最終的に女装したり ~マオマーの秘宝を求めて 後編~
リバーホールド二日目の朝。
どんよりどよどよ?
砂漠ではまた砂嵐になっているのだろうな。
さて、今日やることは、ニラーニャを探しつつ、マオマーの秘宝を隠し持っているというオークの野盗が住んでいる家を探すということだ。
町をうろうろしている人にニラーシャのことについて訪ねてみるが、皆口裏合わせをしたかのように「そんな名前、聞いたことすら」と答える。
これはアレか? 二つに一つだ。
一つ、ニラーシャの存在を、町総出で隠している。
一つ、ニラーシャという存在は、追い剥ぎの妄想だった。
さあ、どっちだろうか?
とりあえず人の多いところ、宿屋に行ってみようと思う。
しかし宿屋もけっこう空っぽだったりするから、あまり過信してはいけない。
「こんにちは!」
「はいこんにちは」
宿屋で見つけた、ザーディルというカジート。
この人だけが、これまでと違った反応を示してくれたのだ。
曰く、ニラーシャは、オークレストの市場で露天を開いているとのことだった。
オークレストか……
後回しにして、オークの野盗の家を探すとしよう。
町でオークを見つけることができなかったので、家を直接探すことにする。
一応表札のようなものがあるということで、扉の外から誰の家か分かったりするのだ。
その中で、気になる家が一軒。
ショーム・ドロ=マグロックの家というものが気になった。
種族によって名前の付け方に法則があるというものは、なんとなく分かっていたりする。
例えばオークだと、戦士ギルドのシェイディンハル支部長は、バーズ・グロ=キャッシュという名前だった。
グレイ・プリンスだとアグロナック・グロ=マログ。
「名前・名前=名前」これがオークに付けられた名前の特徴だ。
つまり、このショーム・ドロ=マグロックという名前は、ほぼ確実にオークの名前と言うことになるね。
そこで、緑娘とジ=スカール先輩に周囲を見張ってもらい、どろぼうさん作戦を敢行する。
野盗から盗むということは、悪の悪。マイナスのマイナスはプラスだからな。
家の中は荒れ放題になっていて誰も居ないみたいだが、チェストが一つだけ置かれている。
中身は、マオマーのヘルメットと、メモと鍵。
織り手洞穴、レッドリバー渓谷の二番目の滝の下と同じパターンだね。
メモの内容は、「コリ・ダーグレードの族長小屋の裏にチェストを隠した」というものだった。
コリ・ダーグレードと言えば、リバーホールドとデューンの間ぐらいに存在する集落で、以前グ=ジューナの依頼でボズマーの首を取りに行ったところだね。
一つずつ片付けていこうと考え、一旦リバーホールドから離れることにした。
空模様は相変わらず怪しいが、デューン方面に向けて出発だ。
この街道もエルスウェアなんだぜ?
赤い世界、砂の世界以外に、普通の緑の世界もあるもんだ。
しばらく西へ進み、砂嵐を避けたシープレイス砦に到着。
コリ・ダーグレードは、ここから南に向かった所にあることになる。
というわけで、いろいろと道中省略したけど、コリ・ダーグレードに到着。
ここには元々ドガザーバ族が住んでいたけど、近づくだけで襲い掛かってきたので返り討ちにしたのだ。
そんな事もあり、今では無人の集落と化してしまっている。
「え~と、宝の場所は族長小屋の裏か」
どれが族長の家なのかは、今となっては分からない。
それに、小屋の裏にはすぐに柵があり宝を置くようなスペースは無い。
つまり、集落の外ということになるね。
そんなわけで、小屋の一つの裏にチェストを見つけたのであった。
中身は同じくマオマー装備と、メモと鍵。次の鍵を使う場所はグロ=マドゥクの隠れ家か。
メモには、新しい組織の隠れ家として、グリーンベイル湖南東の丘にある、帝国荘園の廃墟の中だと書いてあった。
地図で示す場所はここだ。
結局オークレスト付近まで戻ることになってしまったね。
マオマー装備の件が終わったら、オークレストの市場に行ってみることにしよう。
なんでマオマーの装備を集める必要があるのかは、わからんけどね。
というわけで、動物たちの水場経由で南へ向かう。
ここへ初めて来た時は砂嵐の真っ最中でよくわからなかったけど、こうして良い天気の時に来てみると……
ただの池だな……(。-`ω´-)
というわけで、帝国荘園の廃墟へ到着。
元々は荘園だったのだろうが、賊に襲われたのかどうか知らないが、今ではただの燃え残りになっている。
荘園の中にチェストがあったけど、中身はからっぽ。
ここは宝ではなく、隠れ家があるということになっている。
荘園周囲を探索してみると、燃え残りの裏手辺りにあった柱の中に、中へ入れる入り口があったのである。
「それでは、隠れ家に突入するぞ」
「待って、あたし達なんで野盗の隠れ家に突入しようとしているの?」
「わからん……、最初のメモから始まって、いつの間にかこんな話になっていたのだ(。-`ω´-)」
「意味の無いことしないでよ」
「戦士ギルドとして、野盗は放置しておけんってならんのか?」
「じゃあ退治する」
「うむ」
こうして、グロ=マドゥクの隠れ家に突入したので、ある。
入ってすぐの所に居た見張りに、吹っ飛ばされてしまうジ=スカール先輩w
囮にして申し訳ない、後は俺たちでなんとかするよ。
先輩の治療をしている間に、緑娘が魔剣で退治してしまいましたとさ。
「さて、隠れ家の中はそれほど広く無さそうだな」
「あっ、敵がまた来た」
「それは君に任せる。俺は奥へ強行して親分を退治してやるさ」
途中もう一人居た野盗を緑娘に任せて、俺は一気に奥の部屋へと突入した。
そこには、親分らしきオークが待ち構えていたのである。
「誰だお前は? 新入りか? 俺がグロ=マドゥク様と知った上での狼藉か?!」
「俺の名前はラムリーザ、むろん新入りだ。グロ=マドゥク様万歳!」
「怪しい奴め、合言葉を言ってみろ!」
「ごめ~ん、昨日眠れなくて、だから寝坊しちゃった、てへっ☆」
「気持ち悪い奴め、死ねっ!」
そうは行くか、返り討ちじゃ。
べつに野盗に襲われたわけじゃないけど、これも何かの縁だ、諦めてくれ。
そんなわけで、成り行きのまま野盗は退治され、マオマーの装備は全て――、誰の手に戻ったのだろう?
俺別にマオマーの装備とか、必要ないのだけどな。
野盗の親玉グロ=マドゥクの部屋にあったチェストには、マオマーのキュイラスが入っていた。
これで、ガントレット、ブーツ、ヘルメット、グリーヴ、キュイラスの全てが手に入った。
緑色なのは良いけど、半魚人みたいな感じになるのと、女用というのが困る。
「というわけで、女用みたいだから装備してみてくれ」
「嫌よ、そんな鎧。あなたが着てみなさいよ」
「女用だぞ?」
「別に鎧に男用も女用も無いでしょ?」
「うむ、それは確かに一理ある」
そんなわけで、あまり気は進まないけどマオマーの装備を身に付けてみた。
「どやっ! アトランティス・ラムと呼べ!」
「なんで胸があるのよ!」
「知らんわ! こんな鎧だった! たぶん乳袋みたいなものだと思う」
「なんで下腹部だけ露出して、パンツだけ丸出しにするのよ!」
「知らん! 腰当ては入っていなかった!」
「気持ち悪いわねぇ……」
「なんか俺、さっきから気持ち悪いばっかし言われている……(。-`ω´-)」
こうして俺は、あまり実用的ではない、半魚人装備を手に入れたのであった。
マオマーの秘宝を求めて動いてみたが、いまいち秘宝には見えないところが残念だ。
まぁでもシロディールでは見たことも無い珍しい装備なのは間違いないので、デイドラ装備と同じように自宅の保管箱行きかな。
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