メファーラ ~暗殺者ラムリーザ~
シェイディンハルを目指して、帝都の北にある街道からすこし北に行った森の中を東へと進んでいる。
この国は、街道よりも森の中のほうが安全だということがわかったので、街道がギリギリ確認できる森の中を常に移動してやろうというわけだ。
熊が出るもんなぁ、山賊がでるもんなぁ、追い剥ぎが待ち構えているもんなあ、街道は!
衛兵が巡回しているみたいだけど、絶対仕事していないだろう?
あと、ユニコーンを使えば、街道じゃなくても気楽に進めるってのもある。
そんな感じに進んでいくと、森の中にまた新しい祠を発見したのだ。デイドラか?
ローブ姿の司祭に話を聞くと、ここはメファーラの祠らしい。
メファーラは、定命の者どもの糸を引く神だと言うが、それは何をする神なのだ?
ベラドンナを持って語りかければよいというが、大丈夫だろうかここは。
「ベラドンナは頂いた。我のことはウェブスピナーと呼ぶがいい」
「まだ捧げてないぞ、勝手に取るな!」
なんか強引な神のやり方に、先日起きた嫌な予感がよみがえる。
なんか前にも勝手に捧げ物を奪って無理難題を押し付けた奴はいなかったっけ?
「ブリーカーズ・ウェイでノルドとダンマーが平和に暮らしておる。が、平和すぎて退屈だ」
マズイ、退屈という神様にろくな奴は居ない……
「二つの一族の指導者を両方とも殺せ。そして共に争ったという証拠を残し、それぞれ相手の一族を殺すように仕向けるのだ」
「や、やなこった!」
無茶苦茶な要求をしてきやがる。
村に災厄を振りまくのとはわけが違うぞ、俺に殺せと言ってきやがる。
ここは逃げるか……(。-`ω´-)
「逃げるなよ、逃げたらスキャンプを二十体まとわり憑かせてやる」
「貴様はシェオゴラスか!」
やるしかないのか……
どろぼうさんならまだしも、人殺しはちょっとなぁ……
「捕まるんじゃないぞ、死んでもいかんぞ、はっはっはっ」
「聞かなかったことにしてシェイディンハル向かうか……」
「やらなかったらスキャンプ三十体まとわり憑かせる」
「増えてるし!」
………
……
…
そういうわけで、ブリーカーズ・ウェイである。
俺は悪くないからな、神の思し召しだから恨むならメファーラを恨めよ……
神のお告げだ! とか言って一家惨殺した事件がアミティビルってところであったっけ。
なぜこの国の神は、平凡な宴を荒らし、平和な村に災厄を振り撒いたり、争わせたりするのだ……
さらには神に語りかけたものに死ねと言ったり、オーガを村に解き放ったり……
大丈夫かデイドラ?
さて、どこから手を付けようか。
というよりその前に、指導者が誰かを調べなければならん。
適当に民家に入って話を聞いた。
すると、フロル・ウルフガーとニヴァン・ダルヴィルという者が、それぞれの指導者だという話を聞けたのだった。
ちょうど夜だし、闇にまぎれて片付けますかね?
影と共にあれ……ってこれは盗賊か? 知らんけど。
というわけで、ここがフロル・ウルフガーの家。
ノクターナルからもらった不壊のピックが非常に役に立つ。
こっそりと進入して、奥へと進む。
フロルは、一番奥のベッドで眠っていた。寝込みを襲うというのか……
やっぱりやめよう。こんなこと、やるべきではない。
――と考えたときである。
「任務を遂行できなければ、スキャンプを四十体まとわり憑かせる」
――増えてる(。-`ω´-)
悪いのはメファーラだからな!
俺は、悪く、ない!
次はニヴァン・ダルヴィルの家だ。ここにもピックを使って進入する。
強盗じゃないな、暗殺だな。
アサシンラムリーザ! いやだー(;´Д`)
「スキャンプを五十体――」
「やります!(`・ω・´)」
メファーラの名の下に、アーメン、ソーメン、ヒヤソーメン!
…………(。-`ω´-)
これで、この村を治めている一族の指導者は死んだ。
あとは、お互いにやりあったという証拠を作らなければ……
ダルヴィルの家儀式用の短剣を発見。これをフロルに持たせればいい。
フロルに短剣を握らせてと……
次はニヴァンにフロルと争った証拠を残さなければ……
この指輪を使うか。ウルフガーの家宝の指輪みたいだし。
こうして、闇夜の中で密かに事は進められ、そして夜が明けた。
ちゃーらーらーらー、たったったーん
しかし村人は誰も出てこない。
朝が来たというのに誰も家から出てこないぞ、引きこもりの村か?
んー、出てきませんねー
仕方が無いので宿屋に入ることにした。
「女将さん、ニヴァン・ダルヴィルについてだが……」
「ダルヴィルが殺されていた、そして我らが犯人だと非難された! ろくでなしのエルフどもめ!」
「ひどい話だねぇ(悪いのはメファーラだよ) フロル・ウルフガーについては?」
「フロルも殺されていた! それはダルヴィルの仕業だ! 裏切りのツケを払わせてやる、卑劣なダンマーめ!」
そこまで吐き捨てると、女将さんはダガーを構えて立ち上がった。
ぐぬぬ、えらいことになってきました! メファーラのせいで!
そしてメファーラの思惑通り、村人達は争い始めたようです!
宿屋から出てみると、いつの間にか村人達が集まっていて、壮絶な殺し合いが発生していた。
一晩明けたらそこは戦場でした! 昨日までは仲良く暮らしていたのにね!
ひどい奴だな、メファーラ! まるで悪魔ですな!
俺は悪魔の手先か……(。-`ω´-)
知らん、さらばだ!
願わくば、このことまで新聞に載りませんように!
………
……
…
よく見たらメファーラってさ、見るからに悪魔だよね?
なんでこんな神様と関わってしまったのだろうか……
メファーラは俺の仕事に満足して、「友人同士が戦う姿はとても美しい」などと言っているし、もう見てらんない。
昨日の友は、今日の敵。この神様は、邪神に違いない。
デイドラ、関わるのはやめよう……
シェオゴラス→メファーラとだんだん酷くなってきている。
――と言っても、最近は勝手に捧げ物を奪って、スキャンプで脅しをかけてくるようになってきたからなぁ!
俺の意思とは違うところで、デイドラにいいようにこきつかわれているよ!
アズラとかやっている時は、まさかこんなことになるとは思わなかった。
モラグ・バルあたりで関わるのを止めておけばよかった。
あ、でもハーシーンと関わったおかけでユニコーンと出会えたし、何が良くて悪いのかわかんないね。
メファーラからは、こんな刀をもらったが、これはきっとブリーカーズ・ウェイの血を吸った魔剣だぞ、と。
しかしお宝欲しさにこんなデイドラと関わったことは、失敗だったかもしれん。
最近、後味の悪い仕事ばかりだ……(。-`ω´-)
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