北への旅 ~目指せ、帝都インペリアル・シティ~
「そういえば、アルダリンの問題はどうなっているのかな?」
「……完全に忘れていました!」
そんな話もあったな、ブラヴィルの推薦状をまだ頂いてなかった。
帝都に行かなければならないって話だったので、後回しにしていたんだった。
「帝都に行くなら、途中にハーシーンの祠があるから、興味があるなら立ち寄ってみたらいいよ」
デイドラか、ついでに宝を頂いてくるか。
クッド=エイの話では、ここから帝都までの道で途中に小さな池がある。そこから東に少し進めば、ハーシーンの祠があるのだと言った。
そういうわけで、翌朝早くからブラヴィルを出発して帝都へと向かう。いよいよインペリアルシティに向かうのだ。
最初の目的は忘れたが、シロディールの魔術師大学に入学するのが目的になって以来、全ての街で推薦状を書いてもらうことになった。
そして最後の一つが、今行っているブラヴィルの推薦状だ。
右手に朝日を見ながら、北へと進んでいく。
しかしこの国は、いろいろな気候があるものだ。
ブルーマとかは雪国だし、シェイディンハルやコロルは森の中、スキングラードは都会でアンヴィルは港町。レヤウィンは湿地帯で、ブラヴィルは何だろ? 水辺の町?
他に小さな村は、ハックダートにボーダーウォッチ。
まぁ帝都インペリアルシティは、どこよりも立派なんだろうけどな。
しかしお前は立派じゃないこのバッファローマンが!
ひっこんでなさいっ
とまぁ、街路と言えども安全ではないのはわかっている。
この国の街路は、虎や熊まで出てくる危険地帯だからな。
途中こんなところも見つけた。
タロスの祭殿らしいが、デイドラの祭殿と違って像は飾ってないのね。信者も居ないし。
一度この国の神様について、しっかりと調べてまとめておく必要があるかもしれない。
どうもデイドラにばかり触れているような気がするが、仕方が無いじゃないか、宝をくれるんだから。
そしてここは、イル・オーメンの宿屋。兇兆ですか? 怖い名前だな。
看板もカラスだし、不吉だぞ?
少しだけ休憩してから先へ進むことにする。ご休憩ではないぞ、あくまで一休みだ。
宿の主人と話をすると、この宿には現在ルフィオという老人が泊まっているらしい。というか、そのルフィオじいさんしか泊まっていないのだと言う。
名前が怖いからみんな避けるのではないですかねぇ?
でも主人は、名前も看板も気に入っているから変える気にはならないらしい。
まぁ宿の構造自体は、コロルにあった宿屋と同じだから問題ないと思うよ。
同じ人が建てたのかどうかわからないが、ずいぶんとまっつくついな内装だな。
せっかくだから、そのルフィオじいさんに会ってみる。
彼は何かから隠れているようだと宿の主人は言っていたが、誰だろう?
ダケイルさんかな? アリーレさんかな? それともモラグ・バルだろうか……(。-`ω´-)
ルフィオは俺の顔を見るなり、「俺は潔白だ!」などと騒ぎ出す。
なんだお前は犯罪者か? 衛兵から逃げているのか?
まぁこの国の衛兵は、悪即斬だからな。隠れたい気持ちもよくわかる。
だが俺は、調子に乗ってこんなことを言ってしまった。
「ふむ、しかし貴殿は何かをした筈だ、ルフィオよ」
「ひー、えんっ!」
なんだかわけのわからないことを口走って、逃げ出してしまった。
彼女は抵抗しなかったとか、そんなつもりはなかったとか、他に方法は無かったとか……
婦女暴行殺人でもしましたか? このじいさんは……(。-`ω´-)
後を追いかけると、隣の部屋でうずくまっていた。
まあいいや、べつに爺さんに用があるわけでもないし、気にしないで先に進むとしよう。
本当にこの爺さんが殺人犯なら、その罪を問うのは衛兵の仕事だ。俺がどうこう言う必要は無い。
イル・オーメンの宿を過ぎてさらに北に進むと、今までに何度か見たことのある景色が目の前に広がった。
インペリアルシティ。
あの中央の塔だけは、遠く離れた場所からもよく目立つんだよね。
しかしここでちょっと寄り道。
この傍に、クッド=エイの言っていた小さな池があったのだ。
ここから東へ向かえば、ハーシーンの祠なのだろう。
東に向かえば――
――またお前か野蛮人オーガ!
スプリガンまで従えて、いい気になっているんじゃない!
得意の高台戦法で、一方的に叩きのめしてやりましたとさ、まる
スプリガン、おっぱいでかいけど、体質が木そのものだからな、硬すぎて全然楽しめないって何を言っているのだチミは!
山賊の女をやっつけて追い剥ぎして――っと、何を言っているのだねチミは!
エロは無し!
というわけで、東に進んだところで森の中に佇む像と、よく見たことのある光景が広がっていましたとさ。
うん、ちゃんと服を着ているね。
シェオゴラスが妙だっただけだよね、よいよい。
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