三人衆復活 ~新生ナイチンゲール誕生~
メルセルを倒せる望みは、ノクターナルを味方につけるより他に無いというのだ。
そこで、俺とブリニョルフとカーリアは、この三人でナイチンゲールを再結成するという話になった。
そこはなんというか……、神秘的な場所?
ここで誓約の儀を行うようだ。
やっぱここまできたら、俺も左側の先に進まないとダメかな?
何が起こるのか……
おそるおそる足を進める。
カーリア「御身を召喚したてまつる、暗闇の女皇、影の女帝、女公ノクターナルよ、我が声に耳を傾けたまえ!」
どうやら儀式が始まったようだ。
俺とブリニョルフは、カーリアを見守るしかない。
というか、何が何だかさっぱりだ、これからどうなるのかと言うことも……
――と、突然辺りが薄暗くなり、目の前に青白く輝く光が現れた。
これがノクターナルの魂か?
カーリア「我が女公、私が参りましたのは伏して慈悲を乞うためにございます。このたびの失態の始末、なにとぞ私めに」
ノクターナル「お前はすでに我が所有物だろうに、カーリア。取引はとうの昔に成立している。今更何を差し出せると言うのだ?」
ノクターナルだ、やっぱり……
ということは?
カーリア「誓約を立てんとする志願者を二人連れて参りました。生あるうちも死して後も、御身に仕える覚悟ができております」
ノクターナル「驚いたな、カーリア。その提案では明らかにこちらが一方的に有利だ」
カーリア「メルセルの破滅を欲する心が富への渇望を上回りましてございます」
ノクターナル「復讐? 興味深い響きだ……、たいへん結構、妥当な条件だ。進めるがよい」
カーリア「ノクターナル様、我らはすべての条件に従います。御身の復讐者にして衛士となりてお仕えもうしあげます。この契約を今生においても来世においても、すべての条件が果たされるまで遂行致します」
ノクターナル「もうよい。その新入りをナイチンゲールに任命し、お前の名誉を従前どおりに回復しよう、カーリア。以後、ぶざまな失態を晒すのは控えるがよい」
そして青白い光は消え去った。
ノクターナルに俺たちは認められたのだ。
そう、ナイチンゲールの一員として認められたみたいだ。
ブリニョルフはともかく、まだ新入りに近い俺も……、いいのか?
シャヴァーリ「おめでとうレイジィ、あなたもナイチンゲールの一員になれたのね……」
レイジィ「……あれ、シャヴァーリ?」
シャヴァーリ「安心した、あなたはもう一人でも十分やって行ける……」
シャヴァーリ「さようなら……」
どうなっているんだ?
レイジィ「ちょっと待ってくれ!」
レイジィ「待ってくれよシャヴァーリ、何故ここに居るんだ?!」
だがシャヴァーリは何も告げずに、立ち去っていく……
あれ?
居ない?
どういうことだ?
………
……
…
カーリア「どうしたの? 急に駆け出したりして」
レイジィ「さっきシャヴァーリが居たじゃないか」
ブリニョルフ「小僧とつるんでいたあのカジートが?」
カーリア「私達以外の誰も居ないわ。それよりも、メルセルの真の罪とは何だったのかを話すわ」
二人には見えてなかったようだ。
俺にだけ見えた幻か?
一体何故?
シャヴァーリのことも気になるが、今やるべきことはメルセルのことだ。
メルセルを何とかできたら、街に様子を見に戻ればいいじゃないか。
さて――
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