ファルクリースにて5 ~ブルー・ムーン~
ファルクリースは、緑の自然に囲まれた穏やかなところだ・・墓場が多いことを除けば。
だが、村人の話を聞いていると、一部では凄惨なことが起きているらしい。
マシエスって人だ。
どうやら、娘が殺されたらしい。
しかも、猛獣にやられたように、スタズタに引き裂かれてたそうだ。
埋葬しようにも、満足に亡骸を集められないほど……
ラムリーザ「村の周りに熊かサーベルキャ――、いや、ひょっとしてバルバスお前……」
バルバス「馬鹿にすんな、俺は人間は襲わないよ」
マシエス「シンディングだ、渡りの労働者らしい。至ってまともな男に見えたのに……」
ラムリーザ「人間がそこまでズタズタにできるかねぇ……」
マシエス「処分が決まるまで、地下牢にぶち込んである。奴の顔を拝む勇気があるなら、見に行くといい」
ん~
冤罪の気もするが、とりあえずシンディングって人に会ってみよう。
マシエスの言うとおり、凶暴な奴だとしても、牢の中だから大丈夫だろう。
…………
シンディング
ひょろひょろしていて、とても凶暴な奴には見えないが?
シンディング「化け物を見物しに来たのか?」
ラムリーザ「お前が少女を襲ったのか?」
シンディング「信じてくれ、決してそんなつもりじゃなかったんだ。俺はただ、我を失ってしまっただけだ……」
ラムリーザ「むしゃくしゃしてやったんだろ、そして今は反省しているんだろ」
しかしシンディングには秘密があったのだ。
月の影響を受けて、獣に姿を変える者、ウェアウルフ……
シンディングはウェアウルフだったのだ。
うむ、これで謎は解けたな。
少女はウェアウルフと化したシンディングに惨殺されたんだ。
しかしハーシーンの指輪があれば変身はコントロールできると考えたらしい。
だが、指輪などお構いなく呪いをかけられた・・と。
ハーシーン……
またデイドラか。
狩猟を司るデイドラ、時にはオオカミに変身する力を人間に与えると聞く。
そこでシンディングは俺に頼み事をしてきた。
そしてハーシーンに指輪を返してきてほしいと。
大きくて堂々とした獣を狩ると、ハーシーンが語りかけてくると言う。
その時に指輪を返せば、ハーシーンの怒りが静まるだろう……、と。
指輪を手放したシンディングは――
――ウェアウルフ化してしまった……
♪ぼんぼんぼんぼぼんぼんぼぼんぼん ぶるーむんぶるーむん♪
う~む……(。-`ω´-)
大きくて堂々とした獣を狩りに行きますか。
狩りなら俺の得意分野だしな。
というか今気がついたんだけど!
シンディングの指輪!
外れないんだけどーーー!ヽ(`Д´)ノ
俺の末路は「狼の血族」か、それとも「ハウリング」か……(。-`ω´-)
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