旅路~ハンターギルド物語 その三 ~シマウマの王女~
さて、エロインから教えてもらった隠し洞窟の探索も終わったことだし、再びリバーホールドへと向かうぞ。
このまま北上してリメンに向かい、そこからまだ未踏の地を横断していこう。
道筋としては、このルートを通る予定だ。
レヤウィン西の森を抜け、リメンの近くまで到着。
ここから先は道は無いが、お日様の位置を確認しながら北西へ向かうのだ。
黙々と北へ向かうと、遠くに見えるのは恐らくブラヴィルの城壁だろう。
このまま北上するとシロディールに戻ってしまうので、進行方向を西へと切り替える。
すると草原は途切れ、再び砂漠地帯が目に入ってきた。
遠くに見えるのは、まだ見ぬ集落かな?
集落に近づくと、またしても住民が襲い掛かってきた。
エルスウェアの地方で暮らす住民は、なぜこう好戦的なのだろうか?
「待ってくれーっ、俺たちは敵じゃない!」
「ウヒャホ、トゥルットゥー、パニャランジャーッ!」
「ニャホ、トゥルットゥー、タッタラマージ!」
「マンダラホンダラ、ムナーラワトゥルットゥーッ!」
「お前らまたこれかよ!!」
アガマナスの司祭だけでなく、どうも未開の地に住むカジートとは言葉が通じ合わないようだ。
これだと停戦要求もできないので、戦うしかない。トゥルットゥーッ!
ラクダも襲われるのか、ホント見境なしだなぁ!
この一族の名前は、アズカーン族。集落の名前は、メイア・リンマウントだ。
コリ・ターグレードに住んでいたドガザーバ族と同じで、話のわからぬ蛮族であった。
集落の建物には、ウッドエルフだけでなく、オークの首まで保管されていた。
カジートの蛮族は、基本的に首狩り族なのだろう。
たぶん、グ=ジューナの居るクワザーニ族以外は、全部こんな感じなのだろうな……
「また村が一つ死んだ。行こう、ここもじきシヴァーシュに沈む……(。-`ω´-)」
俺たちは、エルスウェアを滅亡に追いやっている使徒なのかもしれん……
でも悪いのは、近づいただけで問答無用で襲い掛かってくる奴らなわけで。
ジ=スカール先輩の話では、これらはシロディールに住む山賊等と同じような物だから、気にしなくて良いと言ってくれたが、なるほど、そういう見方もあるのだな。
しかしエルスウェア装備は簡易的な物で飾りも無く、あまり追い剥ぎをするうまみは無いのだよなぁ……
その時、集落の高台から西の方を見ると、なにやら要塞のような物を発見した。
「あれは何だろうか?」
「ジ=スカールの記憶が正しければ、あれはキングスウォークだ」
「むっ、それはまさかメラナット島の――」
「それはキングスフィールドだ」
「ではどう考えても縦スクロールのシューティングゲームだが、メーカーがRPGと言い張って――」
「それはキングスナイト」
「…………(。-`ω´-)」
――って、何の話をしているのだろうね!
近くで見るキングスウォークは、要塞そのものだった。
待てよ?
キングスウォークってどこかで聞いた名前だな?
「キングスウォークって何だっけ?」
「ハンターギルドで何とか言ってなかったかしら?」
そうだった。
シマウマというムナーラワという蛮族の王女の馬の毛皮を要求されたのだったな。
その件で、ムナーラワという蛮族やシマウマが何処にいるのか調べるのなら、キングスウォークのキャラバン宿に行けばいいという話だったはずだ。
早速要塞――、これでもキャラバン宿らしいが中に入ってみると、やたらと広々としている。
ゾウが居たりするけど、飼っているのだろうかな?
衛兵に「ムナーラワのシマウマ」について尋ねてみたが、何も知らないらしい。
キングスウォークの周囲は壁では無く建物になっていて、中央の広間を囲むような造りになっていた。
変わった形だが、何か意味があるのかな?
ここは宿にもなっていて、女将のヒルデが経営しているようだ。
彼女に「ムナーラワのシマウマ」について尋ねてみたところ、東の丘でシマウマにまたがったカジートの女を見かけたと教えてくれた。
ここから東と言えば、先ほど全滅させたドガザーバ族の住むメイア・リンマウントがある方角だが、はて?
「さっきの集落にシマウマ居たっけ?」
「あ、シマウマに乗った奴も襲い掛かってきたから、やっつけておいたわ」
「なんだか知らんうちに片付けていたみたいだな……」
これはもう一度さっきの集落に戻って調べてみる必要があるな。
そこへ向かおうとしたところに、女将のヒルデが話を続けてきたのだ。
なにやらゾウを買う気があるなら、グ=ニャッサと話をしたらいいとのことらしい。
ゾウか……
グ=ニャッサに会ってみたところ、マジでゾウを売ってくれるらしい。
ここで緑娘がやたらとねだってきた。
「ゾウ! 買って!」
「ゾウなんて女と一緒で、眺めるには好きだが家に欲しいとは思わないものだぞう」
「なによそれ! ラクダは買ったのになんでゾウは買わないの?」
「それを言われたら痛いな……」
仕方が無いのでゾウも買うことにした。
12000Gもするゾウ、家より高いぞう。
というわけで、これが俺たちのゾウらしい。
鉄の防具を装備しているということは、戦象とかいうやつで戦ってくれるのかな?
早速乗ってみて出発しようとしたところ――
出られない……(。-`ω´-)
さて、そんなわけで、旅の仲間が増えたわけだ。
俺、緑娘、先輩、ラクダ、ゾウ。
なんでかね? なぜ獣率が高くなってしまうのかね?
先輩も厳密に言えば猫だしなぁ……
そしてメイア・リンマウントに戻ってみると、集落の入り口から少し離れた場所でシマウマがくたばっているのを見つけた。
これが緑娘に「ついでに」退治されたシマウマの成れの果てなのだろう。
確かハンターギルドのオグラは、シマウマの肉も欲しがっていた気がするので、皮だけでなく肉も頂いておく。
ちなみにその傍には、カジートの王女らしき者も転がっていたりする。
ムナーラワという蛮族の王女は、俺の知らぬ間にやられていたということだ。なんなんだろうね。
王女自ら陣頭に立って戦うタイプか。
まぁ安全なところで戦争を賛美して、他人に愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すようなのとは違って立派な方だ。
残念ながら勝てなければ、このように最悪な結果になるけどね……
こうしていつの間にかハンターギルドの仕事を完了させたので、再びコリントへ戻ることになってしまった。
どうも最近エルスウェア内を、東へ西へ行ったり来たりしてばかりだなぁ……
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