ドラゴンボーン編40 ~講和会議で得たもの、失ったもの~
俺の名前はラムリーザ、迂闊な奴……
講和会議の結果は俺にとって散々なこととなってしまった。
ウルフリックを打ち破った暁には、その時こそリフテンで式を挙げるんだとリセッテさんに豪語したのだが、迂闊にも講和会議を開催し、休戦状態を作り出してしまった……
お預けか? それとも休戦が発展して争いが消えたとなると、あの約束はどうなるんだよ。
それだけじゃない。
講和会議には呼んでも居ないブレイズがやってきて、俺を導いたのだから参加させろと来たもんだ。
それだけなら何の問題も無いのだが、これまた呼んでもいないのにエレン姉やんまで参加してきたものだ……
デルフィンの台詞を聞かれたみたいで、俺がブレイズとつるんでいると思われてしまった。
それは無いから早とちりしないでくれ(;´Д`)
講和会議が終わると、ウルフリックとその参謀はさっさと退室してしまったが、残ったものはこれから行う作戦について話し合うことになった。
ドラゴンズリーチに罠を仕掛ける件は、バルグルーフ首長がしっかりやってくれるそうだ。
問題は、そこにドラゴンをどのようにおびき寄せるか。
それについては、エズバーンのじいさんがこれまでの間にスカイ・ヘブン聖堂でいろいろと調べていたようだ。
まず、ドラゴンは名前を呼ばれるとやってくるそうだ。
ドラゴンというものは、生来高慢で、挑戦を拒むのを嫌う――、つまり名前を呼ぶということは挑戦するってことなのか。
さらに、アルドゥインに勝利した俺の声なら、ドラゴンは興味を引くと……
……つまり迂闊にドラゴンの名前を語ると、俺の所にすっ飛んでくるってことか((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
そして、エズバーンのじいさんが調べた巻物には、「オドゥ・アー・ヴィーング」という名前が記されていた、と。
ラムリーザ「なるほど、オドゥ・アーっと危ねぇ!」
ここに呼んでどうするw
つまり、ドラゴンズリーチの罠の傍でこの名前を呼べばいいのね。
ふぃ……
すべて終わったか――
――って、デルフィン、なんでこっちに来るんだよ(。-`ω´-)
みんなといっしょに帰れよ!
せめてエレン姉やん帰るまで待て!!
デルフィン「もう一つあるわ。パーサーナックスのことよ」
ラムリーザ「パーサーナックス?」
デルフィン「彼はただのドラゴンではない。アルドゥインの右腕だったのよ」
パーサーナックスは、かつてアルドゥインと共に、散々暴れまわったそうな。
報いを受けるべき、そして始末するべきだ、と。
始末することができれば、ブレイズに迎えてもらえると。
ブレイズか――
シロディールの守護者も属していたブレイズ。
密かに憧れがあるのも事実だ……
さて、どうしたものか……
……(;´Д`)
エレンウェン「ブレイズとまた話し合っていたようね?」
ラムリーザ「……一つ教えてください(´・ω・`)」
エレンウェン「何かしら?」
ラムリーザ「サルモールは、帝国とストームクロークの共倒れを狙っているのですか?」
エレンウェン「…………」
ラムリーザ「…………」
エレンウェン「それはあなたの見解ですか?」
ラムリーザ「いや、ネラっちゃんから聞いたんだ」
エレンウェン「ネラカー、彼もスカイリムに来ていたのですね」
ラムリーザ「あいつは、タロス崇拝禁止は帝国とストー――」
エレンウェン「この条件は、我が政府にとって申し分ありません。どちらにせよ、停戦は長くは続かないでしょう」
ラムリーザ「――ムク――」
エレンウェン「あなたはサルモールの邪魔はしないと言いましたが、我々が壊滅させようとしているブレイズは皇帝の親衛隊だと知ってますね?」
ラムリーザ「……うん」
エレンウェン「皇帝は帝国の最高指導者で、その親衛隊は敵」
ラムリーザ「…………」
エレンウェン「私の言いたいことが分かったならば、いつでも私のところを訪れていいものよ」
つまりそういうことだ。
サルモールと帝国軍は和平中だが、皇帝の親衛隊は付け狙っている。
……つまり敵だ。
帝国全てと和平を結んでいるわけではない、そしてこの先どうなるか分かったものじゃない……
俺の所属している帝国軍は皇帝に仕える兵士、皇帝に仕える親衛隊ブレイズはサルモールの敵。
……これはマズいな。
決めた!
俺は今更サルモールの一員になるつもりはない!
それとリセッテさんは諦らめたくない!
結婚するためにウルフリックを打ち破る!
そのためには帝国とストームクロークの休戦は解けなければならない!
解くためにはドラゴンの問題を片付けなければいけない!
パーサーナックスを片付け、
オダハなんとかを呼んで罠にかけ、
アルドゥインを始末する!
まずはこれだ!
全部片付いたらスカイリムからトンズラだ!
(リセッテは?)
前の話へ/目次に戻る/次の話へ