ヘルゲンにて2 ~あの日~
ここに立つとあの日のことが鮮明に蘇ってくる。
マグナスの目の暴走に巻き込まれた俺は、ここに飛ばされて処刑されそうになったんだ。
リセッテ「斬首台が残ってる、ここで刑が執り行われたのかしら」
ラムリーザ「ロリクステッドが射られた所でもあるな」
あれ、違ったっけ、確か「ロキールのロリクステッド」ってハドバルが言ってたような?
そか、ハドバルと出会ったのもここか。
ラムリーザ「そして俺が斬首されそうになった時――」
――アルドゥインがあの塔の上に現れたのさ。
リセッテ「……斬首って、何をやらかしたのよ」
ラムリーザ「呼ばれもせんのに囚人を運ぶ馬車に乗り込んだら、ついでに処刑されそうになった……(。-`ω´-)」
リセッテ「昔から変なのは変わらないのねぇ……」
ラムリーザ「悪いのはマグナスの目だよ(´・ω・`)」
その後、てんやわんやの大騒ぎになって、ここに逃げ込んだんだよな。
ここでウルフリックを間近で見た。
ただ、ウルフリックが帝国の宿敵であると理解するまでには、しばらくかかったけどな。
ユニコーン「塔の壁が崩れているところがありますね」
ああ、ここか。
ラムリーザ「ここも奴の仕業なんだな。俺が上に登って行こうとしたら――」
――突然アルドゥインが突っ込んできやがったんだ。
あとはもうわかんねw
なにがなんだかわからなくなって右往左往していたら、ハドバルに連れられて逃げ出したんだっけな。
あの日、なぜアルドゥインはここを荒らしたのだろうか?
もし荒らさなければ、俺とウルフリックは死んでいた。
そうなれば帝国が勝ち、アルドゥインは滅ばずに済んだってことか。
しかしアルドゥインは荒らし、俺とウルフリックは死なずに済んだ。
結果、内戦は長引き、アルドゥインは滅んだ……
これは、サルモールが望むような結果になったわけだな。
だからデルフィンは、ドラゴンの出現はサルモールが関わっていると睨んだわけか……
そういえば後日知った話なんだけど、
あの日、エレン姉やんも来ていたんだってな……
まさかアルドゥインを呼んだのはエレン姉やんってわけじゃないだろうな?
そこで彼女が囚人として扱われていた俺の存在に気がついていたら、どうなっていただろう?
今頃サルモールの制服を着ていることが間違いないような気がするが……(。-`ω´-)
リセッテと出会う前だし、エレン姉やんに「サルモール入れ」と言われたら、素直に入っていただろうなぁ。
まあよい。
さて、どうしたものか。
前の話へ/目次に戻る/次の話へ