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デイゴンの祠 前編 ~深遠の暁教団潜入作戦~

 
 ター=ミーナの解読により、ようやく深遠の暁教団の祭壇がある場所がわかった。
 目指すはシェイディンハルから少し北へ向かった所、アリアス湖付近にある洞窟だ。
 

 北へ向かった所、小さな湖を発見。これがアリアス湖だろうか?
 
「アリアスと言えば、何だと思う?」
「ジョージ・アリアスかしら?」
「誰やそれ」
 
 とりあえず湖の周りを調べてみたが、洞窟らしき場所は無い。
 滝の裏にでも隠されているのかな? と思ったけど、そこにも無い。
 

 結局見つけたのは、湖からさらに丘を登った先であった。
 
「さて、これから深遠の暁教団の祭壇に乗り込むわけだが」
「作戦は考えているのかしら?」
「最初は入信者のフリをして、頃合を見計らって奇襲作戦だ」
 
 そんなわけで、祭壇があるらしき洞窟へ突入。
 

 中には赤いローブを着た男と、見覚えのある旗。
 うむ、間違いない。ここが深遠の暁教団の基地だろう。
 
「こんにちは!」
「夜明けは近い」
 
 俺の挨拶に対して、教団の守衛は合言葉のようなものを問いかけてきた。
 
「ぶん殴れ」
「よし、通ってよい」
 
 へ? これが合言葉とは儲けたー。
 
「――と思うか? ちょっと待て、合言葉が違うぞ」
「冗談です。新しい日を迎えます」
「ようこそ同志よ。時は満ちようとしているが、マスターはまだ献身的な者の手を求めておいでだ」
「任せておけ。俺が来たなら百人力」
「祭壇に向かうがいい。ハロウがマスターの元まで案内するだろう」
 
 こうして守衛は、すぐ隣にある扉を開けてくれたのだ。
 よし、これで潜入作戦の第一歩は成功だ。
 ここではデイゴン神に仕えるための、入信の儀を受けなければならないそうだが、誰がそんなことやるかっての。
 デイドラの中で仕えろと言うなら、メリディア辺りが無難な気がするのだ。
 

 扉を潜って少し進むと、真っ黒な種族、ダークエルフが待っていた。彼が守衛の言っていたハロウか?
 
「私はハロウ、デイゴンの神殿の番人だ」
「新しい日を迎えます」
「合言葉はもういい。マスター・マンカー・キャモランの書物に隠された暁の道に従いしお前には、選ばれし者の位が与えられる。良い時に来たな。お前の入信の儀は、マスターが直々に行ってくれるかもしれないぞ」
「それは忝いでござる」
「――と思うか?」
「へ?」
「俺は知っているぞ。お前はアークメイジのラムリーザだろうが! 皇帝の次に危険な人物、暗殺対象だ!」
「ふっふっふっ、ばれてしまっては仕方が無い。突撃開始だ!」
「そう思い通りに行くと――ぐわぁっ!」
 

 奇襲攻撃開始!
 

 このまま一気に祭壇まで駆け抜けて、マンカー・キャモランから王者のアミュレットを取り戻すのだ!
 場所さえわかれば、後はコソコソする必要は無い。
 敵に如何なる奇計奇策があろうが、力で打ち砕いて見せてやる!
 

 緑娘は、早速新しい魔剣を使ったりしている。
 残念ながら、義兄弟の契りは一瞬にして消え去ったがな。
 義兄弟と婚姻、やはり婚姻の方がつながりはより強いと考えたのだろう。
 
 とまぁ、最初の波をしのげば、そこから先は潜入したも同然であった。
 しかし、教団のローブを着ていないので、バレバレではあるのだがな。
 洞窟の通路内で、俺たちが侵入してきたことに気がついていない教団の一員に出会ったりする。
 
「誰だお前らは! 反乱か?!」
「敵襲だよ」
「ぐわあっ!」
 

 とまぁ、緑娘に奇襲させたりできるわけだ。
 敵もまさか足に剣のようなものを装着しているとは、思いも知らないことだろう。
 この点では、魔術師も奇襲向きではある。
 ふと思ったが、緑娘は待機させておいて、透明化して潜入してもよかったのでは? などど考えたりした。
 
 
 

 そしてついに、祭壇らしき場所を発見した。
 その祭壇では、誰かが演説しているようだ。
 
「竜の玉座に座る者はなく、王者のアミュレットは我らの手中にある! 称えよ! そなたの同志たちを! 楽園では、偉大な果報が待っているぞ!」
 
 王者のアミュレット?
 つまりあの演説者が、マスターであるマンカー・キャモランか。ついでに退治してやるか?
 俺は、演説を聞きながら、その隙を伺っていた。
 
「それでは聞け、デイゴン神の御言葉を――」
 
 そして神託が始まった、のか?
 
「我が今一度大地を踏むとき、信仰篤き者どもは報われ、定命の者の頂点に君臨するであろう。信仰無き者どもは、弱き者は淘汰され、臆するものは目を覆い、強き者は我が足元にひれ伏し、慈悲を請うであろう」
 
 排他的な宗教は、時に混乱を引き起こす。
 こう見ると、他のデイドラの信者は他人に迷惑をかけない分、普通の存在なのかもしれない。
 シェオゴラス信徒を普通の者とは思えないけどな。
 

「同志諸君、そなたらの報われんことを! 浄化の時は近い。これより私は楽園へ向かう。暁が迫るとき、私はデイゴン神と共に舞い戻るであろう!」
 
 これだから扇動政治家、いや、扇動宗教家は無くならない。
 奴の首にかかっているのは王者のアミュレット。そのアミュレットをどう使うというのだろうか?
 浄化に使うのか、楽園への鍵となるのか?
 
「ちょっとあなた、あいつをやっつけるんじゃないの?」
「あ、そうだった」
 
 緑娘に声をかけられて、はっと気がつく。
 演説に興味を示して聞いていて、本来の目的を忘れるところだった。
 あいつ、マンカー・キャモランをぶちのめして、王者のアミュレットを取り戻して、めでたしめでたしってところだな。
 
「ん? なんだあれは?」
 

 俺が攻撃を開始しようとしたとき、デイゴンの像に近づいたマンカー・キャモランが、赤く輝きだしたのだ。
 本格的な儀式が始まるのだろうか?
 

 そして次の瞬間、アミュレットと共に奴の姿は消え去ってしまったのだ。
 
「あ、消えたわ」
「しまった、逃げられたか?」
 
 奴は楽園へ向かうなどと言っていた。本当に楽園は、あったと言うのか?
 

 慌てて後を追おうと考えたが、その前に先制攻撃。
 一発ぶち込んでから、突撃だ。
 

 俗に言うファイアーボール。
 改良に改良を重ねて、威力を増した物となっている。
 これで祭壇の周りに居た狂信者共は、全滅したはずだ。
 
 急いで階段を降りて、マンカー・キャモランが消えた辺りへと駆け寄る。
 

 しかしそこには、アルゴニアンが一人寝ているだけだった。
 なんだろう、生贄だろうか? 生きているのかな?
 

 この巨大なデイゴンの神像があるので、捧げられたとでも言うのだろう。
 
「もしもし、生きてますかー?」
 
 俺は、アルゴニアンの肩をゆすってみる。
 敵ではないだろう。もし敵だとしても、パンツ一丁の相手など、恐れるに値しない。
 別の意味では恐ろしいけどな。
 

「うわーっ! 助けてくれーっ!」
「待てや、俺は敵じゃない。デイゴンの狂信者はやっつけたぞ」
「うわーっ! うわーっ!」
 
 なんだか東部連峰を思い出す。
 あそこでも、アルゴニアンが捕まって奴隷化されていたっけ。
 ここに捕らえられていたアルゴニアンも、悲鳴を上げながら逃げ出してしまっただけであった。
 
「さて、アミュレットの奪還は失敗したわけだが……」
「じゃあもうマーティンは諦めて、あなたが帝位に就くしかないわね」
「そして、オブリビオン・ゲートがぽこぽこ沸きまくる世界の王者となる。いやダメだダメだ。アミュレットを取り戻すところまでは遂行しないとな」
 

 周囲に残された物と言えば、祭壇の上に置かれている本一冊のみ。
 
「この本は何だと思う?」
「人間の血で書かれた、ナチュラン・デモントだと思うわ」
「なんかすげー物知ってるんだな。しかしザルクセスの神秘の書と書いてあるぞ」
「それはないわ」
 
 ザルクセスの神秘の書とは何か? ザルクセスとは誰か?
 とりあえず本を開いてみる。
 

 なんだろう、この記号は。
 雰囲気は、以前見たことのあるエルダースクロールに近いが、この目玉のような記号は……
 いや、目玉だとしたら縦になりすぎている。おちょなんさんか……?
 
 この時俺は、この記号がある物にそっくりだということに気がついた。
 そう、オブリビオン・ゲートとそっくりなのだ。
 それならば中心の丸は、さしずめシジルストーンと言ったところか。
 
 ということは、この本はゲートと何か関係があるのかもしれない。
 しかし、俺が本を手に取った瞬間、背後で何かが崩れるような轟音が鳴り響いた。
 

 振り返ると、デイゴンの神像が崩れ去っていた。
 ん、これはこれで結果オーライ。狂信者共の崇拝対象を破壊してやったぜ。
 
 
 

 さて、これからどうするか。
 まずはアミュレット奪還が叶わなかったことを報告しないといけないか。マンカー・キャモランが楽園とやらに行ってしまったことをな。
 本はター=ミーナにでも届けて、解読してもらうしかないだろう。
 それから羊をレヤウィンに輸送しなければならない。
 各地に出現したゲートを閉じる作戦も考えなければな。
 
 いろいろ忙しいぜ……
 
 
 
 
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©発行年-2020 らむのゲーム日記