シェオゴラス 前編 ~ク=シャーラの予言~
いや、私が災いをもたらすものになるとは思わなかった――後日談――
というわけで、レヤウィンから北上する途中、森の中にデイドラの祠を再び訪れてみた。
見覚えがあるなぁ、この神様。
確か呪われた杖を捨てに行った洞窟の奥にあった祭壇にも祭られていなかったかねぇ?
しかしここではデイドラよりもヤバい連中が居た!
司祭は白いローブで固めているが、信徒共は……
女は下着姿、男はノーズボン運動。もはや意味不明な有様である。
ノー上着、ノーネクタイ運動というものは聞いたことがあるが、いくら反体制派だからと言って、ノーズボン運動はちょっとねぇ……
トカゲ女はいいよ、トカゲだし、というかもう深く考えるのは止めよう。
しかし司祭に話を聞いたら、こいつらの奇行が教えに添った行動であることがわかった。
ここはシェオゴラスを祭った祠。そしてシェオゴラスは、狂気を司る神様だと言うのだ!
……見なかったことにして先へ進もう(。-`ω´-)
その時である!
「もう飽き飽きだ、ボーダーウォッチと呼ばれる集落がある。そこは退屈で退屈で退屈で――」
……勝手に脳内に語りかけてきやがった、俺まだ何もしていないのに(;´Д`)
「俺まだ何もしてません!」
俺の言葉に、周囲に居る狂った信徒共が振り返る。
いかん、神の言葉は個人にしか聞こえないのだ。ひょっとしてこいつらには俺は、突然独り言をつぶやく狂人に写ったのか?
まぁここの教義には添っていると考えられるが、どうしてこうなった?( ^ω^ )
「レタスと小魂石と紬糸は受け取った」
「勝手に取るな!」
シェオゴラスの言葉に思わず突っ込んでしまう俺。
そもそもデイドラが退屈というのには、嫌な予感しかしないのだよ、サングインとか、サングインとか!
さらにシェオゴラスは勝手に話を進め、その集落でシャーマンを探し、その予言、ク=シャーラの予言について聞けと言ってきたのだ。
また予言かよ!
つまり、その予言の内容を真似るのが目的だと言うことだ。
「なんだかよくわからんけどパス。俺は北への旅を続ける」
「言うことを聞かんのなら、スキャンプを十匹程まとわり憑かせよう」
「…………(。-`ω´-)」
………
……
…
というわけで、俺はボーダーウォッチの集落へとやってきていた。
どうやら俺は、狂気の片棒を担がなければならないらしい……
そしてここは、獣族カジートの集落のようだ。
緑仮面のカジート版まで居る、うん、動物園♪
さて、シェオゴラスの要求を達成するには、この集落のシャーマンを探し出して予言を聞かなければならない。
予言……
レヤウィンの予言から逃げたのに、ボーダーウォッチで予言を聞かなければならないとは。
俺は予言通りにしか動けなくなっているのか?
というわけで、集落のシャーマンであるリ=バッサに出会った。
歓迎されたのは良いが、予言とやらはなんでげしょ?
というわけで、リ=バッサから聞き出したク=シャーラの予言は、以下の三つであった。
・害獣の災い、町は生物が運ぶ病気によって覆われる。おそらくそれはネズミである。
・飢餓の災い、理由無く家畜が野で死ぬ。放牧地には六頭の羊が居るようだ。
・恐怖の災い、よそ者には話せないという。
つまり俺は、この集落でネズミを大発生させ、家畜を殺し、恐怖を引き起こさなければならないということだ。
リ=バッサから名前を聞かれたが、ここでは恐怖の災いにちなんで「アンゴルモア」と名乗っておいた。意味はわからん。
さて、ネズミを大発生させるというわけだが、ネズミの好物はチーズ。
そしてボーダーウォッチ亭のス=ザーサはチーズコレクター。彼女の高価なチーズには強烈な芳香があるらしい。
それを頂くとしようか。
というわけで、ボーダーウォッチ亭。
こんな森の中に旅人が来るのかどうかわからないが、一応宿舎もある。
そして宿の中のショーケースに厳重に保管されていたのが、このオルロイチーズである。
なんでも料理のために取り出したら、何マイルも離れたネズミ共を呼び寄せるかもしれないらしい。
それなら頂きますか。
宿から去った風を装い、こっそりと様子を伺う。
うん、女将さんは気がついていないみたいだね。
ショーケースの鍵を開けるのは大変だが、前回の冒険でノクターナルから「不壊のピック」なるものを頂いている。
時間はかかったが、なんとかショーケースを開けて――
――オルロイチーズは頂いた。
そこまでがんばったところで、外はすっかり日も暮れてしまっていた。
いろいろとうろうろして、シャーマンと話をしていたり、ショーケースの開錠に手間取っているうちに夜になってしまったようだ。