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太陽系儀 ~失われたドワーフの技術~

 
 翌朝、俺は薄暗い閉塞空間で目覚めた。
 とまぁ、アークメイジの私室なわけだが、やっぱりこの部屋嫌い。
 
 この日にやることは主に二つ。この二つを済ませれば後は自由、何をやっていても構わないはずだ。
 

 まずは緑娘ソニアを、正式な魔術師ギルドメンバーにすることだ。
 杖を受け取りにカイロナジウムのデルマールさんに会いに行く。
 これで緑娘は、魔術師ギルドの修行者になったそうだ。がんばって修行してくれたまへ。
 
「別にあたし、魔術の修行なんてしないよ」
「まぁ俺も戦士の修行はせんかったしなぁ。でも魔法防御の修行だけはするのな」
「あたしは魔法使わないけど、だからと言って敵にも魔法使うなとは言えないからね」
「君のお気に入りの魔剣は、魔術師ギルド産なわけだが、まあいいか」
 
 
 もう一つは、ボシエルさんが修理していた太陽系儀についてだ。
 一日で修理ができると言っていたから、そろそろ仕上がっているはずだからな。
 その太陽系儀への入り口は、大学の中央にある塔の内部にある。ボシエルさんが入っていった部屋の奥だ。
 

 扉をくぐるとその先には、初めて見るような八角形の入り口が待ち構えていた。
 なんだこれは、雰囲気が突然変わったぞ? どうやって入るのだ?
 恐る恐る中央部分に触れると、スーッと八方向にスライドして道が開けたのであった。
 

「ようこそ、太陽系儀へ」
「なんですかこれは、初めて見ますよ?」
「ドワーフの残した技術です。階段を登った先にある儀制御盤から動かすことができます。アークメイジ様に最初に見ていただこうと思い、そのままにしておりました」
「それはどうも」
 
 内部にはボシエルさんと、ドワーフの技術らしい巨大な機械?
 ドワーフとは、遥か昔に機械文明を創り上げたが、今では消え去って誰も残っていないのだそうだ。
 

 見上げると、そこは大きなドーム状になっていて、丸いものがいくつか並んでいるようだ。
 太陽系というぐらいだから、星でも模っているのかな?
 
「よし、早速動かしてみようか」
「ちょっ、ちょっと待って、な、何ここ?!」
 
 階段の上にある儀制御盤へ向かおうと思って進み始めたところ、緑娘の慌てたような声が響いた。
 何だ? ドワーフの技術の凄さに驚いたか?
 しかし緑娘が見つめているのは、上にある機械ではなく足元?
 

「どうした? 不思議な踊りみたいなものを踊って? そんなに興奮することないだろ?」
「ちっ、違うわよ! 何この床! ちょっ、もうやだっ、踵が沈む?!」
「はぁ?」
 

 どうやらここの床は隙間だらけの構造になっていて、ニードルヒールの針がめり込んで歩きにくいのだそうだ。
 水の上に立った時と同じ現象だなw
 
「ちょっ、やっ、後ろに倒れるっ」
「なんというか、無理だろう。別にここでは戦闘にならないから脱げよ」
「もーやだ、なんか最悪!」
 
 しゃがみこむ緑娘を置いて、先に階段を登って行く。
 儀制御盤で何をすればいいのかわからんが、とりあえず行ってみよう。
 

 
「床が冷たいわ」
「任せておけ、これで大丈夫だ」
 
 文句を言う緑娘に対して、何が大丈夫なのかわからないが、儀制御盤に手を触れてみる。
 すると、地鳴りのような大きな音を出して、周囲を覆っていた壁が動き出すではないか。
 同時に、中央にあった球体も回転を始める。
 

 
「むむむ、これは一体……」
「何よ、全然床が暖かくならないよ?」
「床ではない、上を見ろ」
「む~……」
 

 太陽系儀という名前だけあって、星空を表現したような空間となっていた。
 これがドワーフの技術? これほどの記述があって何故今現在どこにも存在しなくなったのだ?
 
「ドワーフ、一体どこに……」
「たぶんあれだわ、エクソダスアルコみたいなの作ったのよ」
「それを作ったらどうなるんだ?」
「その建物に入って、みんな宇宙に旅立ってしまったのよ」
 
 なるほど……(。-`ω´-)
 ドワーフが姿を消した一つの説として採用しよう。
 
 というわけで、太陽系儀はそれだけ。
 なんだか一つ魔法が手に入ったが、運を下げて魅力を上げるなどという効果。
 うん、使わんな。運を下げるのはなんとなく危険だし、魅力が低くても魅了の魔法を使えば外交など簡単だ。それに今現在の魅力でこの緑娘が俺に惚れているみたいなのだ。ハーレムを築くつもりはないし、俺はこの緑娘だけで十分だ。ハーレムを作ろうとしても、緑娘が片っ端から始末していく未来しか見えんしな。
 以上、太陽系儀はすごいねー、ドワーフの技術はすごいねーでおしまい。
 
 
 午後は緑娘と魔術師大学内をブラブラ。
 あまり立ち寄ったことは無いが、練習場という場所もあったりする。
 緑娘は修行者だから、ここで修行してもらおうではないか。
 
「さて修行者ミ――ソニアよ、この練習場でしっかりと修行するがよい」
「あたしウォーダー、魔術師の修行なんてしないわ」
「そう言わずにほら、そちらでファイアーボールの練習をしている修行者を見習ってファイアボールをだな」
 

 
「ファイアーボール!」
「違う……(。-`ω´-)」
 
 踵から伸びる鋭い針で、敵を蹴り刺し殺すニードルヒール。しかし床に穴が開いていたら歩き難いというも伴う諸刃の剣、素人にはお勧めできない。
 では俺のようなド素人が、魔術のなんたるかを見せてやろう。
 

 
「霊峰の指!(圧縮版)」
「そんなのただのトリックよ!」
「トリックに吹っ飛ばされて、大怪我をするソニアであった」
「ふんだ!」
 

 まぁあまり妙なことをやっているのも、他の修行者の邪魔になるのでやめておこう。
 ぜひしっかりと修行して、死霊術師とも互角に戦えるようになってもらいたいものだ。
 そうでないと、いつまで経っても俺が使い走りをしなければならない。要するに、他のギルドメンバーに任せると不安だから皆俺に頼むのだ。
 マスターウィザードクラスにならんと役に立たんのかもしれんな……
 そのクラスは、マニマルコ事件でほとんど居なくなってしまったからなぁ。
 残っているのはラミナス、ジュラーエルぐらいか? リリィさんはどうなんだろう?
 

 他には、壇上で授業などもやらされる。
 アークメイジだからと言って、教えられることは無いぞ?
 
「えーと、授業の前に――、てんぷらを食っちゃおかしいかい?」
「しかし四杯は過ぎるぞな、もし」
「四杯食おうが五杯食おうが俺の金で俺が食うのに文句があるもんか!」
 
 すぐにボロが出る、やめておこう……(。-`ω´-)
 
 

 大学内に、こんな張り紙も見つけた。
 
「アリーナ? 闘技場かな? やってみる?」
「それはあなたの領分じゃないかしら?」
「いや、こういう場所は戦士が活躍する場所だろ?」
「その張り紙の右に居る人は魔術師じゃないかしら?」
「…………(。-`ω´-)」
 
 またなんか疑問系会話になりつつあった。
 まあよい、他に何もやることがなくなったらアリーナとやらにも足を運んでみるか。
 
 

 俺に必要だと思われる技術は錬金術かな……
 ジュリアンに学ぼうと思ったが、後ろからの視線がきつい。
 なんだよもー緑娘は、俺が他の女性と関わろうとしたら警戒しまくりすぎ。
 仕方が無い、どっか町のギルドで男性錬金術師が居たらそっちから聞こう。
 
 以上、魔術師大学での日常でした。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記