スキングラードの推薦状 ~ナイト・オブ・ザ・リビングデッド~
さて、狂人に付き合って無駄な時間を過ごしてきてしまったが、本題に戻ろうと思う。
スキングラードの魔術師ギルドでも、推薦状を書いてもらうことにした。
どうやら推薦状を書いてもらうことも、この世界では名声につながるらしい。
先日までの思い出したくも無い事件は、名声に繋がったかどうかは不明だけどな!
というわけで、この街のギルドマスター、エイドリアンにお願いをすることになった。
すると彼女は、「立て込んでいるのだけど、急用でもあるのかしら?」と来たもんだ。
ギルド内をうろうろしていて、メンバーと雑談をしているだけに見えるが、本当に忙しいのかねぇ?
推薦状を書いている暇はないけど、アーソルという人物に貸した本を返してもらえたら、推薦状を書いてあげると言うのだ。
要するに、依頼をこなさないと推薦状は書かないってことだ。
まあいいけどね。
で、そのアーソルという人は、どこに居るのかわからなくて、エイドリアンも探す暇は無いと言う。
探す暇も推薦状を書く暇もないけど、アーソルが戻ってきたら推薦状は書ける。
しつこい? まあいや。
どうせ透明化する魔法を使って、そこらへんに隠れているんじゃないの?
みんなから話を聞いて、アーソルを探しなさい、という話になりました。
いろいろとたらいまわしされた結果、アーソルはスキングラードの西にある、寂寥平原洞窟――簡単に言えば荒涼たる洞穴で最後に目撃されたということがわかった。
どうでもいいけど、このギルドにもアルゴニアン居るのね。
洞窟の場所はここ。トーティウスが乗馬していた所辺りかな?
あと、去り際にギルドメンバーが噂話をしていたけど――
これって、ローグレン・ベニラスのことだよね?
………
……
…
さて、寂寥平原洞窟へと向かう。
途中、トーティウスの馬が放置されている。
馬小屋に入れるでもなし、草原に放置していても逃げない馬。
なんなんだろうね?
そしてお目当ての洞窟。
とくに頭蓋骨は転がっていないので、食人種オーガは居ないことがわかる。
しかし、この世界はどの洞窟も入り口に人工的な木でできた入り口がついているのだ、不思議だね。
なんなんだろ、アーソルが住み着いているのかな?
――などと思っていたら、実に気味の悪いモノがうろついていた。
首なしゾンビかよ!
でもね、こいつって実は安全なモンスターなんだよね。
ゾンビは、噛まれることによって感染して被害者もゾンビになってしまうと言う。
こうして首が無ければ、噛まれることもないのでゾンビ化してしまう恐れがないのだよ、やったね!
しかしこいつは、うめき声を上げながら俺をどこまでも追いかけてくる。
首が無いのに何故俺の居る場所がわかるんだよ! 首が無いのにどこからうめき声出しているんだよ!
心眼か? ゾンビのくせに生意気だ!
腹話術か? ゾンビのくせに生意気だ!
そんな奴らはお仕置き!
霊峰の指もいいけど、ゾンビはやっぱり火炎攻撃がいいんだよね。
燃やして炭にしないと、何度でも蘇ってきそうだ。
この首なしゾンビがうろついている洞窟の奥に、アーソルは閉じ込められていたようだ。
全てのゾンビが片付かないとこの場を動かない、などと言うので洞窟内のゾンビを全て燃やしてやりましたよ。
ゾンビを片付けることで、ようやくアーソルは街に戻ることになった。
しかし、こんなゾンビだらけの洞窟で、アーソルはいったい何をやっていたのか?
ひょっとして屍術の失敗をしてしまったのか?
アイレイドの遺跡の奥で、死体をどうにかしようとしていた死霊術師が居たから油断はできない。
外に出ると、すっかり夜になっていた。
おそらくトーティウスが近場で馬を乗り回しているに違いない。
後はとくに変わったことは無し。
魔術師ギルドの前まで送ってあげて、この仕事はおしまい。
アーソルは、無事にエイドリアンと対面できて、俺も推薦状を書いてもらい、一件落着。
推薦状は、あと何枚必要なのかな?
どうでもいいことだけど、エイドリアンの名前からドを抜いたら異星人になっちゃうね!
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