クヴァッチ城の戦い 後編 ~クヴァッチの英雄誕生~

 
 マーティンを探してクヴァッチへやってきたのだが、そこはデイドラに襲われて廃墟と化していた。
 そこで、奪われた街を取り戻す為に、デイドラ軍と戦うことになったのである。
 
 市街地と教会は取り戻せたので、後は城だけとなった。
 しかし城は固い門に閉ざされており、開門しなければこれ以上先へと進めない。
 そこで、別ルートから侵入して、城の内部に潜入することになったのだ。
 

 教会の地下通路から突撃する。
 しかし地下は、既にズィヴィライ軍団に占拠されていた。
 教会に避難していたと聞くが、地下はこんな状況だった。俺が来るのがもう数時間遅かったら、教会も全滅していたのではないかね?
 

 アトロナックには雷が効かないので、今回は炎の矢を放っておく。バルカンとでも名付けておくか?
 

 教会の地下通路から抜けた先も、ほとんど地獄のようなものだった。
 こいつらドレモラ軍団は、暗殺者の集団と繋がっているのかな?
 怪獣に蜘蛛にゴーレム、そしてズィヴィライは大将格みたいだけど、帝国軍の兵士ごときで戦い抜けるのだろうか?
 

 死屍累々……w
 まあよい、先に進もう。
 
 そんなわけで、隊長の言っていた衛兵詰め所に到着したわけでが。
 
「ここが通路への入り口だ。この鍵を使って開けたらよいぞ」
 

 一応鍵をかけていたから、ここから敵が出てくるとは思えないが、一応用心しておこう。
 

 そして、再び地下通路を通って、城の内部へと進んでいく。
 通路の先は城門の内側へと通じていて、何の抵抗も無く開門に成功したのであった。
 しかし――
 

 こうして敵味方入り乱れての乱戦が始まった。
 こうなったら手出しできない、誤爆してしまうこと間違いなし。
 闘技場でグレイ・プリンスと戦ったときに放った奥の手、火山爆発ボルケーノをぶっ放してやりたい気分だぜ。
 

 乱戦のさなか、帝国軍兵士が犠牲になってしまった。(^人^ (^人^ ) なんまいだー
 
「犠牲を悔やんでいる暇はない! 手遅れにならないうちに、伯爵を救出しなければ!」
 

 清々しいほどの猪突猛進だな、マティウス隊長。
 

 さて、俺たちも急いで突入するか。
 元々三人いた帝国軍の兵士は二人に減ってしまったが、勝手に突撃したクヴァッチ兵と違って俺に付いてくるみたいだね。
 
 城の中にもデイドラ軍団はたくさん。
 デイドロスに炎の精霊、ズィヴィライは毎度のことだ。
 
「この場は我々がおさえる! 君は城の内部に向かって、伯爵を見つけ出してくれ!」
「合点承知の介!」
 
 マティウス隊長は、俺に一番おいしいところを譲ってくる。
 ここは普通なら、自分が伯爵救出に向かいたいところだが、まあよい。
 俺は乱戦が苦手だから、こうした単独行動が合っているのかもしれない。
 

 そんなわけで、広間の戦いは他の者に任せて、俺は緑娘と共に一気に駆け抜けて奥へと向かう。
 

 奥で待ち構えていたのは、炎の精霊。
 

 炎は効かないので、聖なる力で攻撃してみる。
 魔法攻撃は、それぞれの属性を理解して、より効果的な策を取るのだ。
 まぁ何度も言うが、高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処するのも戦いのテクニックなのである。
 臨機応変にできないと、魔法での戦いは無理なのだ。
 逆に能筋戦士は、具体的な作戦を立てて戦うがよい。
 
 炎の精霊を蹴散らして、どんどん奥へと進む。
 そしてついに、伯爵の部屋へと辿りついたのだ。
 
 しかし、そこは既にデイドロスに占拠されていた、デイドラ軍の怪獣担当だ!

 飛び蹴りからの踏みつけ、緑娘必殺のコンボも健在ね。
 誰にもまねできない、緑娘だけのオリジナル・フェイバリットホールドだ。
 相手がデイドロスでも関係ないね。あっぱれだ――ってあっぱれはアカン!
 

 しかし一歩遅かったようで、伯爵はすでにやられていたりする。
 この部屋に来るまで特に障壁は無く、ここでもデイドロスとか普通にうろついていたからなぁ…… 

 仕方が無い、マティウス隊長の所へ戻るか。
 

 ………
 ……
 …

「伯爵はどちらに? なぜ君と一緒ではないのだ?」
「残念です、伯爵は既にやられてしまっていました。これが形見になるのかな、伯爵の持っていた指輪です」
「なんてことだ、我々は遅すぎたのか? もっと早く来ていれば!」
「すまんな、昨日まで俺は牢屋の中だった。もっと早くは救援に来れなかった」
「えっ? 牢屋?」
「なんでもなかとですばい、グレイ・フォックスを呪ってたらいいよ」
 
 グレイ・フォックスがや盗賊ギルドが無ければ、クヴァッチへもっと早く救援にこれたかな?
 いや、それだと皇帝の最後に立ち会うこともなかったので、今頃は魔術師大学でのんびり昼寝でもしていたかな?
 ひょっとしたらアミュレットも暗殺者軍団の手に渡っていたかもしれない。
 そう思えば盗賊ギルドも――、やっぱり許さない(。-`ω´-)
 
 それにしても伯爵のことは残念であったが、マティウス隊長は俺が助けてくれたことに関して感謝しているようだ。
 戦術的にはデイドラ軍団を退けて勝ったけど、戦略的にはどうだろうか?
 破壊の君主の目的がどこにあるのかいまいちわからんが、皇帝の暗殺、伯爵の殺害と、今の所負け続きのような気がする。
 とにかく皇帝の代理である元老院が言ったのだ、オカトーは魔術師大学も力を合わせてこの危機を乗り越えようと。
 アークメイジとして、帝国のために働くのは正しいことなのだ。
 
 今回は、ゲートを閉じたり街の中に侵入したデイドラ軍を始末したが、伯爵を救えなかったので戦略的に負けになるのかな?
 とにかく破壊の君主、メエルーンズ・デイゴンの目的が知りたいね。
 もしもこの世界の征服が目的なら、俺が存在している地点で戦略的勝利は薄いけどな。
 

「さて、これからどうするのですか?」
「クヴァッチは以前にも廃墟から立ち上がった経験があるんだ。我々は何度でも復興してみせるさ」
「ん、復興に関して手伝えることがあったらやってあげるよ」
「感謝の言葉を差し上げます。あなたはクヴァッチの英雄だ」
 
 クヴァッチの英雄ね、悪くない響きだ。
 この英雄の名をもっと輝かせるには、ここがそんな廃墟ではいけない。
 伯爵も亡くなってしまったことだし、いずれは俺がこの街に君臨するのもありかな?
 隊長からは、お礼にクヴァッチ兵の鎧を受け取ったが、兵士になる予定はない。もらえるものはもらっておくけどね。
 
 
 こうしてクヴァッチ城の戦いは終わったので、ある。
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ