ハンターギルド物語 その五 ~人喰いライオン~
「丁度今、デューンに住む収集家から新しい依頼を受けたぞ」
白鹿がメンバーに加わった俺たち、らむたんサーカス一団に、ハンターギルドのオグラは新たな依頼を告げてきた。
仕事を斡旋する前に、この訳の分からないパーティ編成をなんとかしてくれよ。
何でも今度は、デューン東の砂漠で、旅人を襲っている人喰いライオンを退治して、首を持ち帰って欲しいそうだ。
ボズマーの首に引き続き、今度はライオンの首か。エルスウェアの人は、首を集めることが趣味なようで困る。
ライオンの居場所は、デューン近くにあるム=ガーダのキャンプに滞在しているサランが知っているそうだ。
というわけで、今度はデューンへ向かう。
デューンの後継者争いは、何故か勝手に巻き込まれて双方全滅という結果になったが、今はどうなっているのだろうね。
「お、ようやくベタベタ二人乗りは止めてくれたのだな」
「なんだかこの白鹿、気に入っちゃった。シマウマよりも奇麗だし」
ということは、ユニコーンに乗るとまた二人乗りしてくるってことだな?
ちなみにこの場面だけ見ると、シマウマと白鹿に乗っての二人旅に見えるが、引いてみると場面は一転するで。
「ジ=スカール先輩、ラクダかゾウのどちらかに乗ってもいいですよ」
「遠慮しておく。ジ=スカールは砂漠を歩くのが好きだ」
「左様でごじゃるか」
とまぁ、らむたんサーカス一団の面々で、ある(。-`ω´-)
さて、ム=ガーダのキャンプに着くと、サランはすぐに見つかった。
「こんにちは! この辺りに出没する人喰いライオンについてですが――」
「なんだ? サーカスの一団かね?」
「いや、ハンターである……(。-`ω´-)」
「ああ、ハンターか。人喰いライオンの居場所なら知っている。ここからそう遠くない洞窟、地図に印をつけてやろう」
ライオンのねぐらという洞窟はここ。デューンの町からそれほど離れていない場所だ。
ちなみに、そこから少し南東にある洞窟が、マオマーの装備を探す発端となった織り手洞穴である。
そんなわけで、すぐにライオンのねぐらに到着。
動物達は洞窟に入ってこれないので、外で待たせておくことにする。特にゾウとか……
洞窟の周囲にはやたらと人骨が散らばっていて、ここに人喰いライオンが住んでいるのは間違いないようだ。
マウンテン・ライオンとどっちが恐ろしいかな? アンヴィルの町に入ってくる奴と……
さて、ライオンのねぐら内部で最初に襲い掛かってきたのは、小さなライオン。
子供まで作っていて、しかも襲い掛かってくる。
人間の味を覚えたら、その後何度でも襲い掛かってくるらしいね。
カジートはまた違う味がするのかな?
などと思っていたら、カジートの犠牲者がいた。
ここに迷い込んでやられたのか、それとも外で狩られて引きずり込まれたのか……
鎧はどうした? 上半身が下着だけだぞ?
そんな感じに、ライオンを退治しながら先へと進む。
やたらと子供ばかり襲い掛かってくるが、一番奥に親玉が待ち構えているのだろう。
でかっ!
奥に控えていた親ライオンは、マウンテン・ライオンより普通にでかいっ!
それでも戦いは、緑娘に任せてみるのだ。
戦士ギルドのマスターだからな、肉弾戦では俺よりも強いはずなのだ。魔剣の強さが大半を占めるけどね。
とまぁ、魔剣で刺すと、勝ったも同然なのだ。
麻痺の魔力とかいろいろ込められているからな、ライオン程度なら魔力の反射とか持ってないので全然怖くない。
「ごくろうさま!」
「それで、ライオンの首はどうするのかしら?」
「切り落とすしか無かろう」
下手に生け捕りにして連れ帰ると、サーカス団に加えられてしまうことがわかった。だからさっさと首を狩ってしまおう。
ライオンなど怖くて、とても飼えたものじゃない。
手に負えないからと言って、適当にむつみ島などに放置したら、おじいさんや少年三人組が苦労することになるし、箱舟に乗り込む映画を作ろうと思っても、ライオンだけ明らかに合成だろ? とか突っ込まれかねない。
おはようからおやすみまで暮らしに夢をひろげてくれる場合もあるけど、基本的にライオンは猛獣で危険である。
何の話だろうね?
そんなわけで、ライオンを退治した結果、俺はライオンの勝者という称号を得たのであった。
白鹿の勝者よりも、確実にこっちの方が強そうでよいよい。
オグラに、陽に晒しすぎたために匂ってやがるとか言われたけど、知らんわ。エルスウェアの気候が暑いのが悪いのだ。
「ところで、ライオンは飼わないか?」
「飼わん!」
以上、ハンターギルドのの仕事、ライオン狩りはおしまいっ!
今回は動物は増えなかった、よかった!
増えそうになったけど、寸前で回避した!
前の話へ/目次に戻る/次の話へ