狂気の縁を抜けて1 ~ゲートキーパーの骨の矢~

 
 さぁ、緑娘との冒険の再開だ。
 俺たちは、戦慄の島で何をすべきなのかはまだよくわからない。
 とりあえずは、シェオゴラスを見つけ出して文句の一つでも言ってやろうと考えて、狂気の門を突破する方法を探ることにした。
 
「ところで、ゲートキーパーって何かしら?」
「なんだ、まだ見てなかったのか」
 
 そんなわけで、ゲートキーパーの様子を確認に向かう。
 

「ほら、あれがゲートキーパーだ」
「あんなの、やっつけちゃえばいいのに」
「強行突破してもいいけど、楽に勝てる方法があるみたいなんだ。だからそれを探るのも悪くないかなってね」
「まぁいいわ。のんびり行きましょう」
 
 なんだか緑娘も丸くなったな。
 焚きつけられるよりは、その方がいいけどね。
 
 さて情報によれば、ゲートキーパーの弱点は「レルミナの涙」らしい。
 深夜になると、涙もろい彼女が奴に会いに行くらしいので、見に行ってみたらどう? とルノーから情報を得た。
 まだ深夜まで時間がたくさんあるので、先に氷血のジェイレッドという人に会うことにした。
 彼はパスウォールの村に住んでいるらしい。
 
 

「えっと、氷血のジェイレッドさんですか?」
「そうだ。ゲートキーパーを死なせてやろうと思っている。噂ではお前も狙っているらしいな」
「もう噂になっているのかよ。それで、奴を倒すにはどうすればいいのですか?」
「ロックピックを使って、骨肉の園へ入れてくれ」
 
 ジェイレッドの話では、骨肉の園にはゲートキーパーの死体があるらしい。
 その骨を使って矢を作れば、奴を倒すことが可能なのだそうだ。
 獲物を狩るには獲物の骨を使うのが一番。つまりゲートキーパーを倒すには、ゲートキーパーの骨を使った武器を使うのが一番なのだとさ。
 しかし、その骨肉の園は鍵のかかった門で閉ざされている。
 ジェイレッドは錠開けのスキルが無いので、俺に門を開けてくれと頼んできたのだ。
 
「わかりました。骨肉の園まで案内してください」
「よし来た! これが最後の一本のロックピックだ。お前は鍵、俺は狩りだ。行くぞ!」
 
 そう言うと、ジェイレッドは家から飛び出して駆け出した。
 そんなに急いで行かなくてもいいのにね!
 
 

 置いていかれたら、骨肉の園がわからなくなるので後に続く。
 なんでこんなにせっかちなのだろうかね!
 
 ちなみにロックピックは必要ない。
 俺はノクターナルから、不壊のピックという物を貰っている。
 絶対に壊れないロックピックなので、どろぼうさんの役に立ちまくりなのだ。
 
 

 ジェイレッドを追いかけてしばらく走ると、大きな建物の門の前へと案内された。
 これが閉ざされた門なのか。
 
「急げ、扉を開けるんだ!」
「急かすと良い物はできんぞ!」
 

 なんでそんなに急ぐ必要があるのだろうね?
 それでも七回失敗したのちに、門を開くことができたのである。
 どれだけ失敗しても、不壊のピックは壊れないというチートアイテムなのだ。
 
「ん、開けたよ」
「あっぱれだ!」
 
 ……嫌な奴思い出すようなこと言うなよ(。-`ω´-)
 

 骨肉の園の敷地内に入ると、そこを守っていたのか骨のような物が襲い掛かってきた。
 

 なんだこいつは?
 シロディールでは人骨が襲い掛かってきたが、この骨は何の骨なのだ?
 見慣れない奴が、次々現れる世界だな!
 

 俺は鍵開け担当で戦う必要は無いらしいが、折角だから援護射撃をしておく。
 この世界での骨は、やたらと大きいから気をつけねばならぬ。
 名前は、シャンブルズというらしい。まぁ名前なんてどうでもいい、骨でいいのだよ。
 
 そんなわけで、ジェイレッドと協力して骨を退治したのであった。
 

 骨肉の園の敷地内中央に転がっている巨大な骨。
 これがゲートキーパーの骨死体だそうだ。
 
「よし、このゲートキーパーの骨で何本か矢を作れるぞ」
「矢ですか。剣とかそういうものは無理ですか?」
「剣にするには細すぎるなぁ」
「それじゃあ矢でいいです」
「数時間経ったら来い。ゲートキーパーを狩りに行くぞ」
 

 そう言い残して、ジェイレッドはパスウォールの村へと戻っていった。
 
「これからどうするのかしら?」
「そうだなぁ……。どっちみち待たなければならないし、この骨肉の園を見て回ろうか」
 

 見た感じ、ここは中庭のような場所で、骨肉の園の本館は奥にある巨大な建物らしい。
 いや、あれはただの裏門で、周囲に広がっているのは大きな壁かもしれないけどね。
 

「早く開けなさいよ。インチキピック持っているんでしょ?」
「インチキ言うな、インチキだけど……(。-`ω´-)」
 
 しかしこの扉は、専用の鍵が必要なタイプで、開錠の魔法やロックピックで開けられる代物ではなかった。
 
「この扉は、扉に見せかけてただの壁に書いた絵でした」
「うそばっかし」
 

 しかし謎なのは、扉の両脇に飾られた石像である。
 
 こいつは一体何者なのか――?
 
 オクタロックみたいな顔をしたゴブリン?
 なんだか口から弾を吐き出してきそうな奴だな。
 
 
 こうして、ゲートキーパーを楽に倒せるかもしれない武器、骨の矢を手に入れるための骨片を入手できたのであった。
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ