home > 投稿 > > 第四章最終話 さらば友よ、恋人よ ~最終決戦~

第四章最終話 さらば友よ、恋人よ ~最終決戦~

 
 マーティンがいよいよ即位――といったところに、デイゴン軍が帝都に襲撃をしかけてきた。
 それだけではない。
 最高神の神殿に竜の火を灯してしまえば我々の勝ちが確定してしまうので、デイゴン軍も最後の決戦をしかけてきたのだ。
 

 とうとうメエルーンズ・デイゴンが降臨してしまい、マーティンが最高神の神殿に辿りつくのを妨害してきたのだった。
 定命の者では、デイゴンを滅ぼす力は無いという。
 できることは、オブリビオンの世界に追い返すか、それとも――
 
「ようやく自分が成すべき事が分かったんだ。導いてくれ、友よ!」
 
 マーティンの最後の願いを叶えるため、俺はデイゴンの前へ飛び出した。
 

 高圧縮してプラズマ化した霊峰の指を放つ。
 これでデイゴンを足止めするぐらいならできる。
 その隙に、マーティンはデイゴンの足元を駆け抜けて、最高神の神殿に辿りつけばよいのだ。
 

 果たしてマーティンは、デイゴンの隙を突いて最高神の神殿入り口へと辿りついた。
 俺もデイゴンを牽制しながら、マーティンの後を追うのだった。
 
「待ってラムリーザ!」
 
 そこに俺の名を呼ぶ緑娘の声が聞こえた。
 神殿へと入っていくマーティンを見届けると、デイゴンを後ろから攻撃して牽制する。
 緑娘と合流した俺は、最高神の神殿へと飛び込んだ。
 

 デイゴンの襲撃が始まってから不気味に赤く輝く光で照らされている、最高神の神殿内部。
 マーティンの姿を探す。
 

 マーティンは、神に祈りを捧げている最中であった。
 困った時の神頼みと言うが、デイドラはともかくエイドラは手を貸してくれるのだろうか?
 急いでマーティンの傍へと駆け寄った。
 しかしマーティンは、手を伸ばして俺を制してきたのだった。
 
「マーティン?」
「私は自分がすべきことをするよ。タムリエル再建はできなくなるが、その仕事は他の者に譲ろう」
「ちょっと待ってください、何をするつもりですか?」
 
 またこの流れか?
 マーティンは、先代アークメイジハンニバルのように犠牲になってこの動乱を終わらせるというのだろうか?
 緑娘の野望とか関係無しに、結局は俺が頂点に登り詰めてしまうのか?
 
「さらばだ。私は短いながらも良い友人を持った」
「あなたは何をするつもりですか?」
 
 その時、神殿の壁が轟音を轟かせて崩れ始めた。
 デイゴンは、マーティンが最高神の神殿へ入ったことに気が付いて、襲い掛かってきたのだ。
 
「時間が無い、もう行かなければ。竜が待っている――」
 

 そう言い残すと、マーティンは神殿の中央へと向かっていった。
 そしてデイゴンと正面から向かい合う。
 

 デイゴンがマーティンに襲い掛かってきた瞬間、王者のアミュレットが光り輝いてデイゴンを押し返す。
 アミュレットは武器ではないと言っておきながら、しっかり武器として役立っているじゃないか。
 
 しかし、そうではなかった――
 

 次の瞬間、マーティンの身体から大きな光の柱が発射される。
 その勢いにデイゴンはおもわずのけぞる。
 

 そして、光り輝く巨大な竜が降臨した。
 しかしマーティンの姿は消えている。マーティンが竜と化したのか?!
 

 後は見ているしかなかった。竜と魔神の戦いを――
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 そしてメエルーンズ・デイゴンは、姿を消した。
 マーティンはアカトシュの化身となり、デイゴンをオブリビオンの世界へと追い返したのだ。
 同時に、出現していたオブリビオン・ゲートも姿を消した。恐らく世界中に出現していたゲートも、同じように消えたはずだ。
 我等は勝ったのだ。
 
 王者のアミュレットには、そんな力もあったのか……
 マーティンは神と融合し、タイバー・セプティムに並ぶ英雄として亡くなったのだ。
 ドラゴンボーン、竜の血とはそういうことだったのだ。マーティンは、ドラゴンだったのだ。
 つまりこれからは、十大神になるのかな?
 タイバーがタロスなら、マーティンはマロスとでも名乗るが良かろう。
 

「終わったな……」
「終わったわね……」
「君が望んでいたように、マーティン居なくなっちゃったよ。また俺を焚きつけるのかな?」
「いや、もういいわ。デイゴンの脅威も去ったことだし、あたし達の居るべき場所に戻りましょうよ」
「そうか、それもいいかな」
 
 野心の塊だった緑娘も大人しくなったものだ。
 それもこれも、マーティンの王としての姿を認めたということだろうな。
 

 
 ――マーティン、君はずるいよ。
 
 確かに君は神となりこのタムリエルを救った。
 でも皇帝を失った帝国はどうするのだよ? 皇帝無き帝国に残された臣民は、どうすればいいのだ?
 俺は見たかったよ、皇帝となった君を。どのような皇帝になったのか、想像するしかできなくなったじゃないか。
 帝国には英雄は必要じゃない、皇帝が必要だったのに――
 

「帝国には苦難の時代が待ち受けていることだろうな」
「でもそれはあたし達がどうこうすることじゃないわ」
「なんだか変わったな、君も」
「マーティンを見て思ったの。やっぱり皇帝になる人は違うのだなって。あなたは結局凡人なのよ」
「酷いこと言うんだな」
 

「でもね、あたしはその凡人のあなたが好きだったの」
「おっ、そうくるか?」
「だからあたし達の世界に戻って、凡人のあなたと羊を飼って過ごしましょうよ」
「結局羊からは離れないのな」
「あたしの夢は、あなたと幸せな家庭を築くこと。もしも家を建てるなら、大きな窓と小さなドア。そして子羊の横にはあなた――」
 

 
 
 ――??
 
 

 
 何が起きた?!
 

 ちょっと待て! あいつはまたブラックウッド商会の残党!
 まだしつこく緑娘への復讐を諦めていなかったのか!
 
「何者だお前は?!」
 
 バウルスが、盾をかざして不審者の進路を塞ぐ。
 一瞬だが、不審者の動きが止まる。その一瞬を、俺は見逃さなかった。
 

 そこにレーザー一閃。
 命中精度に難があるが、当たればその威力は相当のものである。
 バウルスに足止めされて止まっているところに、後ろからぶち当てる。
 
 
 油断していたか――?
 ドラゴンと化したマーティンの姿に見とれていて、ブラックウッド商会の残党が緑娘に襲い掛かってきているのに気が付かなかった。
 
「おいっ! ソニア?! 大丈夫か?」
 
 俺は、緑娘の身体を揺すって叫ぶ。
 だが、緑娘は返事しない。
 剣を突き刺された喉からは、血が流れていて止まらない。
 
 まさか――、死んだ――?!
 

「ちょっとどうなっているんだよこれは?!」
「え、英雄殿、すまない。まさかこんなことになるとは?」
「触るな!」
 
 そこにジョフリーがやってくる。
 しかし俺は、ジョフリーの手を払って緑娘を抱き起こした。緑娘の首や腕は、力なく垂れ下がるだけだった。
 
 嘘だろ――?
 
 しかし、緑娘は二度と動くことはなかった……
 
 
 この日、帝国は勝利した。
 

 しかしタムリエルがデイゴンの脅威から救われた日――
 
 

 俺は友人と恋人を失った――
 
 
  

第四章 オブリビオンの動乱編 ~完~

 
 
 
 

←To Be Continued 第五章前編 闇の一党 ダーク・ブラザーフッド――

 
 
 
 
Sponsored Links



 
 
 前の話へ目次に戻る次の話へ

return to page top

©発行年-2020 らむのゲーム日記