コロルへ移動→エレングリンの遺跡 ~死霊術師の住処~
「さて、そろそろコロルに戻りたいと思っている頃でしょう」
「??」
なんか知らんけど、最近アリーレさんに俺の行動を指定されているような気がする。
アリーレさんはベニラス邸に住んでいたらいいんじやないかねぇ?
「カラヒリに用事を頼まれたのです。あなたもコロルに戻る必要があるのではないですか?」
「ん、ダル=マに海賊船長の話をしなければな」
というわけで、アンヴイルを後にしてコロルへと引き返すことになった。
ブリナ・クロス亭だ。
ここから東に向かうと、また襲われるのかな?
「あ、そういえばアリーレさんはあの日は全身鋼鉄の鎧で固めていましたね」
「あれは戦闘用です。そして今日は旅用ですよ」
「あれ? 今気がついたけど、その盾?」
「ええ、ベニラス邸に置いてあったので、これはいい盾だなと思って使ってみました」
「いやそれ、俺がコロルで貰ったコロルの紋章盾……」
使わないから置いていたら、勝手に使われている……。
まいっか、使わないし。
確かここから街道をそれて北へ向かうとコロルだったな。
「この街道をさらに東に向かうと、インペリアルシティですか?」
「いえ、その途中にスキングラードという街があります」
「そういやそんな名前の街も本で見たな」
コロルでダル=マに報告したら、今度はスキングラードに行ってみるか。
この森道、ウェザーレアの近くにアイレイドの遺跡があったりするんだよな。
今回はちょっと寄り道、この遺跡を探検してみますか。
遺跡の名前はエレングリン。
以前ジ=スカールと訪れたリエルと、入り口の構造は似ている。
しかし内部構造は違っていて、なんだかこっちの方が危なそうだ。
なんか通路の壁に隙間があって、そこから巨大な刃が出たり引っ込んだりしているのだ。
さらに幽霊が、その刃の間をすり抜けるように襲い掛かってくる。
アリーレさんに任せるか? この状態で霊峰の指を放ったら巻き込むしなぁ。
とまぁ、入り口から大変な遺跡のようですね。
「ところで、ウェルキンド・ストーンを千個集めると、願い事が叶うというのはほんとうですか? っと、ジ=スカール先輩という獣族が言っていたもので」
なんで疑問形になることを恐れているんだ俺は。
「信じるものは救われますよ」
「なんやそれ」
よくわからんが、やっぱり集めてみよう。
ここの遺跡は、通路の両側は水が溜まっている。そしてその中に大きな燭台のようなものがある。
それだけならいいのだが、ときおり飾られた赤い石が強く光っては、白い光線を放ってくるからやっかいだ。
さらにこの遺跡の奥の部屋には、死霊術師が住み着いていた。
これまでの罠は、全部こいつが仕込んだものだったのか。
戦闘はバトルメイジのアリーレに任せて、俺は部屋の中を調べさせてもらう。
なんかフラスコとか置いてあって、なんらかの研究をしているみたいだ。
とまぁ、死霊術師なだけあって、死体をいじくりまわしているんだね。
確か魔術師大学では死霊術は禁じられているって言ってなかったっけ?
禁じているからギルドに所属せずに、こんな遺跡の奥に篭ってひっそりと研究しているのだろう。
しかし悪趣味だな、まるで死体で遊んでいるみたいだ。
高いところに飾られているウェルキンド・ストーンは、霊峰の指を当てることで跳ね飛ばして拾うことができる。
使い道もわからない石だが、輝く石というのは宝になる。本気で千個集めてみよう。
この遺跡にはもう一箇所部屋があった。
中央の宝箱(?)にはお金が少々……、やっぱりお金を稼ぐなら、遺跡探検より追い剥ぎ狩りだね。
周囲の赤く輝く石から攻撃を受けるので、長居はやめておこう。
この遺跡は以上、この他に通路も部屋も無し。
そんなに広くなくて、恐らく死霊術師の住処としてしか使われていなかったのではないかと思う。
以上、たいした冒険ではありませんでした。
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