リバーホールドにて ~エルスウェアの窓口~
エルスウェア旅行記もいよいよ終盤戦。
四つの大きな町のうち、最後のひとつであるリバーホールドへとやってきた。
いろいろとやることはあるが、まずは町をゆっくりと見物してみよう。
まずこの町で一番目立つのは、町の中央を流れる川だ。滝にも見えるが……
リバーホールドというだけあって、川が重要なのだろう。
門の上に登ってみると、エルスウェアが一望できたりする。
やはり砂漠と森の境界線がありますな。
反対方面を見ると、シロディールのインペリアルシティが見える。
エルスウェアの窓口といった類の町なのだろう。
町は、中央の川を挟む形で家が並んでおり、それぞれ対岸にある家を橋で繋いでいる。
しかしやはり川というより滝で、橋の位置も段々になっているのだ。
下の階から一つずつ見ていこう。
といいつつ迷路のようにもなっていて、行き止まりがやたらと多い。
この町を攻めるのは大変だろうな。防衛側は、上から矢を放ち続けているだけで、攻撃側は接近は難しいだろう。
川の源流は、大きな建物の中から流れ出ている部分のようだ。
「やっぱり最上階に、上流階級の家があるみたいだな」
「違うぞ、あれはナギア女王の住む宮殿だ」
「女王様?」
えーと、どこから突っ込もう。
まずは城について。女王が住むような城が、木製でできている家とそっくり。
デューンの宮殿を見た後だから、どうしてもしょぼく見えてしまう。
そしてもう一つはエルスウェアの支配体制がわからん。
デューンは二人の王子が跡目争いをしていたからエルスウェアは王国だと思っていた。
しかしこのリバーホールドにも女王が居る。
いったいエルスウェアを支配しているのは誰なのだ?
気を取り直して町の見物を続けるぞ。
リバーホールドの魔術師ギルド。
山肌から突き出るような形で、その建物は存在していた。
建物の中は洞窟のようになっている。
山肌を掘りぬいて、入り口だけ家風に仕上げたということなのだろうな。
そして構成員は、カジート二人だけ。これはエルスウェアだからまあいいか。
問題はこれ。デイドラのブラッド・ポーションなる物が作られていた。
初めて見る物だが、デイドラの血で作ったポーション?
気色悪いぞ、あまり使いたくないなぁ!
そして第二の問題がこれ!
なんでヴァレン――ウッドエルフの戦士の頭蓋骨を飾っていますか?
デューンでグ=ジューナと一緒にうボズマー狩りをやったときに集めた首と同じものが、なぜここにある?
エルスウェアでは、魔術師ギルドもボズマー狩りをしているのだろうか?
ま、グラアシアみたいな奴だったら、ギルドを総出してでも狩りとってやりたいけどね!
さて、他は民家や宿屋や店だったので、町巡りは終わり。
いよいよ城を訪れてみよう。普通の大きな家にしか見えないけどね。
ちなみに入り口は左右二つあり、左側はなぜか鍵がかかっている。
右の家は在宅で、左の家はお出かけ中かな?
城の中は、入ってすぐの部屋は木造の家と変わりは無かったが、奥の間へ行くとガラッと雰囲気が変わった。
謁見の間は山肌を掘りぬいた先にあり、まるで洞窟の中のようになっている。
やたらと大きな猫がうろうろしているその奥に玉座があり、腰掛けているのが女王陛下ですかな。
カジートの近衛兵士に、左右に控えた大きな猫、そしてカジートの女王。
いちおう女王陛下に挨拶しておこう。
「お初にお目にかかります。シロディールでアークメイジをやっておる、グランドチャンピオンのラムリーザです」
「初めましてアークメイジ。わたくしはナギア、リバーホールドの女王。皆が私を褒め称える。でも一時の美しさなど、何になりましょう」
「カジートの美しさは俺にはわから――っと、ナギア女王、私も美しいと褒め称えましょう」
「姿形ではなく、美しい心をお持ちなさい。心にはシワはできません」
「――だそうだ、テフラ。外面よりも内面を磨くんだぞ」
「あたし内面も奇麗! ジ=スカール先輩に言ってあげて!」
「ジ=スカールは、清く正しく生きておる」
「嘘付け! 少し前までイタヅラばかりやっていたくせに」
「後輩は先輩に逆らってはいけないのだ」
「先輩の偽りを正す義務はあるはずです!」
「こほん――」
あ、女王陛下の御前であることを忘れて、先輩と舌戦を繰り広げてしまった。
緑娘が素直に反省しておればよかったのだ、ぬん!
「アークメイジよ、リバーホールドに家を持ちたければ、今ならオリハルコン洞が売りに出されていますわ」
「買います、買わせてください」
「9000Gです」
「ほらよっ!」
ご無礼は、家を買うことで誤魔化しておく。
デューンの三倍の価値はあるのだろうかね?
そしてこれが、リバーホールドの自宅である。
入り口の辺りは木造住宅だが、すぐ後ろは山肌にめり込んでいる。
洞穴のような家だろうな。オリハルコン洞という名前の通り。
オリハルコンが取れるなら、22500Gで売れるから、いくらでも金を稼ぐことができるね。
35000Gの王者の剣? 要らん要らん、俺はアークメイジだ。
ここが玄関、木造のものすごく狭い部屋だ。
ここだけで9000Gだったら、詐欺もいいところだね。
誰が用意してくれていたのかわからんが、奥の洞穴中央には囲炉裏のようなものがあり、食べ物が置かれてあった。
どうでもいいけど、洞穴の中で火を炊いていたら、酸欠になるような気がするけど大丈夫だろうか?
さて、いま抱えている任務を確認してみよう。
・ハンターギルド:王女のシマウマの毛皮を見つけるため、キングスウォークのキャラバン宿で情報を得る。宿はエルスウェア北部にあると聞いていたので、この付近にあるはずだ。
・マオマーの秘宝:リバーホールドに住んでいるオークの野盗が自宅に保管しているらしい。
・追い剥ぎの婚約者:ニラーニャという人を探す必要が……、あるのかな?
こんなところだね。
どれから手をつけるかは、一休みしてから考えよう。
それではおやすみ。
目が覚めてもこの部屋でありますように。
このちっこいベッドで目が覚めますように……
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