ドーンガード編7 ~誇り高きハイエルフ~
さて、セラーナを無事に城に届けることができた。
これから城に入るところだが、入れるのは俺だけ。
リセッテ達は外で待ってもらうことになった。
おい「わんわんお」、ちゃんと番をしておくんだぞ。
城に入ったとたん、俺は怪しまれてしまったが、セラーナが戻ったことで俺のことはひとまず置いておくことになったようだ。
中では宴会が開かれていました。
俺も招かれるのか?
いや、ちょっと待て!
おいおい……
…………(。-`ω´-)
ダメだ……
ここはダメだ……
俺の趣味に合わねぇ……
さっさと話をつけて立ち去ろう……
ハルコン卿「娘が無事に戻った事、感謝している。お前の名前は何だ?」
ラムリーザ「ラム――、んや、ジェイザルゴです(誰が吸血鬼なんかの親玉に本名を名乗るか)」
ハルコン卿「私の名はハルコン、この一族の王である」
ラムリーザ「娘を連れて帰った見返りがもらえたら、それでいい」
ハルコン卿「うむ、星霜の書、そしてわが娘と同等の価値を持つ贈り物となると、一つしか考えられない」
ラムリーザ「それはなんぞ?」
ハルコン卿「私の血だ」
……吸血鬼になれというのか。
ハルコン卿「まだ納得できないのか?」
ハルコン卿「この力が手に入るのだぞ」
ふむ、なるほどな。
凡人はそういった特別な力にすがりたくもなるだろう。
だが俺は、誇り高きハイエルフだ。
力など、弓一本あればそれで十分だ。
それに、吸血鬼のかっこいい所だけ見せているが――
――その実態はこういう奴らということを知らないのか? 諸君……
これはほとんどサン○リアじゃないか!
それに吸血鬼になってどうするのだ?
永遠に生きることにそんなに価値があるか?
リセッテを捨てるのか?
シェイザルゴ、ハドバル、ネラカー、バルグルーフ首長、テュリウス将軍らとサヨナラするのか?
……それは、ありえない。
サルモールに加わる以上にありえない。
それに俺は、救世の英雄ドラゴンボーンだ。
スカイリムの民も裏切って、吸血鬼に成り下がれというのか?
ならば答えは一つ。
ラムリーザ「吸血鬼にはなりたくない。申し出は拒否する」
ハルコン卿「お前は獲物だ、定命の者の例に漏れずな。立ち去るがいい!」
………
……
…
リセッテ「どうだったの?」
ラムリーザ「俺はリセッテと共に定命の者として生きていくことにしたよ。サング(謎)にはならない」
リセッテ「なんだかよくわからないけど、ありがとう」
ラムリーザ「永遠なんていいものじゃない、ただ孤独なだけさ……(。-`ω´-)」
さあ、イスランの元に戻ろう。
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