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道にあらぬ騎士 ~シェイディンハルに現れたゲート~

 
 デイドラの侵攻でブルーマを陥落させない為に、それぞれの街を回って伯爵へ援軍要請することとなった。
 しかし、各地でオブリビオン・ゲートが出現していて、伯爵はそれを不安がって援軍を出せ無いと言う。
 そこでゲートを閉じて回るということになったのだが、ちょっと数が多いので、魔術師大学のメンバーで分担して閉じることにした。
 

 そして俺の担当は、シェイディンハルとレヤウィンということだ。
 他の皆も、がんばってくれたまへ――
 


「オブリビオン・ゲートが開いて困っているでしょう」
 
 俺は、先に切り出してやった。
 案の定アンデル・インダリス伯爵は、その通りと答えた。
 さらに今回はちょっと違う。なんでも、伯爵の息子であるファーウィルが、何人かの騎士を連れてゲートの中へと入っていったのだ。
 そこで、俺もゲートをくぐって彼らを救援して欲しいと依頼してきたのだ。
 
「念のために聞きますが、息子さんがゲートに向かった目的は?」
「敵と戦うためだと言っていた」
「はい、戦略を間違えていますね」
 
 ゲートに入って敵と戦う。
 違うのだよ。
 ゲートに入る目的は、ゲートを閉じることのはずだ。
 何も戦う必要は無いのだよ。
 そもそも、グレート・ゲート以外は囮なのだよ。
 

 街の外へ出ると、すぐ西にゲートが開いていた。結構近いな。
 馬屋の人は、そんなことも気にしない様子で野良仕事に励んでいる。
 囮に引っかかっていないと、好意的に見てあげよう。
 逆に言えば、伯爵は劣りに引っかかって怯えているのだ。
 

「おお、クヴァッチの英雄、よいところにきてくれた」
「どこそこの地名の英雄と呼ばれ、本職は魔術師大学の魔術師、すなわち魔術師。どこそこの英雄とかけて、魔術師ととく、その心は?」
「――? インダリス伯爵のご子息ファーウィルが六人の仲間とともにゲートに入ったが、それ以降何の音沙汰も無いのだ」
「知ってる。伯爵に救援を依頼された」
 
 どうも茨の騎士団というものがあり、二年ほどにファーウィルが結成したらしい。
 ただし、自慢話と口だけの連中で、本当に仕事をしているのは街の衛兵だという。
 もっともそれが公認されているのは、ファーウィルが伯爵のご子息だから特別扱いというだけだ。
 ほとんどの時間を酒場でつぶしては、荒唐無稽な武勇伝を聞かせているだけらしい。
 
 

 そんなわけで、オブリビオンの世界だ。
 塔が見えないのが気になる、新しいパターンかな。
 

 そしてさっそく茨の騎士団の犠牲者が。
 俺は、茨の騎士団の噂を元に、適当な詩を作りながら、先へと進んでいった。
 
 
 ――かつての英雄茨の騎士団ファーウィル、シェイディンハルから馬を駆ってやってきた。

  

 少し進むと、遠くにかすかだが本物タイプの塔が見えたので安心だ。
 ちょっと広めの世界のようだね。
 

 救出という目的が加わったので、道中の敵は退治しておく。
 俺一人なら駆け抜けることも可能だが、どんくさいやつだったら捕まってしまうかもしれないからね。
 そもそも、敵を前にして! とか言って、戦闘を挑む可能性もある。
 
 
 ――荒唐無稽な自慢ばかりしては威張り散らし、剣を振り回した。
 
 

「ん? 君たちは?」
「我らはシェイディンハルにその身を捧げる騎士団だ。我らは何も恐れず、稲妻のごとく敵を討つ! 我らの名は轟き、多くの者が入団を求めている。選ばれたわずかな者だけが、シロディールにおいてもっとも誉れある騎士団への所属を許されるのだ。フラー!」
 
 どうも外で話していた衛兵と、話の内容が食い違うな。
 もっとも誉れあるとか言っているが、ブレイズや白馬騎士団と比べてどっちが栄誉あるのかな?
 俺、どっちにも所属しているけど。
 
「それで、戦況は?」
「残念ながら、突入と同時に我らは圧倒されてしまった。四十匹はこの手で仕留めたのだが、敵は限りなく現れた。生き残ったのは私とブレマンだけた。しかし貴公が現れた今、我々は敵の砦からシジル・ストーンを奪取し、シェイディンハルを救うという大義を果たすことができよう! フラー!」
「一応シジル・ストーンを取るという目的は知っているのな、よろしい」
「そうだ。我が父シェイディンハル伯インダリスの名のもとに、汝に命令する。私をシジル・ストーンのもとまで先導せよ!」
「そのつもりで来たのだから安心しろ。それで、作戦は?」
「タッグ・フォーメーション・Aを組もうではないか。貴公が突撃し、我々は側面と背後を守る。前進あるのみだ! フラー!」
「ところでフラーって何? フラダンスか?」
「フラーはフラーだ! フラー!」
 

 そんなわけで、茨の騎士団二人を加えて進むこととなった。
 騎士団で生き残ったのは、フラーにブレマンか。ブレマン、ブレマン、ブレマンにはあだ名がある。サクライ、サクライ、サクライ――って何のことだろうね? って逆やん。
 ブレマンからは魚のいいにおいが漂っている。朝飯がバレバレだな。
 また犠牲者が居るが、橋を渡れば塔に辿りつく。
 
 
 ――だがついに黙る時が来た。オークの乙女マゾーガが彼にこう言った!
 
 

 で、フォーメーションはどこに行きましたか?
 俺まだ突撃してませんよ?
 
 だがこれを見て俺は悟った。
 こいつらに、駆け抜け作戦を指示したところで無駄だな、と。
 
 

 まぁでもファーウィルはそれなりに戦えるようで、ちょっと援護してあげれば十分問題は無い。
 

 ――今こそお前がシロディールブランデーを飲み終わり、その嘘を語り終える時だ!
 
 

 戦闘が終わった後で、ちょいとばかし治療してやれば、連戦もこなせるね。
 
「クヴァッチの英雄は、魔術師でもあったのだな?」
「逆だ、アークメイジという魔術師が、クヴァッチの英雄になったのだ。お前にも聞いてみよう。どこそこの英雄とかけて、魔術師ととく、その心は?」
「エル・ファシルか? わからん! フラー!」
 
 なんか初めて聞く単語が出てきたね。
 エル・ファシルって何だろう? 魔術師と関係があるのかな?
 まあいいや、気にしないことにしよう! フラー!
 
 
 ――そして聞こえたのは激しい剣の音! 乙女マゾーガの渾身の一撃!
 
 

 そんなこんなで、ドレモラやデイドロスを蹴散らしながら、塔の頂上へ到着。
 

 むろん、頂上でも戦いは続いている。
 もう少しだから頑張れよ、茨の騎士団。二人だけの騎士団。
 白馬騎士団も二人だけっぽいけどな! 気にしてはいけない! フラー!

 

 そして、やっとシジルストーンに到着。
 
「これで我々の勝ちとなりましたよ」
「やったぞ! あいや、違った――、勝利は今一度、我々の物だ! フラー!」
「それではさっさと取って、ゲートを閉じてしまおう」
 

 そしてゲートを閉じたとこで、ファーウィルは俺に感謝してすごく気に入ってくれたようだ。
 茨の騎士団を勝利に導いたということで、騎士団の名誉騎士号を授けると言ってきた。
 
「貴公の名前は尊敬されるものとなった。そして貴公の偉業は、吟遊詩人によって末代まで語り継がれるだろう。おめでとう! フラー!」
「自慢屋茨の騎士団ファーウィルの赤ら顔は、永遠にその体とおさらばした」
「は? 何のことだ?」
「あいや、ちょうど詩が完成しただけだ」
「ほう、聞かせてくれ」
 
 
 ――かつての英雄茨の騎士団ファーウィル、シェイディンハルから馬を駆ってやってきた。
 ――荒唐無稽な自慢ばかりしては威張り散らし、剣を振り回した。
 ――だがついに黙る時が来た。オークの乙女マゾーガが彼にこう言った!
 ――今こそお前がシロディールブランデーを飲み終わり、その嘘を語り終える時だ!
 ――そして聞こえたのは激しい剣の音! 乙女マゾーガの渾身の一撃!
 ――自慢屋茨の騎士団ファーウィルの赤ら顔は、永遠にその体とおさらばした!
 
 
「なんで私が首を刎ねられるのだ! フラー!」
「知らん! 適当に噂話を繋ぎ合わせて詩を作ったらこうなった! フラー!」
「マゾーガって誰だよ、乙女かよ! 会わせろよ! フラー!」
「レヤウィン近郊にある白馬山荘へ行ってみろ、いつでも居るわい! 驚くほどべっぴんだぞ! フラー!」
「うんまあ、茨の騎士団として、貴公は勲爵士の称号を持つことになった。誇りを持って名乗りたまえ! フラー!」
 
 こうしてシェイディンハルは、オブリビオン・ゲートの脅威から守られたのであった。
 

 伯爵は、ブルーマへの援軍を認めただけでなく、息子を救ったことに対するお礼として、インダリスの杖というものを与えてくれた。
 トゲの剣との選択だったが、俺は一応アークメイジなので、杖の方を頂いておいたのだ。
 
 
 後日、マゾーガのどこがべっぴんだと、ファーウィルからのお叱りがあったとかなかったとか、割とどうでもよい話である。フラー!
 
 
 
 
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