メルセルの悪行を晒せ!
ブリニョルフ「そ……、そんな馬鹿な……」
ギルドに真実を伝えるだめにカーリアと共に乗り込んだ俺達は、まだ疑っていたブリニョルフらに証拠であるガルスの日記を見せつけたのだ。
読み進めるうちに、ブリニョルフの顔色がみるみるうちに変わり――
ブリニョルフ「そんなはずはない、メルセルとは長いつき合いなんだ……」
カーリア「本当よ、ブリニョルフ。一字一句にいたるまで。メルセルはギルドの財産を何年も前からくすねていたの、それもあなたの鼻先でね」
ブリニョルフ「このお嬢の言っていることが本当かどうかを調べる方法は一つしかない。デルビン、貯蔵庫を開けてくれ」
よかった……
とりあえず、ブリニョルフはカーリアの言うことが本当かどうかを検討してくれる気にはなったようだ。
貯蔵庫に向かう一同。
デルビン「その本の内容は? 何が書いてあった?」
ブリニョルフ「メルセルが我々の貯蔵庫から何年も盗んでいたと書いてある。ガルスが殺される前に調べていたらしい」
デルビン「どうやって2つの鍵が必要な貯蔵庫をメルセルが開けられるんだ? そんなの無理だ、こじ開けたとでも?」
ヴェックス「あの扉には金で買える限り最高のからくり錠がついている。こじ開けるのは無理だ」
カーリア「彼は鍵をこじ開ける必要なんてなかったんだわ」
メルセルの開錠の腕をナメたらダメだぜ。
雪帷の聖域の入り口や、合致する金の爪が必要なノルドの仕掛け扉も開くことができるんだ。
俺は間近で見てきたんだ、ここはカーリアが正しいだろう。
――案の定、貯蔵庫はカラッポだった。
ブリニョルフ「八大神にかけて! ない、何もかもが無くなっている!」
デルビン「ゴールドも宝石も……、全部やられている!」
ヴェックス「あのクソ野郎! 殺してやる!」
いきり立つヴェックス。
しかしブリニョルフになだめられ、すぐに落ち着きを取り戻したようだ。
ブリニョルフはこんな時でも落ち着いている。
ブリニョルフ「デルビン、ヴェックス・・フラゴンを見ていろ。メルセルを見かけたら、すぐ俺に報せに来い」
どうやら、メルセルが悪いということでギルドは纏まったようだ。
カーリアの潔白と、メルセルの裏切りを信じてくれたのだ。
ギルド一同、メルセルに対する復讐心で燃え上がっている。
これでひとまずは安心。
しかし、メルセルの行動にも注意を払わなければ……
俺はどうすれば良いのだ?
事態が好転するまで、いつも通りの仕事に戻って良いものか?
――とか考えていたら、ブリニョルフに呼び出されてしまった。
カーリアから聞いたことをすべて話して欲しいと言うのだ。
あ、後ろの棚に、俺が持ち帰った宝を飾っているぞ。
そこで俺は、カーリアではなくメルセルがガルスを殺したのだということ、ガルス、カーリア、メルセルがナイチンゲールだったことを教えてやった。
ブリニョルフは、ガルス殺しについてはそんな事だろうと思ったようだ。
なんでも、ガルスの日記の最後に、メルセルの事をギルドに暴くところだったよう書かれていたからだとか。
しかしナイチンゲールのことに関しては驚いたようだ。
どうやらナイチンゲールは、若いチンピラを大人しくさせるための作り話だと思っていたようだ。
まぁ俺も知らない。
精々黄昏の墓所と関係があるぐらいまでしか聞いていないしな。
あとはゴールデングロウと、ホニングブリューについてだ。
それらの件を背後で操っていたのはカーリアだと。
それは、メイビンの前でメセルの面目を潰そうという作戦だったわけだ。
俺の知っている情報をすべて話すと、次に重要な仕事を言い渡された。
メルセルの家に押し入って、奴の行方について何か手がかりになりそうなものを探せ、と。
メルセルの家か……
あまり行きたくないが、こういう仕事は俺しかできそうにないだろうな……
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