吟遊詩人大学の日々1 ~ラムリーザ、オンステージ~
俺の名前はラムリーザ、いろいろ肩書きはあるが吟遊詩人大学生でもある。
元々この大学に入ろうと思ったのは、リセッテさんに「赤のラグナル」を聞かせて、「どやっ」をしたかったんだけど、俺はリュートの弾き方など知らない……
だから、いきなりリュート弾けるようになって驚かせようって魂胆もあったんだけど、オラフ王の焚刑祭でリセッテさんと一緒した時に、あっさりと見破られてしまった(。-`ω´-)
まぁ、そのことがきっかけでリュートも教えてもらえることになったのだから、それはそれでOK。
というわけで、とりあえず吟遊詩人大学で授業は受けている。
パンテア「あなた達に必要なのは気迫なの。それさえあれば、どんな歌も一流の作品になるわ」
歌は気迫ね、覚えておこう。
そうさなぁ、リセッテさんの歌、「ウルフリックに死を!」ってすごい気迫なんだもんなぁ。
なるほどなるほどためになりますな。
パンテア「さあ、続けてアタフ」
♪かつての英雄赤のラグナル――
おおっ、赤のラグナル。
俺もこれをマスターしてやるぜっ。
パンテア「だいぶ上手になったわ、アタフ。でも、”ラグナル”と”赤”の部分をちょっと強調した方がいいわね」
パンテア「さて、次はラムリーザ。あなたもやってごらん」
ラムリーザ「待ってました!」
ラムリーザ、オンステージ!
パンテア「うーん、もっと練習しなくちゃ。あと、発声練習も忘れないでね」
ラムリーザ「はい(。-`ω´-)」
パンテア「あと、椅子の上に立たなくてもいいから」
みんな「(笑)」
…………(。-`ω´-)
………
……
…
はぁ。
音楽もなかなか大変じゃねーか、一筋縄ではいかないぞ?
いつになったらリセッテさんに披露できるようになるんだろう……
リセッテ「こんにちは、音楽の勉強は順調かしら?」
ラムリーザ「……う~ん、なかなか思うようには行かないんだよな」
リセッテ「そう?聞いてあげるから弾いてみて」
♪ぽろろんろん
リセッテ「ただ淡々と弾くより、強弱とかつけてみたらもっとよくなるわよ」
このようにね。
ラムリーザ「こうかな?」
リセッテ「ええ、その調子、よくなってきたわよ」
……これだったらわざわざ大学に入る必要も無かった気がするなぁw
パンテア先生の授業よりもよっぽど分かりやすいよ。
リセッテ「じゃあ、私は仕事に戻るわね」
ラムリーザ「後でまた飲みに行くよ」
………
……
…
パンテア「さて、ラムリーザ。少しは上達したかしら?」
ラムリーザ「へっへっへっ、リセッテさんのお墨付きだぜっ」
ラムリーザ、オンステージ!アゲイン!
♪かもえびばでー! くらっぷはーん! おーゆるっきんぐーっ! あごのしまっそーん!
♪いうぉーてーろーっ! うぃごなどぅーつうぃすてーごーすたーでぃーす!!
どやっ!
みんな「…………」
……反応悪いな(。-`ω´-)
やっぱりダメかぁ……
………
……
…
リセッテ「こんばんは、どうだったかしら?」
ラムリーザ「……なんか呆れられた感じだったけどなぁ」
リセッテ「変ねぇ、そこまで悪くないと思うんだけど……」
腕が悪いのではなく、「オンステージ」が悪いのだということに気が付かない二人であったw
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