エピローグ1 ~Tales Of The Tongue~

 
 
空を覆う、アルドゥインの翼、吐く息は炎、その鱗は刃
恐れ震え上がり、逃げまどう人々。戦う者もいるが、むなしく死にゆく
我らは求め歌う、救世の英雄を。アルドゥインに挑む、猛き勇者を
 
 
 私の名前はリセッテ、ソリチュードの歌姫。
 

 私には夢があった――
 ドラゴンボーンと旅をする夢、そして英雄の詩を創る夢。
 ドラゴンボーンなんて、伝説だと思っていた。

 現実はシェオゴラスの信徒――
 でも、その彼が伝説のドラゴンボーンだったのよね。
 未だに半分信じられなくて、今まさにシェオゴラスの狂気に侵されているかもしれないと思うこともある。
 
 
アルドゥインの勝利は、人の世の終わり。黒き翼の、闇が世を覆う
恐ろしき日にも終わりは訪れる。冬のように確かな、それは声として
それこそアルドゥインの、死を告げる調べ。スカイリムの美しき、空を覆うスゥーム
 
 

 ほんと、最後の最後にようやく見ることができたようなものだけど、そこで見たこと、聞いたこと、感じたことを纏め、一つの詩を創り上げることが出来たの。
 
 
”Tales Of The Tongue”
 
 
 私が初めて創った詩、ドラゴンボーンの英雄談。
 アルドゥインの脅威から開放する物語。
 そして私の一番大切な人を称える詩――
 
 
アルドゥインの脅威は、声によりて終わり、秘術は伝わる。新たな時代へ
不滅なるものはない。アルドゥインも同じ。物語は終わり、そしてドラゴンは去ったのよ……
 
 
 この詩を披露する時、私の胸はいつも誇りで一杯になるの。

 この人が、私の大切な変な人なんです。
 
 
 
 




 
 
 前の話へ目次に戻る次の話へ

Posted by ラムリーザ