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ドラゴンファイアを灯す ~デイゴン急襲~

 
「待っていたぞ、オカトー大議長に会いに行くぞ」
 

 クラウドルーラー神殿では、マーティンが俺の到着を待っていた。
 ユリエル皇帝が暗殺されてから、元老院が国を治めてきた。だがマーティンが真の皇帝として即位することで、民は歓喜するだろうというのがジョフリーの話。
 帝国が崩壊しつつある今、正当なる皇帝が唯一の希望なのだ。
 そしてマーティンが王者のアミュレットを使って竜の火、ドラゴンファイアを灯すことで、オブリビオンとタムリエルを隔てる結界は復活するだろう。
 そうすることによってオブリビオン・ゲートは閉ざされ、メエルーン・ズ・デイゴンの侵攻は失敗に終わるのだ。
 

 馬に乗るマーティンを先導して、帝都へと向かう。
 神殿やブルーマのある北方は、ジェラール山脈と言って山地になっているので、帝都を見下ろすことができる。
 
「マーティンは帝都に行ったことがあるのかな?」
「私が覚えている時は、既にクヴァッチでお坊さんとして修行を積んでいたんだ。以後、クヴァッチの教会からあまり離れていない」
 
 ユニコーンに乗ってくるのを忘れたので、徒歩で案内する。
 まぁ王者のアミュレットは取り戻したし、マンカー・キャモランは死んで深淵の暁教団も壊滅した。
 メイルーンズ・デイゴンがいつ襲ってくるかわからないが、帝都に辿りつくまでは待ってくれるだろう。
 
 

 何度往復したかわからない、帝都と大陸を繋ぐ橋。
 マーティンがインペリアルシティに入るのは初めてだと言う。
 とりあえず町並みは奇麗だと思う。自宅が港湾地区にしか持てなかったのが残念だけどね。
 ウンバカノの家に、勝手に住み着いても文句――言われるのかなぁ?
 

 白金の塔前で、バウルスが待っていた。
 
「再会できて嬉しいよ。マーティンに言っていたんだ、マンカー・キャモランなど君の敵ではないとね。できれば俺も君と一緒にも戦いたかったな」
「そのマーティンも来ていますよ」
「陛下! オカトー大議長がお待ちです!」
「わかった。では済ませよう」
 
 元老院のオカトー大議長に認められることで、マーティンは正式に皇帝として即位するのだ。
 マーティンを先頭に、一同は白金の塔へと入ってゆく。
 
「待っていたぞ! 元老院はすでにマーティンの帝位継承権に関する結論を出している」
 
 そこで大議長が、私が真の皇帝だなどと言い出したら一波乱あるのだが、そんな冗談は起きることはなかった。
 

「マーティン・セプティム。元老院を代表して、あなたの帝位継承権を承認します。速やかに即位の礼を――」
「オカトー大議長! 帝都が攻撃されています! オブリビオン・ゲートが多数出現し、デイドラが市内に現れて衛兵を圧倒しています!」
 
 まさにマーティンが即位しようとしたその時である。
 この時を待っていたかのタイミングで、デイゴン軍が帝都を侵略してきたのだ。
 そうだろうな――
 クラウドルーラー神殿は難攻不落だと言っていたし、その足がかりとしてブルーマを占領しようとしたが失敗した。
 デイゴン軍からしたら、マーティンが神殿から出てくるのを待っていたに違いない。
 深遠の暁教団が壊滅し、王者のアミュレットを奪い返された今、デイゴン軍が勝つには戦場でマーティンを討つしかなくなったようなものだからな。
 
「勇気を奮え! 我等は再び皇帝を戴いたのだ!」
 
 オカトー大議長も負けていない。
 駆け込んできた伝令を一括すると、マーティンの方を振り返った。
 
「陛下、ご命令を! 衛兵を宮殿へ呼び戻しますか?!」
「ならぬ! 宮殿で包囲されては全滅を待つのみ。今すぐ最高神の神殿へ行かねばならない」
「仰せのままに。衛兵! 陛下をお守りしろ! アークメイジは敵の先端を打ち破って、陛下を最高神の神殿へ案内するんだ!」
 
 そうだ、マーティンの最後の任務が残っていた。
 最高神の神殿へ行き、そこで彼が竜の火を灯せば、オブリビオン・ゲートを閉じ、帝都を救うことができるのだ。
 

 ドレモラは宮殿にもなだれ込んできた。
 まずいな、こういった戦況になると、俺は手出しがやりにくいのだ。
 まさか霊峰の指を味方ごと吹き飛ばす形で放つわけにもいかない。
 

 宮殿に飛び込んできたドレモラは、マーティンや衛兵の力で押し返すことができた。
 しかし、宮殿の周囲にもドレモラやズィヴィライが大量に押し寄せてきていた。
 マーティンが最高神の神殿に辿りついたら我々の勝ちでデイゴン軍の負けになるので、かなり必死になってきているようだな。
 

 誤爆しないタイミングを見計らって、霊峰の指改をぶちこんでやる。
 この貫通力が、一撃で複数の敵を仕留められるように、乱戦状態では誤爆を誘うのだ。
 ちなみに元祖の霊峰の指は貫通力は無いが、拡散力が高いので結局誤爆してしまうのだ。
 

「陛下! 宮殿は孤立状態です! 兵舎から駆けつけられることができたのは我々だけです! ご命令を!」
「最高神の神殿へ辿りつかねばならぬ。それが、メエルーンズ・デイゴンを止められる唯一の可能性だ。行くぞ!」
 

 マーティンやオカトー大議長と共に、最高神の神殿がある神殿地区へと向かった。
 神殿地区がどこにあるのかいまいち把握できていないので、オカトー大議長の後をついていっただけなのは内緒だ!
 

 神殿地区に到着。伝令の言うとおり、オブリビオン・ゲートが開いていて最高神の神殿への道をドレモラが塞いでくる。
 ジーク・カイザーの掛け声と共に、衛兵達がドレモラ軍を押し返している。
 それに対抗するように、ドレモラ側は「くたばれカイザー」と叫んでいたのかどうかは、俺にはわからない。
 

 できることは、一体ずつ確実にしとめ、最高神の神殿への道を切り開くだけだ。
 しかし、こちらがわの通路はオブリビオン・ゲートが道を塞いでいる。
 ゲートに飛び込んでシジルストーンを奪ってやれば、ゲートを消して先へ進めるが、今はオブリビオンの世界を駆け抜ける時間すら惜しい。
 
 そこで俺は、こちらがわのルートは諦めて、反対側の通路を急いだ。
 

「ぬ――?!」
 
 なんか見覚えのあるでかいのが居る……
 あいつは確かメエルーンズ・デイゴン、石像で何度か見かけたぞ?
 まさかデイゴンがこちらの世界へ入り込んできてしまったのか?
 

 霊峰の指改を放ってみる。
 大きすぎて、効いているのかどうかわからない。
 デイゴンは衛兵を蹴散らして暴れまわっている、これはマズいか?
 

「遅かった……、メエルーンズ・デイゴンが降臨した! もはや竜の火を灯しても無駄だ……、オブリビオンから我々を守っていた結界は消滅した……」
「諦めるのは早いです! 奴をなんとかオブリビオンの世界に追い返す方法は無いのですか?」
「我々の武器で傷を負わすことはできても、タムリエルに肉体が現れてしまった以上、完全に滅ぼすこほどの力はない」
「王者のアミュレットを使ってなんとかできないのですか?」
「そうか、私にはこれがあった。アミュレットはアカトシュが定命の者に授けた神器。しかしその神聖な力をデイゴンに向ける方法はあるのか? アミュレットは武器ではない」
「大丈夫、手に装備するのです。例えばファイアのほんとか手に持って戦うと、敵を一撃で粉砕できますよ」
「そんな無茶なことをして大丈夫なのか? 待てよ、君の一言で考えが思いついた。最高神の神殿にある竜の火まで行かねば。どうにかしてメエルーンズ・デイゴンを突破しなくては」
 

 最高神の神殿の入り口は、デイゴンの立っている所の向こうにある。
 
「ようやく自分が成すべき事が分かったんだ。導いてくれ、友よ!」
「わかった、こっちが奴の気をそらせるから、その隙に駆け抜けてください!」
 
 最終決戦が、始まった。
 正直デイゴン本体を相手に勝てるかどうかはわからない。
 しかし男なら、負けると分かっていても戦わねばならないときがあるのだ!
 
 
 
 
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