ネズミをガブりっ ~お化けネズミの恐怖~
「ちょいとちょいと、旅の者」
「私は旅の者ではない、アガマナスの司祭だ。トゥルットゥーッ!」
「嘘ばっかし」
リビア・ベルタイレに保存液を届けた後、再びオークレストに戻って町中をブラブラしていたら、路地裏でアルゴニアンに話しかけられたぞ。
ガミと名乗ったアルゴニアンは、何やら困っているようだが――
「ガミは腹ペコ、ガミに新鮮なネズミを捕ってきてくれないかい? お礼にちっちゃな宝物をあげるね」
「ネズミぐらい自分で取って来い」
「昔は自分で取っていたのだが、膝に矢を受けてね……」
どうやらこのアルゴニアン、俺にネズミを取ってこいと言う。
ちっちゃな宝物が気になるが、ネズミ集めねぇ……
「足元に居るネズミだけでは足りないのか?」
「それも食べる。ガミは8切れのネズミの肉と、大ネズミのジューシーな圧切れ肉に飢えてるね」
「ずいぶんと食いしん坊だなおい、それで大ネズミとは何か? 怪傑大ネズミのことか?」
「大ネズミを見つけるのは難しい、どこかに隠れているね」
なんだかどうでもいいような依頼のような気がするが、ネズミ集めなら簡単だろう。
適当にどこかの洞窟に行けばいくらでも居るが、そういえばエルスウェアに洞窟あったっけ?
シロディールまで戻って集めるのは面倒なので、この町の中で集めことにした。
幸いネズミが待ちの中をうろついていたのは、これまでの様子から多少はわかっている。
うりゃあ、これでいいのかな?
とりあえず足元に居たネズミを退治してみたが――
「あと7匹と、大ネズミの肉ね。ガミはまだまだネズミの肉が要るね」
「…………(。-`ω´-)」
意外とめんどくさそうだ。
ネズミ指定なのが何かありそうだな。イノシシやドゥルゾクの肉ではダメかね?
そんなわけで、オークレストの町でネズミを探してうろつくことになったので、ある。
「うりゃあ!」
「何踏み潰しているのよ」
「君が言うか? ネズミ退治なんて、剣や魔法ぶっ放さなくてこれで十分」
「まあいいわ、ねず鳴きするに踊り来てなさい」
「いや、意味わからんて」
「俺って、アークメイジだよな……?」
「どうしたのよ急に」
「いや、なんでアークメイジがネズミ集めなんかやってるのかなぁ……ってね」
「ネズミの肉が食べたい困っている人がいるから、お人好しのあなたは放っておけないのでしょ?」
「食べたい?」
「要らない」
これでネズミは3匹、あと5匹と大ネズミか。ネズミは良いとして、大ネズミが分からんな。
通りにはもうネズミは居なかったので、後は家を回って集めるしかないね。
幸い集める対象がネズミだから、言いようはいくらでもある。
ミノタウロスを飼育している家があった。
ネズミは出るか? と聞いてみたのだが、飼育場の衛生には気を使っているらしくて、ここにはネズミは出ないとのこと。
「ネズミは出ますか?」
「そんなの出たら、営業停止にされちまうよ!」
「そうだよなぁ」
酒場にネズミが居るわけないか。
居たとしても、すぐに退治されているだろう。
とある民家にて――
「このネズミは飼っているのですか?」
「とんでもない、駆除お願いしますよ!」
「わかった、任せとけ。うりゃあ!」
この民家には2匹居たので、残りはあと3匹。
どうもネズミ駆除の仕事をしているみたいだ。手っ取り早く駆除できるよう、電気仕掛けの装置が欲しいところだね。
機能をネズミから人間に切り替えると、人も殺せる道具があるらしいが……
しかし大ネズミはどこに居るのだ?
………
……
…
全ての民家を回ったが、これ以上のネズミは得られないようだ。
やはりシロディールに戻るしかないか? と思ったけど、大ネズミって居たかなぁ?
そんな中、一軒気になる家が見つかった。
入り口は板が打ち付けられていて入れないが、どうやら窓から忍び込めるようなのだ。
打ち捨てられた家、ひょっとしてネズミの巣になっているかもね。
窓から中に入ってみると、思ったとおり中はネズミの巣になっていた。
ここに居るだけで3匹確保できたので、後は大ネズミだけとなった。
そしてこの打ち捨てられた家には地下室があったりするのだ。
地下もネズミの巣になっていたりする。
「これでネズミの肉は8個以上集まったけど、大ネズミはどこに居るのかな?」
「ラムリーザ気をつけて、何かが奥から来るわ」
何か奥から、大きな物体が動くような音が近づいてきて――
でっか!
現れたのは大ネズミ、いや、これは巨大ネズミだ。
普通のネズミの五倍は大きさがあるぞ?
これが映画だったら、マウスとか言うタイトルで、動物パニック物が――巨大ネズミではピンと来ないなぁ……
あまり関係ないけど、某ネズミに関する著作権は、最終的に「永久に著作権は存在する」という判決になると思うね。ちまちま延ばすだけじゃあキリが無いって、いっそ切れないようにしてやればいいんだよ。
というわけで、霊峰の指改ぶっ放し!
「さっとネズミ退治なんて、剣や魔法ぶっ放さなくて十分とか言ってなかったかしら?」
「こいつはネズミじゃねーよ!」
見てみろよ、このサイズだぞ?
これがネズミと言えるか? ユーメガミスだよな、これって……
こいつを生け捕りにして、帝都のアリーナで戦わせたら客が沸くと思うけどね。
何を食ってたらこんなに大きくなるのかわからんが、これを食べたがっているガミとかいうアルゴニアンも、どれだけ大食いなんだか。
ちなみにこの肉には、スタミナの持続的低下と生命の探知として効果があるらしい。
スタミナの下がる肉……、まぁネズミの肉だからな。腹下しでもするのだろう、アルゴニアンには美味いのかもしれないけどね。
さて、この打ち捨てられた家の地下室には、さらに地下へと降りられる梯子があったりした。
その奥はこんな場所。
底が見えないような縦穴、そして橋の向こうに置かれた宝箱。
昔この家に住んでいた人が隠した物かもしれないね。
中に入っていた物は、「ぶっ叩き棒」と「受け流し棒」に二本の棒。
いったい何に使うのかわからんが、装備してみたらわかるだろう。
「こんな物が入っていたよ」
「太鼓でも叩くのかしら?」
「なんかそんな感じだよな……(。-`ω´-)」
あまり愛用できそうな道具ではなかったので、ある。
………
……
…
「大ネズミ? 大ネズミを退治したんだね? ガミの大好きなジューシーなお肉の匂いがするね、ちょうだいよ!」
「全部持ち帰れなかったので、残りも欲しければ窓から侵入して取ってきたらいいさ。全部退治しているからもう安全だぞ」
「ありがとう! ありがとう! ほら、とっておきのお宝、幸運のコインね。君がコインを労われば、コインも君を労わるよ」
「幸運のコインか。力のコインなら一度使えば上級職に転職できるが、幸運のコインを使えば何になる?」
「幸運が少し上がるね」
「二度使えば?」
「死ぬね」
「…………(。-`ω´-)」
まあよい。
持っているだけで幸運が2ポイント上がるみたいなので、お守り代わりに持っていてやろう。
幸運が高いとどんなご利益があるのかよくわからないけどね。
おしーまいっ
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