見習い魔導師編6 ~緑の世界と、魔法の実験~
魔導師大学に入れられてから、真っ先に学ぶことにしたのは召喚術だ。
別にスケルトンとかなんとかを召喚することを学ぼうとは思っていない。
召喚術の中には、武器や防具を召喚して身に纏うってのがあるんだ。
そこで俺は、弓の召喚術に目を向けた。
アンカノ叔父さんに、ここでは魔法の勉強以外はダメだ、と弓を没収されてしまうので、それならば召喚弓なら文句言われないだろうと考えたのだ。
まだうまく召喚できないが、その内使いこなしてみせるぜ。
そういえば魔法の手伝いを依頼してきたのって、ジェイザルゴだけじゃないんだよね。
ブレリナも新しい魔法を作ったから「実験台になってくれ」って言ってきたんだ。
ふふ、みんな俺を頼りにしまくりんぐですな♪
ブレリナ「ちょっと魔法の実験台になってくださらないかしら?」
ラムリーザ「ん? ああ、いいよ」
ブレリナ「ありがとう、そこを動かないでね(みんな忙しそうだし、こんなこと頼めそうなのっていつもゴロゴロしているラムリーザぐらいしかw)」
どーん
ラムリーザ「ぬおっ、緑っ?!」
ブレリナ「どう?」
ラムリーザ「みんな緑になったよ、ブレリナの肌が緑色になって、ナメック星人みたいに見えるぞっ」
ブレリナ「何それ。う~ん、そんなはずじゃ……」
ラムリーザ「お、ミルクが青汁になっとるように見える」
ブレリナ「しばらくしたら元に戻ると思うけど……、う~ん……」
ラムリーザ「緑色は好きだから別に気にしないよ。さてと出かけるか」
うおっ、まぶしいっ
う~む、これは暗視ができるかも……、夜まで一眠りするか……
…………
……あ、治ってやんの。
ブレリナ「起きましたわね、次もお願いできるかしら?」
ラムリーザ「いいけど、次は青? 赤?」
ブレリナ「そんなことはないはずよ、そこを動かないでね。(次はジェイザルゴに頼まなければいけないかと思っていたけどよかったw)」
モ~、勘弁してよ~
ヒッ……、ヒヒーン(´・ω・`)
ブレリナ~、ブレリナ~……
ラムリーザ「まずい、このままだと最終的に魔女ラゼルのようなおばあさんにされてしまう……」
ウラッグ「それはウィローじゃ、それにおぬしは男だろうに」
ラムリーザ「うわっ、いつのまに?」
ブレリナ「…………」
おうふっ、治った。
ブレリナ「なるほど、どこから始めたらいいのか良くわかったわ。今日は手伝いありがとう」
ラムリーザ「なんだかよくわからんけど、お役に立てて何よりですw」
いったい何の実験なんだ……。
攻めてきた敵の兵隊を全部豚にするんだろうか……w
それとも結婚式に乱入して、参加者を全員オオカミに変えるのだろうか……w
ウラッグ「だから、ウィローや狼の血族の話をしても、誰も理解できないと思うぞ」
ラムリーザ「あ、そうそう、ついでにウラッグじいさん、マグナスの杖ってどこにあるか知ってる? 大学にあったっけ?」
ウラッグ「杖は知っておるが場所までは知らんな。大学の倉庫なら、ミラベルにでも聞いてみるがよかろう」
ラムリーザ「りょーかいっ」
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