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妄執 序章 ~真夜中の依頼~

 
 最近は幽霊騒動に巻き込まれたり、神様に死ねと命じられたり、なんだか散々な目にあっているような気がする。
 徐々に徐々に、この世界は実は異界だということの本性を表しつつあるのか?
 モラグ・バルの祭殿からコロルに戻ってのんびりする気になれなかった俺は、気分を一新させるために新天地へと旅立つことにした。
 
 祭殿からウェザーレアへと向かい、そのまま再び南下する。

 そして、南の街路にたどり着いた。
 ここから西へ向かうと、幽霊と海賊の街アンヴィル。東へ進むとスキングラードの街があると聞いた。
 
 よし、スキングラードで一旗あげて、この異様な世界を夢の世界に変えてやろうではないか!
 ――と思ったけど、ヴァーミルナがちょっかいを出してきそうだから、夢の世界はやめておこう。

 先ほど見えた大きな橋から北を見ると、コロルに通じる道が見えるのが分かる。
 ふっ、コロルの森は危険だぜ、死ねと命じる神様が居るんだぜ。
 
 そのまま東へと街道を進む。
 途中道端で山賊が死んでいたりして、新しい一歩の出鼻をくじかれたりするが、この世界は追い剥ぎ上等な世界だと割り切って諦める。
 いや、すばらしい世界だと思いたいんだよ!
 スキングラードには、どんな良い人が待っているのだろうか?
 恋とか始まったりして!
 

 しばらく進むと、ぶどう畑、そして大きな街が見えてきた。
 羊は放し飼いにしているし、ぶどうがあるのなら上等なワインにもありつけるかもしれない。
 
 スキングラードの西門から街へと入る。

 街に入るととつぜん大きな橋があったりして、変わった街だなとか思わせてくれる。
 
「おい、ここだ!」
 
 …………(。-`ω´-)?
 誰か呼んだか?
 
 街に入ってすぐに、俺は誰かに呼ばれた気がした。
 ひょっとしてディードラの神様か?
 
「そう、君だ。君に話があるんだ」
 
 お供え物の必要がない神様も珍しいな。

 って、フーアーユー、オマエハダレダ?
 どうやら先ほどから俺に呼びかけていたのはこいつだったらしい。
 妙にそわそわしていて落ち着かない奴だ。
「深夜、この町の教会裏で会おう。誰にも後を付けられるなよ。それだけの価値はある」
 彼は、それだけ言い残すとさっさと立ち去ってしまった。
 
 名前すら名乗らなかった、変な奴だな。
 
 さてスキングラードだが、この街は割りと都会なのかもしれない。
 大きな建物が並んでいて、これまで訪れた街とは大きく違う。
 そうか、ブルーマは田舎だったんだ。だからギルドも四人しか居ないんだ。
 
 そんな感じに街を見物していると、ポツリポツリと頭に水滴が落ちてくるのを感じた。
 おお、この世界にも雨があったんだな。

 雨宿りも兼ねて、魔術師ギルドの建物に入っておく。
 そうだ、この街でも推薦状をもらわなければならんな。いつの間にか、魔術師大学に入ることが人生の目的になっているね。
 このまま夜までここでのんびりさせてもらうか。
 推薦状を書いてもらうには、また何か仕事をしなければならない思うので、とりあえず先に、さっきの変な奴の話を聞くことにしよう。
 
 ………
 ……
 …
 
 しかし、夜になっても雨は止む気配は無かった。
 仕方が無いので、話だけ聞いてさっさと引き上げよう。

 もし彼が来なければ、からかわれただけということにして以後相手にしないでおくことにしよう。

 ひとまず教会の屋根の下で様子を伺っていると、昼間の奴が教会裏に向かっているのを確認できた。
 うん、話があるというのは本当らしいな。

 誰にも後を付けられるなよと言っていたが、まさか俺が後を付けているとはしらないだろう。
 教会裏につくと、彼はさっそく自己紹介を含め、この街で起きている問題について語ってきた。 

 彼はグラアシア。この街の人間は誰も信用できないのだと言っている。
 なぜなら、街ぐるみで自分を監視しているからだと言うのだ。
 うん、ハックダートでは俺も監視されたよ、馬番に。あんな感じなのかな?
 そこで、俺に手助けを求めてきたのだ。
 こいつ、スパイか何かじゃないのかね?
 報酬として金貨をくれるらしいが、どうせ小額だろ? 追い剥ぎ狩りより安いんだろ?
 とりあえず名声のために仕事は受けてあげるけどね!
 
 グラアシアの要求は、彼を監視している奴が誰なのかを探り当てて欲しい、というものだった。
 しかし監視役がそう簡単にみつかるものかね?
 いや、あえて見つかるという作戦に出るかもしれないし、ハックダートのやつみたいにあからさまに付きまとう奴も居る。
 
 そこでまずは、ベルナドット・ペネレスから始めようということになった。
 こいつは監視役の名前を知っているのか?
 俺はそんな人は知らないと言うと、グラアシアは「朝6時に僕の家の前に居ると、彼女が僕を監視しているのが解る」と言ってきた。
 そして、明日一日調べて、夜にまたここで会おうという話になって、今日のところは解散となった。

 こうしてスキングラードでの生活は、スパイ物語のような展開から開始したのであった。
 
 
 
 
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