ディープスコーン空洞 ~邪神教のアジト?~
「予言じゃ、予言が下った!」
「…………(-д-)zZZ」
「ラムリーザよ! 長い間音信不通だった親類からディープスコーン空洞と呼ばれる地下の隠れ家をおぬしが相続したようじゃ」
「そんなあからさまに嘘くさい予言はやめてください……」
毎朝毎朝これである。
アンヴィルに居た頃はアリーレさんが付き纏い、レヤウィンではダゲイルさんが付き纏ってくる。
取り戻せた予言能力をひけらかしたいのはわかるが、毎日毎日予言していたら予言のありがたみが無くなるぞ?
しかし予言だけではなく、ダゲイルはご丁寧に鍵まで用意してくれていた。
なんかよくわからんけど、そのディープスコーン空洞とやらを無理矢理でいいから相続させたいらしい。
だいたい俺は記憶が無いんだ。その親類とやらに会わせてくれ……、といっても相続するってことはもう死んでいるってことなんだろうなぁ……
そういうわけで、今日はディープスコーン空洞を目指してレヤウィンの町から南へ海岸沿いに進むことにした。
ついでに近くにビホルデンの祠があるから、興味があるなら行ってみるとよいとのことだった。
ビホルデンね、土下座衛門関連ですか? って何の話だろうね。
レヤウィンの南側。ここはシロディールという国の最南端らしい。
ブラックウッド地方といい、周囲は湿地や沼地が数多く広がっている。
この海の彼方には何があるのか?
そういえば港町アンヴィルと違って、レヤウィンでは港は発達していないみたいだな。
船一隻たりとも浮かんでいない海が、妙に寂しいようなもったいないような。
そういうわけで、なにやら住居でもありそうな場所にたどり着いた。
こんな人口の橋があるのだから、場所は間違えていないだろう。
右側に見える木は、海の中から生えているような気がするが、気にしないでおこうか。
橋の西側に木で隠れていてわかりにくいが、大きな建造物が見えたりする。
あれがビホルデンの祠だろうな。ディープスコーン空洞を一通り見て回ってから向かおう。
橋を渡った先は、小さな島になっていた。しかし、建物の残骸があるだけで家らしきものは見当たらない。
井戸の傍には、シェイディンハルの井戸の中で見つけた草と同じものを発見。
聞いた話ではニルンルートという名前らしいが、それにしてもでっかい草だ。
さて家だが、この有様である。こんな沈んだ家を相続させられても困るのだがなぁ。
――と思ったが、そういえばダケイルは地下の隠れ家とか言っていたことを思い出した。
地下の入り口――、井戸から入るわけでも無さそうだし、この沈んだ家の残骸らしき場所のどこかから入るわけか。
こんな沈んだ隠れ家なんて要らないよ、と思ったけど、住めば都という言葉もある。
レヤウィンにはまだ自分の居住区が無いのでここを――、と思ったけどここは少し人里離れすぎているなぁ。
というわけで、水の中に沈んだ入り口を発見。
ダゲイルのもらった鍵を使うと、中に入ることができたとさ。
その先は、いかにも地下の隠れ家といった感じになっていた。
しかし、これでは毎回隠れ家に帰るたびに水浸しになってしまう。やはりこの隠れ家は使えんな。
入ってすぐの所に、なにやら日誌と真珠が置いてあった。
日誌は知らんが、真珠は頂いておこう。宝が手に入ったので、前回のミリディスよりは来た意味があったということだ。
しかし日誌の内容が良くない。
血を満たしたとか、血液の味とか不穏な文章が並ぶ。吸血鬼じゃないのか? ここに住んでいた者は……
なんで吸血鬼みたいな奴から隠れ家を相続したんだ俺は?
ダゲイルに嵌められているような気もせんでもないが、ひとまずはこの隠れ家全域を調べておこう。
ああちなみに、この隠れ家を元の状態に戻すのに必要な物は、帝都のちょうど手前にあるワネット亭の、ローリー・アードウルフから頂けるらしい。
あまり会いたくないような、放置しておいたほうが良いような……
それでこれが、隠れ家のメインホールらしき場所。
う~ん、今にも落盤してきそうだ……(。-`ω´-)
こんな場所、相続してまで欲しくはないなぁ。というか、ローリー・アードウルフという者は、ここは要らんのだろうか?
しかし、その広間から続いている細道の先は、人工的に作られたもののようだ。
そうか、ここは地下の隠れ家で、その先には普通の住居があるというのだろう。
でも入り口が水の中という事実は変わらんけどな。
その先は薄暗いが、とりあえずは普通の建物となっていた。
かがり火が消えていないのが気になる。既に誰かが住んでいるのではないか?
壁の上にあるかがり火、誰が燃料補給しているのだ?
………
……
…
そんなこんなで、この隠れ家をいろいろと見て回ったのだが――
これがこの隠れ家の地下にあったものである。
うん、気持ち悪い。
こんな隠れ家、要らない。
相続は、放棄します。
ダゲイルに譲ります。
ヤバい香りしかしないので見なかったことにして、俺はディープスコーン空洞をそっと後にした――
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