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新たなギルドマスターと副官 ~上達した絵~

 
 ブラックウッド商会を壊滅させたことを報告するために、俺たちはコロールの町へと戻ってきた。
 しかしふと思ったりもする。
 オレインの依頼で動いているが、これは戦士ギルドの意向なのだろうか? と。
 まぁそれはどうでもいい。
 とにかく危険な集団は排除したし、ヒストの木も今は灰になっているのだ。
 

「終わったのか? あの汚れた木は破壊できたのか?」
「できたの?」
 
 そうか、緑娘ソニアはヒストの木を見ていないのだったな。
 
「大丈夫、それは俺が念入りに燃やしておいた」
「よくやった! あの木が無ければブラックウッド商会はただの傭兵の集まりだ。お前のおかげで、シロディールはより安全な地となった」
「あたしは敵ボスを退治したのよ? えっと、リカードだっけ?」
「それは盗賊見習い、リザカールな。それもよくやった、お前にはこれを与えよう」
「何かしら?」
「オレイン・ベアクローの兜だ。俺の祖先、熊爪オーレインのものだが、数世紀に渡って遺失していたんだが、モローウィンドから来た見知らぬ奴から返してもらったのだ」
「数世紀って、数百年単位じゃないのよ」
「とにかく誇りを胸にそいつを身に着けてくれ。俺の一族の栄光を取り戻すのに役立ってくれることを期待する」
「そんなこと言われても……」
 
 なんかオレインから兜をもらっているな?
 緑娘は兜を手に困ったような視線を俺に向けてきた。
 
「ラムリーザ、どうしよう?」
「とりあえずかぶってみたらどうだ? かぶとをかぶっとるんだ」
「さむっ!」
「かぶれっ!」
 

「どう?」
「……(。-`ω´-)」
 
 はじめ人間ギャートルズ……って何だそれは!
 なんか原始時代みたいやのぉw
 俺が微妙な表情を浮かべていると、緑娘はそそくさと兜を脱いでしまった。
 
「やっぱり要らない、あなたにあげる」
「おー、俺がかぶっても良いんだな?」
「ご自由に」
「お二人さん、さあ、ヴィレーナ・ドントンに伝えて来い」
 
 そんなわけで、事の顛末をギルドマスターのヴィレーナに報告することになった。
 この仕事だけは、ギルドを除名処分となったオレインはできないのだから仕方が無い。
 
 
 
「ちょっとあなた!」
「なんぞ?」
「やっぱりかっこ悪いからやめて」
 

 やっぱりだめですかw
 なんかこれをかぶっていると、身軽になった気がしてさらに体力も向上したような気がするのだが、緑娘が嫌がるならやめてやろうか。
 オレイン・ベアクローの兜といい、神々の力といい、血虫の兜といい、この国の由緒有る魔法の兜はこう妙な物ばかりなのだろうか?
 
 
 

 そういうわけで、久々にヴィレーナとご対面だ。
 ヴィラヌスの件以降、気まずくて会っていなかったりするのだよな。
 
「何の用かしら? 辞表を出しに来たのですか?」
「何よ、せっかくブラックウッド商会を壊滅させてあげたのに!」
「何ですって? そこまで酷い状況だったとは……。それであなたはどうやって解決を?」
「オレインに協力してもらって、ラムリーザと片付けたわ」
「オレインですって? 彼は追放されたのに。貴方も今すぐ追放しなければなりません!」
「何でよ!」
「……いえ、責めを負うのは私の方でしょう」
 
 何か緑娘が喧嘩腰になってまずいなと思ったが、ヴィレーナは何を思ったか自分が責任を取ると言い出したのだ。
 恐らくヴィレーナは、戦士ギルドとメンバーに対して必要以上に気にかけすぎていたのかもしれない。
 それが原因で行動に対して消極的になり、それゆえにブラックウッド商会に手玉に取られたのだろう。
 俺たちやオレインが居なかったら、ギルドはどうなっていたかわからない。
 ヴィレーナは、俺たちが成し遂げたことがギルドの更なる発展にどう影響を与えるのか、それを見守ることにしたようだ。
 
「行動の責任を取り、貴方のチャンピオンのランクを剥奪します」
「なっ――?!」
「向こう見ずで無鉄砲な行動は、己自身とギルドを危険に晒しました」
「…………」
「しかし、それは勇敢な行動だったといえます。これにより、私は貴方を戦士ギルドのマスターへ任命しましょう」
「えっ? それじゃああたしか?!」
「ギルドの未来は貴方にかかっています」
 
 
 こうして、とんとん拍子に出世した緑娘は、戦士ギルドの頂点に立つという当初の目的を果たしたのだった。
 これでこの国の戦士ギルドと魔術師ギルドは、俺たち二人の手に握られたことになった。
 そしてヴィレーナは、最後の任務を課してきた。
 
「貴方の最初の任務は、副官を指名することです。モドリン・オレインより適任な者は居ないでしょう」
 
 なるほど副官か。
 魔術師ギルドだとラミナスさんみたいな立場の人か。
 こうして、このことを伝えるために、再びオレインの元へと向かうことになったのである。
 
 
 
「ちょっと待って」
 

 その途中、緑娘は俺を呼び止めた。
 
「副官はあなたがやってよ」
「俺が?」
「二人で戦士ギルドを盛り立てていきましょうよ」
「俺は魔術師ギルドのアークメイジなのだがな……って待てよ。君は戦士ギルドだけでいいのか?」
「えっ? どういうこと?」
「俺と二人で戦士ギルドを盛り立てていくのもいいだろう。でも、俺と君とで、戦士ギルドと魔術師ギルドの双方を盛り立てた方がよいと思わないか? もっと大きな視点で見てみるのだ」
「……そうね。その方が影響力が大きいわね」
「そういうことだ。俺も一応ウォーダーにまで昇進しているし、影ながら手助けはしてやるから」
「それじゃあ足りないわ。あたしがギルドマスターだから昇進させるのも自由。あなたにはもっと強い立場からあたしを補佐して欲しいの。だから二階級特進させて、今からあなたが戦士ギルドのチャンピオンよ!」
「勝手に殉職させるな!」
 
 そういうわけで、緑娘の副官はオレイン。俺はマスターに次ぐ立場となるチャンピオンに就くことになった。
 
 

「オレインさぁん! あなたを副官に任命します!」
「どういうことだ? ヴィレーナと話はしたのか?」
「うん、あたしが戦士ギルドのマスターになったのよ」
「何だと? 貴様がギルドマスターと? それでその地位を得てまずは何をするつもりだ?」
「だから言ったじゃないの、あなたを副官に任命します」
「俺が? 丁度隠遁生活に慣れてきた所なんだぜ? それに絵も上達してきた。俺はもう終わったんだ」
「ふうん、じゃあしょうがないわね。あたしが一人で全て好き勝手やらせて――」
「――と思ったが、お前を戒める人間が必要だな。お前のせいでギルドが崩壊せんようにな。やってやるぜ、ギルドマスター。ギルドに命令を与えたい時は俺の所に寄っていきな」
 
 こうして戦士ギルドのマスター副官に、オレインは就任することになった。
 オレインに最初の指令を要求されたとき、緑娘は俺に相談してきたのだ。
 どうすればいいの? と。これだと副官は俺みたいなものじゃないか。
 
「そうだな、まずは人材確保だろう。今回の件でギルドはブラックウッド商会にかなりの被害を負わされた。まずはギルドの規模を大きくするのが先だな」
「というわけでオレインさぁん、人材確保に力を入れてね」
「よかろう、俺達には兵隊として使える部下がもっと必要だ。それが強みになり、ギルドに重みも出るってもんだ」
「ウォーターズ・エッジのビエナがギルド入りしたがっていたから、彼女にも声をかけて――」
「おい緑娘ソニア、オレインの書いた絵があるから見せてもらおうぜ」
「あっ、今緑娘って言った!」
 
 緑娘がビエナのことを思い出したりしたので、慌てて気をそらしてしまった。
 このことだけは、隠し通さなければな。
 
「オレインさぁん、上達した絵ってどれかしら?」
「おっ、見てみるか? これだが、どうだ?」
 

 ……上達?(。-`ω´-)
 
「…………オレインさぁん!」
「どうした新米のギルドマスター? いいだろう、この絵!」
「降格!」
「なんでやねん」
「なんとなくじゃ!」
 
 
 
 
 

 こうして、戦士ギルドは新しい時代を迎えたのだった。
 ギルドが良い方向に動くかどうかは、全ては緑娘の腕にかかっている。
 ――とまぁ大げさなことは言わないでおこう。
 なにしろ魔術師ギルドで俺はアークメイジになったが、そんなに大したことやっていないのだからな……(。-`ω´-)
 
 
 
 
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