな?」
「んや、召喚術が本物かどうか試ししてみただけ。この距離なら、ただのごまかしではないね」
「この力はなるべくお控えめに。私にも職務がありますゆえ」
「待て待て、大事なのはこの先だ」
 
 ここで俺は、ハスキルに重要なことについて尋ねてみた。
 謁見の間で犬のチロジャルとじゃれついている緑娘を指さしながら。
 
「ミド――あの娘についてだが?」
「ふむ、王の意思で蘇った者ですな。この世界の住民ですが、それがどうかしましたか?」
「あの娘は、シェオゴラスが居なくなったら消えるのか?」
「いえ、ムンダスでは肉体は滅びましたが、旋律の島で復活した者です。その生命は王とは関係ありませぬ」
「そうか。だったらじじいに遠慮する必要は無いわけだ」
「果たしてそうですかな?」
「――何?」
「あなたは大切なものを、王の力によって取り戻した。その王に歯向かうのですか?」
「…………(。-`ω´-)」
 
 そういうことか。
 命令や制約による強制ではなく、どちらかといえば「義」の方面で。
 つまり、俺を都合良く使うために、緑娘を蘇らせたとでも言うのか?
 
 結局のところ、俺はシェオゴラスに従うしかないのであった……
 
 
 
 
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©発行年-2021 らむのゲーム日記