ハーシーン ~俺は処女だったらしい~
もう何度目になるかわからないが、またしてもデイドラと関わっていたりする。
宝はくれるが、俺がひどい目に会うか、周囲がひどい目に会うか、その辺りは神のみぞ知る。悪魔っぽい神だけど。
そしてこれがハーシーン。
ミノタウロスみたいなのが神か、それとも狼みたいなのが神か、それとも二体セットで神様か。
ここでの捧げ物は、狼の皮。どこで手に入れたのか知らんが、何枚か持っているようだった。
信者は俺に、「狩るものか、狩られるものか?」と尋ねてくる。むろん俺は、(山賊を)狩るものだ!(`・ω・´)
というわけで、ハーシーンの試練。
狩りをして楽しませろというのだ。狩りか、デイドラにしてはわりとまともな要求だな。
しかしそう言っておきながら善良な市民の首を狩れ、などと言ってきたら逃げ出すけどな!
要求は、ここから東にあるハルケイン・グローブへ行き、ユニコーンを狩ってこいというものだった。
そしてその角を持ち帰ってこいと。
ユニコーンか。
狩るべき対象としては、神聖な生き物っぽくないですかねぇ?
まぁユニコーンの角は状態異常を回復するアイテムとして存在する場合もあるし、いろいろなところで狩られているのだろう。
しかしハルケイン・グローブ、えらく暗い森ですなぁ。
緑の森じゃなくて、黒の森になっているぞ?
ユニコーンは、この森の中に居るというのか……
しかも不気味だ。
何の脈絡も無く首無しの像が祭られていて、その前におわんがあって寄付をせがんでいるようだ。
これは何ですか? 寄付しないと首が飛びますよ? ですか?
像の傍には蜘蛛の巣まではってある。相当放置された場所なんだな、ここは。
空は青いのに、森の中は真っ暗だ。嫌な雰囲気の森だねぇ。
ちなみに、奥に見える滝に打たれると、ダメージを受けた。なんだここは危ないな!
所々、木の根元から薄明るく光るものが湧き上がっている場所もある。
遠くには青白く輝く光が漂っていたりする。呪われた森なのか?
あまり長居はしないほうがよさそうだ。さっさとユニコーン狩って逃げよ。
その不気味な森の奥、目的の獲物を発見した。
暗い森の中には合っていない、その白い体は美しさする感じていたりする。
殺すのもったいないな……
でもユニコーンは処女しか乗り回せないと聞くからなぁ……
やっぱり退治するか?
そんなわけで、こっそりと近づいていく。
しかしユニコーンは、俺の姿を見ても暴れようとしない。
うーむ、敵意がないと退治しにくいぞ。善良な市民じゃないけど、善良な生き物じゃないか。
これが熊や虎みたいに、こっちが何もしていなくても襲い掛かってくる猛獣なら、遠慮なく狩れるというものだが……
とりあえず乗ってみよう。
振り落とされたら、その仕返しにやってしまえばよい。
どうせ処女以外は振り落として暴れるに違いないから、それを理由にっと――
…………(。-`ω´-)
ユニコーンって、処女しか背に乗せないのじゃなかったか?
俺は処女だったのか……
いやまてよ、ひょっとして処ならば男でも女でも関係ないとか、つまり処男……ドウテ――(。-`ω´-)
俺は複雑な気持ちを浮かべたまま、ユニコーンを殺すに殺せず、そのまま乗ったままハーシーンの元へと戻っていった。
やはりアリーレさん辺りに筆下ろ――って何を考えているのですかねチミは!
エロはダメ!(`・ω・´)
ダル=マ辺りならヒーローと思われているから頼み込めば――って何を考えているのかねと言う前に、トカゲは嫌だ!
ってかエロはダメだってば!
若い者はすぐにエロに走って読者に媚を――って読者って何ですか?!
いかん、混乱している。落ち着け気を静めろ、1、2、3、5、7、9――あ、違った。
………
……
…
「ハーシーン殿、これでユニコーンの角を持ち帰ったことにならんかのぉ?」
「ダメだ、狩らなければ認めない」
「…………(。-`ω´-)」
やっぱり退治しなくちゃダメですか。
しかし、なんかこのユニコーン、敵意が無いどころか妙に懐いているんだよなぁ。
俺が乗っても全然怒らないし、普通に動いて祠まで戻ってきてくれたし。
………
……
…よし決めた!
ハーシーンの要求は却下。こいつは俺のペットにする。
前々から馬が欲しいと思っていたんだよなぁ。ユニコーンナイト、かっこいいではないか。
たぶんハーシーンがくれる宝よりも、ユニコーンの方が実用性あると思うし、決めたそうしよう、そうしよう。
さて、日も暮れかけている。
インペリアルシティまで、ユニコーンでかっ飛ばすかな?
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