逃亡者たち ~ブラヴィル監獄からの脱獄者狩り~
さて、本来の仕事である戦士ギルドの任務に戻るぞ。
アザーンの話では、次はシェイディンハルのバーズから仕事があるはずだとのこと。
やれやれ、また国内横断か。任務内容は伝書鳩とかでやりとりしてもらいたいものだ。
というわけで大移動。
いつもの二人乗りで、一気に駆けぬくので道中の話は割愛!
………
……
…
シェイディンハル、シロディル北東に位置する静かな街。
やっぱり住むならコロールかシェイディンハルかな。
自分の街を創ってもいいけど、そういう大掛かりなことは追々ね。
シェイディンハルの戦士ギルドに立ち寄っても、そこにバーズの姿は無かった。
話を聞くと、どうやら散歩に出かけているようだ。
バーズは町中の小島に居たりした。
ここで緑娘に水上歩行の魔法を見せて驚かせたこともあったっけ。
「何の用だ、相棒? 仕事が入り用か?」
「あなたの相棒じゃないけど、仕事してあげるわよ」
「よし、大仕事だ。手こずるかも知れんが、脱獄囚の退治だ、相棒」
「相棒じゃないけど、どこの脱獄囚かしら?」
「ブラヴィルの監獄から、数名の凶悪犯が脱走した。役立たずの警備隊の代わりにギルドが対処する。出撃だ! 相棒!」
「あなたの相棒は、マゾーガ卿でたくさんよ!」
バーズは緑娘のことを相棒と呼ぶが、相変わらず緑娘は認めない。
どうやらブラヴィルでの仕事のようだ。また移動かぁ。
住民は怯えきっているみたいだし、急いで駆けつけてやるか。
というわけで、再び移動ね。
いつもの二人乗りで、一気に駆けぬくので道中の話は割愛!
………
……
…
ブラヴィルに着いたものの、町の中はいつもどおり。
「お婆さん、脱獄犯について何か知っていませんか?」
「知りません。それよりも1G頂けないかしら?」
「……ほらよ(。-`ω´-)」
1Gぐらい樽の中にいくらでも入っているっての!
物乞いは、その程度の労力すら怠けるから物乞いなのな!
「というより、君の仕事なんだから君が聞き込みしろよ」
「あたしは口下手だから無理なの」
「どこがや!」
とまぁ、衛兵の話ではそういうことらしい。
この町の衛兵、自分でなんとかしようとしないのな。
衛兵が動こうとしないから仕方なくギルドが対処する。だから衛兵は役立たずなのだ。
バーズよ、順序が逆だよ。
衛兵から聞いたブラッドマイン洞窟は、ブラヴィルから少し西へ行った場所だ。
この距離ならユニコーンは要らんな。馬屋に預けたまま、徒歩で向かうとしよう。
「で、どうする? 君一人でやる?」
「その間、あなたは何をするのかしら?」
「そうだなぁ、酒場にでも行って適当にのんびりしておくか」
「暇なら手伝ってよ。手伝ってくれないと、あたし魔術師ギルドの仕事しない」
「もう正式なギルドメンバーになったから、これ以上仕事せんでもいいよ」
「それならあなたの恥ずかしい過去を、獣族の先輩や大学の管理人に言いふらしてやる」
「な、なんやそれは?!」
なんかよくわからんが、俺の知られざる恥ずかしい過去をばらすとか気味が悪いぞ。
緑娘が何を知っているのかわからんが、暇なのは事実だし、手伝ってやるか。
あと、ジ・スカール先輩にラミナスさんな。名前覚えようね。
ブラッドマイン洞窟。外観は以下省略……
脱獄した凶悪犯と言うが、どうせマニマルコやファルカーと比べたら大した事無い奴だろ?
それにこの洞窟は、タスラにあった水没した洞窟より明るいので明かりがそれほど必要ではない。
だからこっそりと移動して、見つかる前に先制攻撃だ!
おなじみの霊峰の指改!
いかんな、どうもワンパターンな戦いになりがちだ。そろそろ新しい魔法を覚えようかのぉ。
「ちょっと!」
「こらこら静かに。他の脱獄犯が気がつくだろうが」
「……あたしの仕事なんだからあたしが戦う」
「聞き込みはしないのに、戦闘だけはやるのな」
「戦士は脳筋だからね」
「それ、自慢することじゃない気がするぞ?」
「うるさいわね。次はあたしが倒すから、あなたは戦いやすいように照らして」
まあいいか。
欲求不満を溜め込むと不機嫌になる。
戦いたければ戦うが良かろう。確かに緑娘の仕事だからな。
というわけで、二人目の脱獄犯は緑娘にお任せだ。
松明を使わなくても、タスラでシーリアさんからもらった「深海のかがり火」を使えば周囲は明るくなる。
身に付けるだけで輝くから便利な物だ。
しかしこの緑娘の飛び蹴り、ただの飛び蹴りじゃなくて結構えげつないからな。
敵の身体は鎧で守られているから、顔面を狙ってやがるのだ。
眼球グッサリ。恐るべしニードルヒールだ。
とどめの踏みつけを必要としない、一撃必殺の刺しとなったわけだ。
怖い怖い、緑娘を敵に回したくないものだ。
もし緑娘に襲われたら……
太陽系儀にでも逃げ込むか(謎)
三人目の脱獄犯は、穴の上に居たりした。
これでは緑娘は手出しできないな、というわけで――
「あっ、また手を出した!」
「あんな上に居たんじゃ、そっちは手出しできないだろ?」
「でしゃばりラムリーザ、最後の一人はあたしが倒すから、絶対に手を出しちゃダメだからね!」
「はいはい。あと静かにな」
最後の一人は、焚き火の傍に佇んでいた。
どうでもいいけど、あんなに大掛かりな焚き火を洞窟の中でしていたら、酸欠になったりしないのだろうか?
とまぁ、緑娘も俺に負けずにワンパターンなわけで。
最近はヴィラヌスやオレインと共闘することが多かったので剣で戦うことが多かった。
今回は連れが居ないので、奥の手を堪能しているのだろう。
うむ、今度ラムリーザキックを出しておくか。たまには使わないと錆び付いちまう。
これで脱獄犯全てを片付けた。
バーズは「運がよければ降参するかも知れん」とか言っていたけど、こっちの攻撃が基本的に一撃必殺だから降参させる余裕が無い。
それと脱獄犯には「ホロフガル」「アシャンタ」「ドリート=ライ」「エンリオン」という名前があるらしいが、別にどうでもいいかな。
あとはシェイディンハルに戻ってバーズに報告するだけ。
ほとんど出張じゃないか、めんどくさいなー。
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