アーダルジの家宝 前編 ~盗まれた指輪~
さて、グレイ・フォックスへ近づくために、再び盗賊ギルドの仕事へと戻った。
アーマンドの話では、彼は未熟なメンバーと働くだけで、これからはブラヴィルでスクリーヴァの元で働けという話になった。
うむ、近づいておるのか? 厄介払いか?
迷っていても仕方が無いので、ブラヴィルへと向かう。
スクリーヴァは、独り身求婚者旅館で待っているというのだ。
なんだったっけ? 騙されて小島に流される話で訪れた場所だっけ?
というわけで、ブラヴィルである。
スクリーヴァに会うと、もっと盗んできたら仕事を与えるといってきた。
またどろぼうさんか……(。-`ω´-)
………
……
…
シェイディンハルにある、アルドス・オスランの家で遺品整理をすることにした。
「この家に近寄るな」
「あら、なぜかしら?」
「罰金を払えず差し押さえになった家だ」
「罰金はいくらなの?」
「君に教える必要は無い」
などという会話があったとかなかったとか。
とりあえずいつもどおり、緑娘テフラを見張りに立たせてその隙に物色するといった具合だ。
………
……
…
というわけでいろいろと省略気味だが、スクリーヴァに認められるぐらい盗みをしたことになったのだ。
ところでふと気になったのだが、盗品商は買い取る品物をどうやって正規品か盗品かを見極めているのだろうか?
山賊狩りをして装備を剥ぎ取って、盗品ですと言い張って売りつけたら話は早いと思うのだがなぁ……
「レヤウィンの元盗品買取人の未亡人から特別な依頼があった」
スクリーヴァの持ってきた話は、アーダルジという未亡人が大切にしていた指輪が、野良盗賊に盗まれたらしい。
未亡人は報酬を出すつもりだから、これからレヤウィンに向かって指輪を探してアーダルジとに返して欲しい、と言った内容だ。
どうやら盗賊ギルドは、無所属の盗賊を好まないらしい。
俺が以前、フィンガー・オブ・ザ・マウンテンの本を盗んだ時は気にしなかったのかな?
というわけで、久々のレヤウィンだ。
盗賊ギルドの仕事中、緑娘は家で待っていてもらおうと思ったが、心配無用だった。
そうだ、レヤウィンにはこの娘と羊が居るのだったなw
というわけで、早速盗賊ギルドの仕事開始だ。
まずは、アーダルジが誰なのか調べなければならない。未亡人と言うぐらいだから女性だろう。
俺は、その辺りの物乞いを捕まえて尋ねることにした。
「1G要る?」
「4G欲しい」
「微妙な額だな、ほらよ」
「ありがとう」
「ところでアーダルジがどこにいるか知っているかな?」
「わかった、案内しよう」
物乞いのアルゴニアンを小銭で釣って案内させることにした。
なかなか良いところに住んでいるなぁ……
俺がレヤウィンに買った家は、すっげーボロ家だぞ?
元盗品買取人の癖に生意気だーっ! とは言わないからな。
「アーダルジさん、居ますかー? ごめんくださーい?」
「あたしを呼ぶのは誰かな?」
カジートでしたか、そういえばスクリーヴァもカジートだったな。
最近カジートと良く会うなぁ
アーダルジの話では、旦那の形見の指輪をアルゴニアンに盗まれたらしい。
その盗賊の名前はアミューゼイ、懲らしめて欲しいらしく、いっそ殺してくれたら精々するなどと言っている。
アミューゼイって、盗賊ギルドに潜り込む時に、メスレデルと一緒にに入隊試験を受けたあのアルゴニアンかな?
また、その指輪を取り戻してくれたら100G出すと言う。あまり報酬高くないなぁ……
さて、次はそのアミューゼイ探しのようだ。
同じように、別の物乞いに金を与えて情報を聞き出すことにする。
この町には物乞いが多いなぁ……
「4G要る?」
「7G欲しい」
「なんか値上がりしているぞ? アミューゼイって奴知ってる?」
「彼なら城の地下牢で腐っているよ」
「死んだのか……(。-`ω´-)」
どうやら捕まって投獄されたようだ。
レヤウィンの城かぁ……
あれはサングインの責任だから、俺は悪くない(キッパリ
というわけで、衛兵を買収して監獄へと入れてもらうことにする。
「囚人と面会したいのだが、7G要る?」
「20Gよこせ」
「それでええんかい(。-`ω´-)」
ノリで物乞いと同じような取り引きを持ちかけてみたが、ほとんど同じような返事が返ってきた。
20Gで賄賂になるとは……
この国の衛兵は、あまりお金を持っていないようだ。
だからあまり真面目に仕事せずに、うろうろしているだけなのかな?
彼がアミューゼイ。
残念ながら、俺はアルゴニアンの人相の区別があまりつかない。
だから、入隊試験の時にいた奴かどうかはわからない。
「ああ、盗賊ギルド期待の新人様か」
「俺のこと知ってるのか? やっぱあの時のアルゴニアンね。こんなところで何をしているんだ?」
「盗賊ギルドに入りたくて帝都に行ったけど受け入れてくれなかった。だからここに来た。レヤウィンは俺の故郷だからな。俺は一匹狼としてやっていく」
「ここって監獄だぞ? 監獄がお前の故郷か? まあいい、アーダルジの指輪はどこにやった?」
「なんかムカつくから教えない」
「20G要る?」
「ロックピックが欲しい」
「ん、俺はもっと良いのがあるから余ってるからやるよ」
「よし、これで自由の身だ!」
なんか要求する物がどんどん変わっているが、アミューゼイにロックピックを渡すといろいろと話してくれた。
まず、アーダルジの指輪を盗んだのは自分だと。そして盗品商に売ろうとしたら、「こいつはヤバ過ぎる物」と言われたと。
なにやら指輪の内側には「アレッシアへ」と掘ってあった。それはレヤウィンの伯爵夫人のことだ。つまり、その指輪は元々盗品だったのだ。
そこで伯爵夫人に買い戻してもらおうとしたら、窃盗犯として逮捕されたということだ。
つまり現在指輪は、正当な持ち主の所へ戻っているわけだ。
うん、投獄も当然だろうな……(。-`ω´-)
普通に返すという選択肢は無いらしい。さすが本職のどろぼうさんだ。野良だけど。
俺は、ここまでの話を一旦アーダルジにすることにした。
「あたしの指輪を持ってきてくれたかね?」
「アミューゼイは伯爵夫人に買い戻させようとしていたよ」
「なんて馬鹿なトカゲだ!」
「いや、どっちみち盗品だろ?(。-`ω´-)」
そんなに指輪を欲しがるのは何故だ? と聞いてみたところ、アーダルジは指輪を使って情報を集めて売るのだと言った。
その指輪は、伯爵が書いた私信を読むのに使えるらしい。解読器みたいなものか?
そして、アレッシア・カロから盗んできたら、報酬は倍の200G出すと言ってきた。お、高くなってきたぞ?
というわけで、指輪の場所を聞くために、再び先ほどのアルゴニアン物乞いにお金を渡すことにした。
「アレッシア・カロの指輪について知りたいが、ロックピック要る?」
「10G欲しい」
「何か下がった――が、最初4Gだったから倍以上求めてきたな?」
「伯爵夫人の侍女、ヒリダラ・モスリルを尋ねてみるがよい。彼女はアレッシア・カロの衣装とスケジュールの全てを知っているよ」
「メイドみたいなものね、わかった」
「あと、城の中にはもっと別の秘密があるらしいよ」
「なんやそれ?」
「拷問部屋」
「…………(。-`ω´-)」
というわけで、再びレヤウィンの城である。
ちなみに俺は、もうサングインにハメられて逮捕された緑仮面ではない。
確か今は、マゾーガ卿と一緒に白馬騎士団を結成していたはずだ。騎士団として一度も働いたこと無いけどな!
う~ん、城の主要人物全員集合。
ヒリダラに少し席を外してもらって、いろいろと聞いてみることにした。
「アレッシア・カロの指輪ってどこにあるのかな? 教えてくれたら10Gあげるよ」
「別にお金は要りません。指輪は伯爵夫人は片時も離さず身に付けています」
「ではずっとつけたままか……」
「いえ、入浴と就寝の時には宝石箱にしまってあります」
「ところで拷問部屋って何?」
「地下室と奥様の私室を結ぶ秘密の通路だけど、そこに拷問部屋があるらしいのよ」
「ふ~ん」
とりあえず伯爵夫人を確認してみる。
確かに指輪を身に付けておる。
二つのうちどちらかが、お目当てのものだろう。
さて、今のままでは指輪の獲得は無理だ。就寝時間か入浴時間を狙おう。
そういうわけで、緑娘の所に戻って夜まで時間を潰すか。
………
……
…
「あっ、丁度いい所に戻ってきた!」
「なんぞ?」
「んーとね、んーとね、ミーシャ行きたい所があるのー」
「ほう……」
続く――
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