追いはぎの一生 ~まぁこれは仕方が無い~
リバーホールドへ行く途中、追い剥ぎに襲われたりした。
しかしこの追い剥ぎがこれまでのと違う点は、婚約指輪と手紙を持ち歩いていたことだ。
婚約者の名前はニラーシャ。リバーホールドで情報を集めたところ、オークレストの市場に居るらしいことがわかった。
丁度マオマーの秘宝を手に入れる過程でオークレストの近くまで戻ってきたので、立ち寄って市場を覗いてみるかな。
しかし……
また砂嵐だ……(。-`ω´-)
まいったな、オークレストの町に入ったと思うのだが、砂嵐が酷すぎてほとんど見えん。
「これは何かの陰謀だ……」
「また陰謀説?」
「いや、初めて使ったが」
「で、何の陰謀よ?」
「何者かの力が働いて、俺をニラーシャに会わせないようにしているのだ」
「追い剥ぎの妄想に出てくる婚約者のことかしら?」
「妄想の中に出てくる人物に妄想させたら何になると思う?」
「13Fの妄想版」
「なんやそれ」
とりあえずこの砂嵐では、普通に行動することすらめんどくさいので、一旦宿を取って砂嵐が収まるまで休憩することにした。
オークレストの宿屋の名前は、ブロークン・ジョー。顎砕きの宿屋である。
とりあえず、タイガーアッパーカットが宿主なのかな?
「さて、恒例の作戦会議を行う」
「恒例になっていたかしら?」
「はい、もしもニラーシャが実在したらどうするかな?」
「追い剥ぎなら死んだと教えてあげるわ」
「自分で殺したと言う?」
「言わない」
「ふむ……」
まぁ元々追い剥ぎの一生など興味は無い。
狩るか狩られるか、シビアな人生が待ち構えているだけなのだ。
「ジ=スカール先輩は、追い剥ぎに襲われたらどうしますか?」
「透明になって隠れるから、追い剥ぎなど怖くない」
「マニマルコの時は、透明になっても怖がっていた気がするけど、まあいいや」
こうして砂嵐が過ぎるまで、宿の一室で時間を潰すのであった。
………
……
…
さて、砂嵐も収まったことだし、市場の方へ向かってみますか。
「――って、君は?!」
「おお、盟友のラムリーザではないか」
「クワザーニ族の族長になったんとちゃうか? ここで何をしているのだ?」
「買い物だ。集落だけでは食料が足りないので、こうして定期的に買出しに出かけている」
「族長になったのに使い走りさせられる、わかるぞ、その辛さが……(。-`ω´-)」
エルスウェア、お前もか。
帝国では、一番偉い人も使い走りをやらなければならないと言う、厳しい国なのだ。
たぶん皇帝とかに登り詰めたら、クロップスフォード辺りのどぶさらいとか、末端で地味な雑用を日課としてこなさなければならなくなるのだろう。
逆に物乞いは、タルに入ってるお金を漁ることも無く、暢気な生活を送れるのだ。
さて、グ=ジューナのことは置いておいて、市場に居るカジートを当たってみよう。
「ひょっとしてあなたはニラーシャというのではないでしょうか?」
「ええ、私がニラーシャよ。何かご用かしら?」
「実在したのですね……(。-`ω´-)」
「えっ? どうかしましたか?」
「んや、ひょっとして婚約者とか居ますか?」
「ええ! 旅人さん、もしも私の彼を旅の途中で見かけても、どうか傷つけないで下さい!」
「お、おう……」
「彼は追い剥ぎなの……」
「いやまぁなんというか、あなたの恋人はこの指輪を託して死んでしまったんだ……(。-`ω´-)」
「なっ、なんてことかしら! こんな風にならないように心配していたのに……。でも親切に婚約指輪を持ってきてくれたのね、ありがとう。これからもずっと大事にするわ」
「何と言うか、気を落とさないように」
「どうかお礼を受け取ってください。あなたの心遣いに対する、ちょっとした贈り物だから」
まいったね、お礼の品まで貰っちゃったよ。
先にこの市場で話を聞いていれば、追い剥ぎ狩りをしなかったかもしれないけど、これは仕方が無い。
追い剥ぎなどに手を出したことが間違いなのだ、うむ。
ひょっとしたら他の旅人が、ニラーシャの婚約者に追い剥ぎされて命を落としていたかもしれない。
そしてその旅人にも、ひょっとしたら婚約者が居たかもしれないのだ。
悪に手を染めるなら、それなりのリスクを覚悟しなければならないのだ。
だから盗賊ギルドも、グレイ・フォックスを捕らえて潰さなければならない。
しかしレックス隊長居なくなったしなぁ……
いろいろと考えさせられる出来事でしたとさ。
さて、ニラーシャから貰った品物だが、砂漠のカメレオン・スカーフと言って、カメレオン効果が少し付与されているようだ。
「どうだ? カメレオン!」
「なんだかもやもやが見えているわ」
「ジ=スカールはそこまで透明化が下手ではない」
「アイテムの効果だよ! 俺の透明技術じゃねーよ!」
ばればれの透明化、このアイテムも保管庫行きだな。
さて、これで追い剥ぎ絡みの話も終わり。
後は少しオークレストで見た不思議な物の話をしよう。
ハンターギルドの支部があったので入ってみたところ、蛇人間みたいなのが居た。
猫人間のカジート、トカゲ人間のアルゴニアン、グラアシア人間のウッド・エルフと色々と亜人を見てきたが、この蛇人間は何なのだろう……
後で調べたところ、どうやら遠くアカヴィルという大陸にツァエシという国があり、そこに蛇人間が住んでいるらしいのだ。
色が白かったらお化けだよね!
蛇女の顔は怖いよね!
髪の毛が蛇だったら石化するよね!
おしまい!
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