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レヤウィン地方にて ~ゲートの残骸始末~

 
 レヤウィンにて――
 
「というわけで、このマシューに推薦状書いてやってほしいのですよ、ダゲイルさん」
「予言じゃ! 予言が下った!」
「またぁ? もう、飽き飽き」
 

 もうこのやり取り何回目だろうか……(。-`ω´-)
 
 レヤウィンの魔術師ギルド支部マスターであるダゲイルさんは、俺の顔を見るとすぐに「予言」という名の雑用を持ち出して来ていちいち依頼してくる。
 しばらくレヤウィン地方を放置していると、予言が溜りに溜まっていくから困ったものだ。
 
「じゃあその予言を成就させたら、こいつに推薦状を書くということでよいですか?」
「よい、よいぞ。それでは十五個ほど予言が溜まっているが、どれからこなすかえ?」
「なんで他のメンバーに依頼しないのですか……(。-`ω´-)」
「誰も私の言うことを聞いてくれぬ……、困ったものじゃ」
 

 この時ちらっと周囲を見ると、ギルドメンバーのアガータと目が合った。
 しかし彼女はスッと目を離すと、そそくさと奥へと消えるのであった。
 コノヤロ、ダゲイルの依頼から逃げたな。お前らがマスターを相手にしてあげないから、依頼事が全部俺に回ってくるんじゃねーか!
 

 仕方がないので、聞いてあげることにする。
 
「……では、六番目の予言でお願いします」
「ぺるがも~ん、ぺるがも~ん――」
 
 すると、いつものように不思議なおまじないを始めたりするのだ。
 
「ちょっ、なんでわざわざ占い直すのですか?!」
「黙っておれ、その方が雰囲気でるじゃろうて」
「雰囲気なんていりません、急いでいるのですから! ちなみに七番目だとどうなりますか?」
「けつぁるこあと~る、けつぁるこあと~る――」
 
 なんだろう……、何か俺の知らない法則でもあるのか?
 なんだか十五個全部聞いてみたいところだが、急いでる――わけでもないけど、やっぱりいいや。

「下ったぞ! 街の北にある小島が、オブリビオンの動乱により破壊された。少女がその復興を望んでおる。早速現地に向かって、修復するのじゃ」
「土木作業がなぜ魔術師ギルドの任務なのか、さっぱりわかりません!」
「では十番目の予言に参るぞよ。ばんぐ~、ばんぐ~――」
「聞いてません! 小島の修復に向かいます! 修復したら書いてよ! マジ頼むけん!」
 
 俺たちは、逃げ出すように魔術師ギルドから飛び出した。
 全く……。戦士ギルドならともかく、なんで魔術師ギルドが肉体労働しなければならないのだよ……
 そりゃまぁダゲイルさんの言うところの少女はミーシャのことだろうし、彼女は魔術師ギルドに縁のある人物だが、――だが!
 
 
 

 さて、ここがオブリビオンゲートの出現により破壊された、ミーシャお気に入りの小島である。
 
「どうすっか、とりあえずゲートの残骸を片づけるところから始めるか」
 
 俺は、マシウと共に、オブリビオンゲートの残骸を砕き始めた。
 もう一度問う。なんで魔術師ギルドでこんな仕事をしなければ?
 戦士ギルドレヤウィン支部のメンバーを増援に呼ぶか?
 
 

 一応魔術がまだ得意ではないマシウはつるはしを振るっていて、俺は霊峰の指改の衝撃で岩を砕いている。
 とりあえず俺の方は、魔術師ギルドの仕事っぽく見えるけどね。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
 それでも、一時間ほどでゲートの残骸は消え去った。
 

「えーと、俺は橋みたいになっているやつを撤去するから、マシューは小島を形成するための土を運んでくれ」
「分かりました! ところで占いの呪文は変わっていましたね」
「気にしたら負けだ。ちなみに八番目の占い文句はどうなると思う?」
「さぁ? くりしゅ~なでしょうか?」
「何故だ?」
「なんとなくですよ」
 

 なんなんだよ、ハレ・クリシュナか?
 とにかく、平和を我らに――だな。ギヴ・ピース・ア・チャーンス!
 
 
 マシウが荷車一杯の土を持ってきた時、ようやくオブリビオンゲートの残骸は消え去っていた。
 後は二人で土を運び続け、小島を修復させるだけだ。
 
 

 ひたすら延々と、周囲の森から土を集め、荷車で小島跡まで運び込んで、積み上げていくだけ。
 なんでアークメイジの俺がこんなことをやっているのかさっぱりわからない。
 
 

 例えば衛兵、こいつにやらせろよ。
 マニュアル通りに巡回しかできないバイト衛兵にな!
 
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
 
「やっと完成したぜーっ!」
「全然違う場所になりましたね!」
 
 

 見てみろこれを、綺麗に再現できたものだろう。
 これでここがオブリビオンゲートに侵略された場所だとは、誰も思うまい。
 
 
 
「ん、小島を修復しましたよ。推薦状書いてやってね」
「では12番目の占いを。ぺる~ん、ぺる~ん――」
「聞いていません。それではまた!」
 
 俺とマシウは、逃げるようにレヤウィン支部を飛び出した。
 
 
 あとはミーシャがこの場所に戻って、かな?
 魔術師大学裏の静かな池周辺の方が安全だけどね。
 
 これで推薦状は三つの街から出してもらえた。
 残るは後四つ。ひょっとしてクヴァッチの推薦状も必要になるのかな? その場合は五つだ。
 マシウが魔術師ギルドで出世したら、後をリリィさんに託して俺は覇王の道を歩み始めるとするか……
 
 
 
 
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©発行年-2021 らむのゲーム日記