新たな打撃 その三 ~メイソン・ドレス~

 
 東部連峰の山賊問題を解決するために、山賊の集団へ潜入して、農場を襲うのに参加して山賊の信頼を得た俺は、ハザーに連れられてスコーンド・ホールドアウトと呼ばれている洞窟に到着した。
 ここで俺は、メイソン・ドレスという山賊のリーダーが生きているという証拠を探さなければならないのだ。
 

 余談になるが、変わった木も生えていたりするものだ。
 なんだろう、枝がゲシゲジのように生えているのは? シロディールではこんな木は見かけなかったと思う。
 まあいいか、早速洞窟へ入ってみるとしよう。
 
 

 洞窟に入ると、そこは山賊の住処となっていた。
 偽者の場所におびき寄せられたわけではなさそうだな。
 

 結構人数居るな、確実に衛兵より多い気がするのだけど気のせいかな?
 ジェイソンは数の上では10倍勝っているとか言っていたけど、この広間だけで8人は居るぞ?
 衛兵は80人も居たか?
 

 テーブルの上には珍しい肉があったので頂いておいた。
 カヌルスバスのヒレ肉というが、カヌルスバスって動物居たっけ?
 
 

 洞窟の奥へと進むと、そこでハザーを発見した。
 全速力でここを目指していたわけか、何をそんなに急いでいるのだろうねぇ?
 

「ようやく追いついたであります!」
「おう、来たか。ボスはお前に会って喜ぶだろう」
 
 やはりここにボスが居るらしい。
 それとここには、シック=スカルという集団も居るようだ。
 緑色の鎧を着た山賊がロック・カッター、そしてシック=スカルはなかなか良い装備をしている。
 

 オークだらけだが、俺を監視していて危険だと感じたら叩き潰すなどと言っている。
 しかし肝心のボスはどこだ?
 

 ボスの玉座みたいな場所はあるが、肝心のボスが居ない。
 

 ちなみにテーブルの上には「ドレスのダイヤモンド」と名付けられた巨大なダイヤモンドがある。
 市場価格は5000G、上質ダイヤモンドの50倍である。
 これだけは盗み出せないものかな? ――ってどろぼうさんしようとしてる。まあいいか、盗賊ギルド入ってるしw
 しかしシック=スカルが監視していると言うしなぁ……
 
 

 テーブルは後回しにして、この広間に居た人を一人一人当たっていったところ、メイソン・ドレスと名乗る人物に出会ったぞ。
 これはビンゴだろうか?
 
「入ったばかりの新入りだな、会えて嬉しいぞ。なんでもすごい悪だそうだな、修道院から指をちぎり取るとか」
「いやそれはジェイソ――、キルキルキル……、ママママママ……」
「どうした? 俺らの軍の間じゃ悪に励むことが必要だぞ。ところで俺ら一味に入るために探し回っていた動機は何だ?」
「えっと、ジェイソンの依ら――キルキルキル……、ママママママ……」
「それはもうよい」
「あなたの評判を聞いて、惚れこんだのであります!」
「はっはっ、それは羨望されているってところだな」
 
 要らん事を言ってしまいそうになるのを誤魔化しながら、ドレスに気に入られたようだ。
 しかし俺が思うに、ここでドレスを暗殺すれば全て問題が片付くような気もするが、もう少し探ってみるか。
 
「次の仕事は、山の上の鉱山を襲撃する戦力を準備させているのだ」
「また襲撃ですかっ、羊の肉集めなら任せてもらおう!」
「まあ待て、その前に手を打っておかなければならない問題がある。帝国林務兵だ」
「その林務兵が何か?」
「先に奴らを始末しておく。奴らを見つけるための偵察が必要だが、それは奴らに山賊と認識されない者が適任だ」
「なるほど!」
「そこでお前が適任だと俺は考えた! 俺達を探し出すこともできたし、その偵察力を買った。どうだ、やってみないか?」
「任せておけ!」
 
 なんか二重スパイになってしまった……(。-`ω´-)
 とりあえず林務兵のキャンプは知っているけど、ここで帝国軍を裏切る理由は全く無い。
 俺の任務はドレスの存在を確かな物とする証拠探し。
 やはり玉座みたいな場所を調べる必要がありそうだな。
 
 今後の役に立つのかわからないが、ドレスからいろいろと山賊の内情を聞きだしてみたぞ。
 まずここ、スコーンド・ホールドアウト。山賊のアジトだ。
 ただし、以前に住んでいた者も居るらしく、ある種のカルト集団で、最下層に行くのは危険だと言うのだ。
 
 次にロック・カッター賊。
 これはブラックマーシュ北部と、モローウィンド西部から集まった無法者と犯罪者の集団だという。
 ドレスは二年前にシェイディンハルの警備隊に敗北した後に、この一族を組織したのだという。
 その時にドレスは死んだことになっていたため、これまであまり表沙汰にならずに勢力拡大ができたのだとさ。
 
 

 一通り話が終わった後でコソコソと移動し、誰もこっちを見ていないときにダイヤモンドを頂くことにした。
 
 テーブルの上にはダイヤ以外にはいくつかの手紙――

 そのなかの一通がこれだった。メイソンの復帰を喜ぶ内容が書かれていた。
 つまり先ほど話をした者は、本物のメイソン・ドレス。やはり生きていたということだな。
 
 それにしてもこの山賊集団、ただの山賊集団ではない。

 物資も十分集めていたりして本格的だ。
 帝国軍のキャンプなど、テントがあるぐらいで他の物はほとんど何も無いからなぁ……
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
 そんなわけで、こっそりと山賊集団から抜け出すと、そのまま帝国林務兵のキャンプへと戻ってきた。
 ドレスの依頼で偵察に来たんとちゃうで、ドレスのことをジェイソンに報告するためやで!
 

 用意周到な山賊のアジトと違い、何も無いキャンプにうろうろしているだけの衛兵。
 緑娘の姿が見えないのが気になるが、とりあえずジェイソンに報告しよう。
 
「ドレスがまだ生きているという証拠は見つかったか?」
「キルキルキル――、ママママママ――」
「は?」
「なんでもなか、この手紙とかどうでしょうか?」
「おおこれはまさしく我々が必要としていた物だ! ドレスの印まで押してある」
「ちなみに、ドレスに依頼されてここの偵察を任せられたのだがどうすればいい?」
「それはもう放っておいてよい、君の潜入作戦はこれで終わりだ。後はこの私のメモとドレスの手紙を国境の検問所に居る指揮官の所に持って行き、彼に見せるのだ」
「それは了解した。ところで緑娘はどこに行ったのだ?」
「ミドリムスメとは何か?」
「ああ、俺と一緒にいた派手な格好した娘のことだ」
「ミドリムスメなら、暇だから白縁稜堡砦に行ってみると言っていたぞ」
「おーおー……」
「とにかく兵士の増員が認められたら、今度はこちらから襲撃をする。頼んだぞ」
 
 
 そんなわけで、今度は再び国境の検問所へと行くことになったのだ。
 

 しかしその前に、緑娘がここから戻ってくるかどうか確認しないとなぁ……
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ