三人衆復活 ~選ばれし者達~
大立石に向かうと、カーリアとブリニョルフの二人はもう到着していた。
カーリア「来てくれてうれしいわ」
この場所は、ナイチンゲールの根城、創設者が山腹を切り開いて造った場所。
メルセル・フレイを倒すのに必要な剣が、ここで見つかると言うのだ。
ここまで来たのだ。
カーリアにナイチンゲールについて聞いてみることにした。
ガルスとメルセルとカーリアは、かつて「ナイチンゲール三人衆」と呼ばれていたのだ。
だが、ガルスを殺すと言うメルセルの裏切りで、25年前に崩壊してしまったという。
……俺まだ産まれてないころだな。
三人衆は、ギルドの構成員から選ばれるのだが、その存在は極秘にされているのだ。
確かに、カーリアに会うまでは、ナイチンゲールとか全然聞かされてなかったな。
ナイチンゲールの目的はノクターナルの聖堂「黄昏の墓所」を守ることである。
――と、カーリアの話を聞きながら、洞窟を進んで行く事になった。
ブリニョルフ「なるほど、これがナイチンゲールの間か。ギルドに入った時にこの場所の事を聞かされたが、実在するとは思っていなかった」
カーリア「ナイチンゲールがただの伝説だという話は、意図的にギルドに広められたものよ。好奇心をそらして正体を探られないようにね」
俺は、なんだかよくわからないままに着いて行っているだけだ。
それはブリニョルフも同じようで、何故俺を選んだのかとカーリアに聞いている。
――だな、俺も選ばれたわけだしな。
お互い、ノクターナルを深く信仰しているわけではない……
カーリア「宗教ではないのよ、ブリニョルフ……、これはあくまでも取引……」
カーリア「ここがナイチンゲールの間。あなたのような未参入者が足を踏み入れるのは、もう100年以上絶えてなかった事よ」
俺も未参入者なんだけどな。
しかも、盗賊ギルドに入ってから、そんなに経ってないのだけどな。
今のところ一番の新入りだぞ。
仕事だけはしっかりとこなしてきたてけどな。
カーリアの話では、ここで武器庫に行って、ナイチンゲールの鎧を着ければ、誓約の儀を始められるという。
ここが武器庫か?
カーリア「ナイチンゲールの鎧を着るのを迷っているようね。どうして悩んでいるの?」
レイジィ「いや、生まれてこのかた鎧など着た事無いもんでね」
ブリニョルフ「頭がこんがらがりそうな内容だな?」
さてどうしたものか、着るしかないかな?
――着てみた。
初めて着た鎧は、不思議と俺にぴったり合っているようだ。
カーリア「誓約に臨む覚悟は決まったようね」
ブリニョルフ「さてお嬢、こんな格好になったが、これからどうするんだ?」
カーリア「この門をくぐればナイチンゲールになる第一歩があるわ」
ブリニョルフ「ちょっと待ってくれ、お嬢。鎧は有り難いが、ナイチンゲールになるだって? そいつは話と違うぞ」
え?
ということはつまり俺も?
ナイチンゲールは三人衆と言っていたが、カーリアはまさかこの三人でナイチンゲールを再結成しようとしているのか?
だが、メルセルを倒せる望みは、ノクターナルを味方につけるより他に無いという。
そのために、ノクターナルに俺達をナイチンゲールの一員と認めてもらい、自由に使える力を授けてもらうのだ。
しかしその代価として、生あるうちも死してのちも、「黄昏の墓所」の守護者を務めなければならない、と。
ブリニョルフは、それがメルセルの破滅につながるならやると言っている。
さて俺はどうするか……
ブリニョルフ「お嬢を信用して、この話に乗るべきだと思うが」
レイジィ「3人必要なのだから、俺も居なくちゃダメか……」
しかたない。
ここは乗るしかなさそうだな。
時間を無駄にしても、それはメルセルをのさばらせているだけだしな。
手っ取り早く始めるか……
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