ソウル・ケルンにて5 ~星霜の書(血)~
ヴァレリカの持つ星霜の書を得るには、ヴァレリカを閉じ込めている障壁を取り除く必要がある。
障壁は、魂を吸い取っている尖塔の番人を倒すことで解けるということだ。
そして、全ての番人を始末した後、再びヴァレリカの元に戻ってきたら……
障壁が無くなっている!
これで交渉できるということだ。
ラムリーザ「これで星霜の書をもらえるのか?」
ヴァレリカ「ええ、ついてきなさい」
意外とあっさりだったな。
ヴァレリカ「ただし、ダーネヴィールに警戒して。牢獄の障壁が壊れた今、調査しに来るのはほぼ確実よ」
ラムリーザ「ドラゴンだろ、ドラゴンボーンに任せておけ」
ヴァレリカの案内で、星霜の書を置いてあるところに向かう。
そこは、開けたところで、ステージのような感じになっていて――
セラーナ「待って! 何か聞こえましてよ!」
ラムリーザ「なんぞ?」
セラーナの指差す方向に目をやると、そこには漆黒のドラゴンが迫ってきていた。
ついに来たか……
ダーネヴィールか……
どこにでもドラゴンは居るものだな。
ドラゴンボーンに勝負を挑むとは、愚かなやつめ。
しょうがねーなっ。
障壁は全て――
――取り除く!
こう言っちゃなんだけど、アルドゥインに比べればなー。
ちょろいもんよ。
ごめんよ、俺はもうあんたらの親玉に勝ってるんだ。
さて、いつもの吸収……
ん? あれ?
消え去ったよ。
ヴァレリカ「驚いてごめんなさい、でもあのドラゴンの死を見るとは思いもしなかったの……」
ラムリーザ「気にするな。俺もドラゴンとの初遭遇は、右往左往していただけだ」
ヴァレリカ「ダーネヴィールの記述がある巻では、通常の方法では殺せないと断言しているが、間違いのようね」
ラムリーザ「それはどうだか、吸収できなかったのが気になるけどな」
ヴァレリカ「復活の可能性もあるわけね」
ラムリーザ「その前に、星霜の書だ」
あった。
これに間違いないな。
セラーナ「行きましょう、デキソンに届けますわよ」
ラムリーザ「そうだな」
セラーナ「あなたがいてくれてよかった。一人では無理だったと思いますの」
ラムリーザ「それはなによりだな」
だがヴァレリカはここに残るという。
ハルコンが太陽の専制を実現する公算が高くなるというのだ。
つまり、ヴァレリカの血でも良いわけか?
そして最後に、警告と要望を述べてきた。
ハルコンは信用できない、望むものを得るためには必ず欺いてくると。
そして、セラーナの安全を守ると約束して欲しい……、と。
セラーナもなかなか戦える。
ハルコンにだけ注意していれば、それ以外については自分で自分の身を守れるはずだ。
なんというか、星霜の書が増えたぜ。
セラーナ「書が見つかったのは嬉しいですわ、でも……、母にも一緒に来て欲しかった」
ラムリーザ「すべてが終わったとき、きっとまた一緒になれるさ」
どのような結末を迎えるか、今の俺にはわからない。
言えることは、精々この程度の気休めだ。
さあ戻ろう、ドーンガードへ。
そして、リセッテの元へ――