新たなる潮流
ありがちなタイトルだが、新章開始としては、まあよい(。-`ω´-)
アルドゥインの脅威が去って3ヶ月――
俺達の生活はほとんど変わっていない。
吟遊詩人大学で音楽の勉強や練習をしつつ、夜はウィンキングスキーヴァーで仕事。
ああそうそう、なんだかいつの間にか俺も酒場で働くことになった。
リセッテの口添えや、リュートが弾けるようになったというのもあるが、アルドゥインを滅ぼした英雄という肩書が、客引きになるとかなんとか。
とりあえず英雄とは言え、3ヶ月前の自慢ばかりしては弓を振り回してたら、最終的に首が身体とおさらばしてしまうので、そこは自重しているがなw
従士なのだから、エリクールの様に宮仕いしてもいいはずなのだが、なぜかそれはさせてもらえない。
リセッテに――
リセッテ「あなたの様な人が宮仕いするなんて不安過ぎてたまらないわ」
――どういう意味だよ(。-`ω´-)
大きく変わったことと言えば、帝国軍を退役したことかな。
ストームクロークから俺の存在についてクレームが上がったわけだ。
「ドラゴンボーンはスカイリムの英雄だから、内戦においては中立的な立場を取るべきだ」
これがウルフリックの主張だ。
当然テュリウス将軍はその主張は蹴る。
「スカイリムは帝国の物なのだから、スカイリムの英雄は帝国の為に働くべきだ」
――と。
まぁ、結婚式場にまでリーチ奪還作戦の話をしにくるような人だ。
当然な主張と言えば当然ですな。
しかし、ここにめずらしくサルモールが介入してきたんだ。
エレン姉やん(エレンウェン、幼馴染で昔からそう呼んでいる)は、この時期になって唐突に俺の素性を公開しよった。
サマーセット島出身のハイエルフで、昔からの私の知己だ……、と。
そしてさらに、サルモールへの引き抜きまで仕掛けてきた。
マルカルスでの混乱以降、第二特使のオンドルマールが行方不明になったため、そのポストを俺に与える……、と。
突然サルモールの特使抜擢だなんてとんでもない!
なんかもうめんどくさくなったので、その場で帝国軍を退役することにした。
むろんサルモールにも加わらない。
オンドルマール捜索にできるだけの協力だけはするということで、その場は終わりにした。
つまり、この件に関してはウルフリックの勝ちってことですな。
オンドルマールのおっさん次第では、この先どうなるかわからんが……
ソーナーの反撃を被ったか?
それなら俺にも責任はあるが……(。-`ω´-)
ただし、「ソリチュードの従士」として、ソリチュードの危機には働くことという条件は残ったがな。
まぁソリチュードの市民としてこれは当然だろう。
しかしこれは同時にストームクロークの完全勝利を防ぐということになるのだ。
俺が本気で迎撃したら、ストームクロークは手も足も出ないだろう。 (←なんて傲慢なハイエルフw)
その内疲弊して、帝国の反撃のチャンスも生まれるだろう。
つまり、内戦は長引き、スカイリムは疲弊するのだ……
結局サルモール、エレン姉やんの思惑通りの流れになるんだ……
帝国、ストームクローク、サルモール
情勢を考え始めたら、めんどくさいことこの上ない。
ネラカーの話やエレン姉やんの様子から、サルモールは帝国とストームクロークの疲弊や共倒れを狙っていることにウスウス気が付いている。
考えていたらマジめんどくさいので、俺は自分の力は自分の好きなように使うことにすることにした。
アルドゥインを滅ぼすという使命は果たしたんだ。
あとは好きなように暮らしていても、誰にも文句は言わせない。
例外はあるけどな……
リセッテが俺と一緒に世界を見て回りたいと言うのなら、できる限りのエスコートはしてやりたい。
しかしなぁ……
この時世、世界巡りだからと言って、気楽な観光なんてあり得ない。
アルドゥインの脅威は確かに去ったが、それで安心して暮らせる世の中になったわけではない。
内戦はまだ続いているし、山賊、麻薬売人、モンスター、場合によっては暗殺者……
ドラゴンも全てが消え去ったわけでもないんだ。
まだまだ世の中には危険がいっぱい。
街が平和なのは、日々スタップさんたちが治安を維持してくれているからだ。
だから平凡だの退屈だの言うのは、勘違いも甚だしいというものだ。
観光と冒険とは違う物なんだぞ。
リセッテはそこのところ理解しているのだろうか……
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