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リリィの要求 ~雑用増員と魔力銃~

 
 今日も清々しい朝!
 アークメイジの私室からはお日様の光は見えないが、たぶん清々しい朝!
 ダメだ、やっぱりどこか別の家に移動しようか……
 
「さて、今日も修行者は修行に励まなければな」
「あたし魔法の修行やりたくない!」
「だが修行者なのだから、修行をしなければならんのだ」
「なによ、あなたは戦士ギルドの修行者の時、全然修行していなかったくせに!」
「していないようでしている、これが修行者のプロなのだ」
「わけわかんないこと言ってないで、組み手の相手をしてよ」
「ここはそんなところではない」
「でも絶対に修行しないから。修行者なんて嫌!」
「ならばこの仕事をこなしてくれたら、イヴォーカーに昇進させてあげよう」
 
 朝から実りの無い言い合いを緑娘ソニアとやっていたところ、ラミナスさんがそこに割り込んできた。
 イヴォーカー……、イヴォーク……、evoke(死者の霊魂などを霊界から)呼び出す。
 緑娘も死霊術師に昇進するときが来たか……(。-`ω´-)
 
 

「リリィ・ウィスパーズをご存知かな? マジックアイテムのクリエイターなのだが」
「知っていますよ、以前物資を届ける仕事をやりました。この緑娘が」
「あっまた言った、ミドリムスメって何?」
「あー、この娘のコードネームです。ラミナスさん、話を進めてください」
「彼女がどうやら助手を何人かよこして欲しいという連絡が入ったのだ。そこで、人選をした結果この二人が助手を引き受けると名乗り出たので、彼女の元へと届けて欲しいのだ」
「護衛の仕事ですね。よしソニア、修行者から昇進するための仕事だぞ」
「魔術師ギルドの仕事やらない」
「ならば一生修行者として生き、死ぬまで修行を続けるがよい」
「む~……」
 
 というわけで、護衛の仕事として再び帝都から旅立つ時が来たようだ。
 

「他の人の目があっても、この二人乗りは止めないのな」
「別にあたし恥ずかしいことしてないもん。ラムリーザは恥ずかしいの?」
「バカップルっぽくない?」
「なによ、昔はもっと構ってくれたくせに」
「…………(。-`ω´-)」
 
 昔を引き合いに出されると辛い。
 どうやら過去の俺は、この緑娘とバカップルを演じていたらしい。
 公認いちゃいちゃか、魔術師ギルドの風紀も乱れたものだ。むろん戦士ギルドもな!
 
 ………
 ……
 …
 
 はい、道中は特に何も無しだし同じ道のりなのでカット。
 

 九大神修道院から少し東に行ったところに、その一軒家はぽつんと建っている。
 そこが、マジックアイテムクリエイターであるリリィの住処だ。
 

「お久しぶりですリリィさん」
「あらアークメイジ、ごきげんよう。またあなたが雑用を引き受けてくれたの?」
「いえ、こっちのソニアの仕事と言うことで、俺は付き添い。そもそも魔術師ギルドは戦闘が弱い、死霊術師とまともにやりあえるのがほとんど居ない」
「それは同感ね。バトルメイジと言っておきながら、あまり強くないからね」
「というわけで、助手に名乗り上げてくれた二人をお届けしました」
「ありがとう。お礼にいいものをあげるわ」
「いいもの? ――あいたっ」
 
 何だ?
 嬉しそうに身体を乗り出すと、後ろから緑娘が尻を蹴ってきた。しかも踵の針で突くように。
 心配せんでも、別にリリィさんに乗り換えるとかそんなことしないってば。
 マゾーガ卿の時は文句言わん癖に……(。-`ω´-)
 

「これはどう? ちょっと重いけど、破壊力は保障済みよ」
「何ですかこれは? ラッパですか?」
「名前は――考えていないの。ただ、魔力を放出させる武器とでもいいましょうか。まぁ物は試し、使ってみてごらんなさい」
 
 俺はリリィさんから、ラッパのような筒状の武器(?)を受け取った。確かに少し重いようだ。
 

「で、これはどう使うのですか?」
「標的に先端を向けて、そこについてある引き金を引くのよ」
 
 よく見ると、筒の途中に指で動かせそうな場所がある。
 ここを引けばいいのか?
 

 引き金を引くと、ラッパ状の筒の先端から火の玉が飛び出した。
 岩壁に激しくぶつかり、少し表面を削ったようだ。
 
「へぇ、面白い武器ですね。魔法みたいな武器――、だからマジックアイテムか。実際の威力はどのくらいだろう?」
「それも試してみればいいでしょう」
 
 そう言うとリリィは、またしても魔物を召喚する。

 いやだから、それは危ないから……
 
「早く撃たないと攻撃されますよ」
「といってもなぁ!」
 
 俺は慌てて、リリィの召喚したミノタウロスに筒の先を向け、すぐに引き金を引いた。
 

 筒から飛び出した火の玉は、ミノタウロスに命中するとそのまま岩壁までふっとばしてしまった。
 この武器も、なかなかの威力があるようだ。
 
「わぁ、なんか凄い。あたしも使いたいなぁ」
 
 緑娘が使いたがるので、俺は持っていた武器を手渡す。
 
「お、重い……」
 
 しかしどうやら緑娘が使うには重すぎたようだ。
 
「それが欠点ね。軽く作ると火の玉を発射した反動で武器の方が飛ばされてしまうのよ。非力な魔術師には向かない、どちらかと言えば屈強な戦士向けの武器かしらね」
「屈強な戦士ねぇ……」
 
 緑娘は複雑な表情を浮かべている。
 まぁ戦士にも、重装戦士や軽装戦士が居る。
 緑娘のように、スピードやトリッキーな武器で戦う戦士が居てもいいのだ。どこぞには飛び蹴りを放つ魔術師も居るらしいしな。
 

「こいつ、おいしいかしら?」
「半分牛だから牛肉半分だな。ちなみにもう半分は人間のようだから、人肉な」
「なにそれ、やだこいつ」
 
 まぁミノタウロスは半人半牛の怪物、仕方ないだろう。
 
 
「さて、それではそろそろ失礼します。リリィさんもまた再会の日まで壮健なれですね」
「ああそうそう。アンヴィルに行くなら、町の東側の海岸にあるタスラという集落にある岩石酒場で、消えた海賊の謎について調べてごらんなさい。何やら古代の遺物があるという噂です」
「わかりました、調べてみましょう」
「あと、ナイトアイの指輪を渡しておきます。暗い場所に困ったら使ってみてね」
「忝い……(。-`ω´-)」
 

 
 こうしてリリィの小屋を去り、今度はアンヴィルに向かうことになった。
 魔法のアーティファクトも気になるし、アザーンからまた戦士ギルドの仕事があるかもしれないということで。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記