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暁の道 その五 ~緑の皇帝道~

 
「リリィさん」
「なんでしょう?」
「この国の多くの人は、皇帝が暗殺されたり、深遠の暁やデイドラが侵攻してきているのに、平然としているのでしょうか?」
「皇帝が暗殺されたことは黒馬新聞で知っていますが、深遠の暁やデイドラに関しては、市民レベルでは知られていないことです。むろん、直接被害の出たクヴァッチは、その限りではありませんが」
「市民は良いとして、ハシルドア伯爵など、晩餐会最優先ですよ」
「あなたなら、直接会うことも可能だったはず。側近に良いようにお使いされただけです。あと元老院オカトーの発布に、市民は日々の生活を勤勉に過ごし、というものがありました。領主ともなれば、晩餐会を開くのも仕事のうちです」
「そんなものですかね。じゃあアークメイジも晩餐会開いたら、リリィさんも出る?」
「お望みとあらば。しかし、宴会中に『紛れもなき現実』の魔法を使って、騒乱罪を引き起こすのは程ほどにお願いします」
「あれは悪いのはサングインだよ……(。-`ω´-)」
 
 何でリリィさんは知っているのだ?
 ひょっとして彼女も、かつてサングインにそそのかされてパーティをぶっ壊した経験があるのか?
 

 ユニコーンに三人乗りはできないので、徒歩で移動。帝都のすぐ近くまで戻ってきたぞ。
 こうして明るい日差しを見ていると、現在シロディールは大混乱というのが嘘のようだ。
 ちなみにリリィさん、すぐに自己紹介をしてくれないでいたら、今頃水色娘と呼ばれていたであろう。
 
「そういえばリリィさんも何故あんな辺境に? 基本的にハンニバル・トラーベンと揉め事を起こした人は、遠くに離れがちだけど」
 
 ブルーマ支部長についてくれたジュラーエルだの、東部連峰のシンドリ――は別にトラーベンから離れたわけではないか。
 そして代が変わり、俺がアークメイジに就任したことにより、ハンニバルと仲違いしていた者達が戻ってきて、以前よりも強固な体制が築けつつあるのだ。
 
「静かな場所で開発をやりたかっただけです。まあでもあなたがアークメイジなら、大学に戻るのも悪くありませんね」
「みんなそう言って戻ってきてくれるんだ。ジュラーエルさんやシンドリさんも」
「あの人たちが戻ってくるなんて、珍しいこともあるのね。まぁハンニバルは、いろいろと行動を制限してきましたし。ではカミラ・ロリアも戻ってきましたか?」
「カミラ? その人は知らないなぁ」
「死霊術はまだ制限しているのね」
「研究するのは自由だが、あいつら悪趣味だからなぁ……」
 
 俺はハンニバルほど死霊術に否定的ではない。
 しかし遺体を吊るしたり縛ったり、ああいう弄ぶ行為がどうしても馴染めなくて、そのまま死霊術禁止令を解かずにいたりする。
 そもそもマニマルコと戦争してから半年も過ぎていない。もうしばらくは、様子見が続くことになるだろう。
 とりあえず、死霊術師の研究所になっているアイレイドの遺跡に、ちょっと入ってみただけで全力で襲い掛かってくる間は無理だ。
 
 ――っとまぁ、あまりリリィさんとおしゃべりしていたら、また緑娘が嫉妬して間に割り込んできたりするので、お話はここまでにしておくことにした。
 

「さて、大学に戻ってきたわけだが、どうする?」
「ちょっとシンドリに会ってきます。積もる話もありますし」
 
 リリィさんは、大学構内をうろうろしているシンドリを見つけて、そちらに行ってしまった。
 ちなみに緑娘は、すぐに羊のことを思い出して、もふもふしに行ったのだ。
 ん、俺はター=ミーナに会いに行こう。そろそろ解読ができていてもよい頃だ。
 
 

「ひゃっほーっ!」
「なんやねん」
「解けた解けた、深遠の暁経典に隠された謎が解明できたわ!」
「えらいっ!」
 
 ちょっと意趣返しっぽく言ってやった。
 別にそんな経典解読にまじになっちゃってどうするの? とは思っていないからな。
 
「で、何と書いてあったのだ?」
「こう書いてあったわ、その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし、と」
「シルクの青いシャツを着て、アンヴィル北ゴールドコーストへ行けばいいのですか?」
「違ったわ、それは別の経典。えっと、『緑の皇帝道、塔と正午の太陽が触れる場所』よ。緑の皇帝道はご存知かしら?」
「なんか不穏な響きがある言葉だな……」
 
 まるで緑娘が、俺に皇帝の道を進めと扇動しているかのような……(。-`ω´-)
 
「不穏じゃないわ、帝国の宮殿の周りにある庭園のことよ」
「そっか、ならばいいけど」
「正午にそこで何か起こるのよ。なんだかワクワクしてこない?!」
「別にオラは強敵を前にしてワクワクすることはない」
「オラ?」
「なんでもなかとですばい(。-`ω´-)」
「さあ、見に行くわよ」
 
 こうしてター=ミーナと共に、帝都の中央部、白銀の塔へと向かった。
 

 というわけで、帝都の中心部である。
 日も高く、そろそろ正午と言ったところか、タイミング良いね。
 

「緑の皇帝道には、カマリル王子の墓があるの。これがそうよ」
「王子の墓? ああ、皇帝の息子も暗殺されたと言ってたな」
 
 ター=ミーナの指す祠のようなものには、シロディールの地図が彫られているだけで、他に変わったところは何も無い。
 
「これが深遠の暁と何の意味があるのですか?」
「しばらく待って、もうすぐ正午よ」
 
 塔と正午の太陽が触れる場所か。
 ここを真上から照らすと、何が起きるというのか? あぶりだしか?
 

「見て見てほら、浮かび上がってきたわよ」
「夜明け、暁。そして地図の一点を指し記しているみたいだね」
「シェイディンハル方面、アリアス湖付近にある洞窟辺りみたいだわ」
「こんな大雑把な地図で、よくそんな細かいところまでわかりますね」
「勘よ勘、乙女の勘」
「たっ、ター=ミーナさんっw」
 
 乙女か……
 いや、たぶんアルゴニアンの若き乙女なのだろう、ター=ミーナさんは。
 俺にはさっぱりわからんが。ダ=ルマとか……
 ダ=ルマもター=ミーナも、ギャル系なのだろうな。
 
「これで祭壇の場所がわかったわけだけど、深遠の暁教団に入信するためには合言葉が必要よ」
「月見で一杯ですか?」
「いえ、『夜明けは近い』と問われたら、『新しい日を迎えます』と答えるの。覚えておいてね」
「問題ない」
 
 
 こうして次の目的地は、シェイディンハル近郊にあるアリアス湖の洞窟と決まった。
 一応緑娘にも声を掛けてから出発するか。勝手に出歩いたら、また後で怒られそうだ。
 
 というわけで、魔術師大学羊区域に向かったわけだが、実際はそんな区画など無い。
 

「ジ=スカールはラムリーザに抗議することがある」
「なんでげしょう旦那」
「羊の飼育はめんどくさい。これ以上世話していられないのだ」
「そうなるわな、それは正直すまんかった。ちょっと急いで出かける用事があるから、その任務が終わったら、羊はしかる場所へと連れて行く」
 
 深遠の暁教団に乗り込んでアミュレットを奪い返したら、この羊もレヤウィンのミーシャの所へ連れて行こう。
 
 では、シェイディンハル方面へ出発!
 
 
 
 
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