ドーンガード編48 ~ヴァレリカの帰還~
ラムリーザ「セラーナ、ヴァレリカはどうするのだ?」
セラーナ「そうでしたわ、お母様に報告しなければ」
俺達はヴォルキハル城から出た。
吸血鬼との戦いはもう終わったのだ。
ハルコンはもう居ない。
ならば、ヴァレリカもいつまでもソウル・ケルンに留まっておく必要は無いはずだ。
リセッテ「珍しく気が効くのね」
ラムリーザ「父親を失ったんだ、せめて母親とは幸せに……、な」
リセッテ「……そうね」
………
……
…
というわけで、再びソウル・ケルンの地に戻る。
相変わらず陰湿な所。
ハルコンの脅威は去ったのだ。
ヴァレリカも喜んで戻るはず。
……と思うが、ハルコンはヴァレリカにとっては旦那と言えば旦那だしなぁ。
ヴァレリカは、元々居た場所で薬の調合に必死になっていた。
ヴァレリカ「何か気になっているようね、何なの?」
ラムリーザ「ハルコンは滅びたぞ」
ヴァレリカ「何ですって? 確かなの?」
セラーナ「ええ、彼が倒してくれました」
ヴァレリカ「では私のタムリエルへの帰還を妨げるものはないわ」
ラムリーザ「だろうな」
ヴァレリカ「荷物をまとめさせて。それからヴォルキハル城へ向かいましょう」
うむ。
旦那をやられたと泣き崩れるとか怒られる可能性もあったが、どうやら取り越し苦労だったようだな。
ヴァレリカもいいかげんハルコンの暴走にうんざりしていたのだろう。
ヴァレリカ「そして心の底から、感謝するわ」
感謝までされちまった。
うむ、これで父親殺しの罪悪感を感じずに済む……、か。
本心はどうあれ、とりあえずな。
………
……
…
というわけで、ヴァレリカをつれてヴォルキハル城に戻ってきた。
ヴァレリカ「城の壮観を取り戻すには何十年もかかりそうよ。でも私には時間がたっぷりあるわ」
ラムリーザ「吸血鬼、か」
ヴァレリカ「ああ、故郷に戻るのはいいものね」
ラムリーザ「故郷かぁ、俺の故郷はサマーセット島なんだがな」
ヴァレリカ「もし必要な薬があれば、自由に持って行きなさい」
ラムリーザ「忝い」
というわけで、ヴァレリカは帰還した。
過去は忘れ、母娘で幸せになってくれればと、俺は願うのみだ――
前の話へ/目次に戻る/次の話へ