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神聖な水 ~リエセリ遺跡の奥はユートピア?~

 
 アイレイドのダムに関する調査は終わった。
 しかし、いくつか気になるものが残っているので、一つずつ片付けよう。

 一つ目はこれ、リエセリの遺跡だ。
 クリムゾン・ブレード賊のリーダーフィニアスの話では、この近辺をかぎまわっていた娘を捕虜にしたが、結局逃げられてその逃げ込んだ先ということになっている。
 娘は石のようなものを持ってリエセリ遺跡に現れたと聞く。
 それが本当なら、クリムゾン・ブレード賊は壊滅させることに決めたのだし、もし悪い人じゃなければ助けなければな。
 
 というわけで、遺跡に突入。

 中には、ウェルキンド・ストーンの原石のようなものが並べられていたり、壁や天井にも同じものが埋め込まれていたりと、周囲は緑色にほのかに輝いている。
 

 そして、奥には鉄のシャッターが下りていて先には進めない。
 奥にある青白く光るものが気になるが、シャッターは動きそうになかった。
 
 周囲を調べると、小さな祭壇みたいなものがある。
 これは、クリムゾン・ブレード賊のキャンプにあった宿屋の屋根裏で見たものとそっくりだった。
 
 俺はその祭壇に、宿の屋根裏で見つけた奇妙なウェルキンド・ストーンを置いてみた。
 

 
 お、シャッターが開いて奥へ進めるようになったぞ。
 

 
「さあ、思い残すことは無いか?」
「えっ? その奥ってそんなにやばい場所なの?」
「以前、あらゆる種族の戦士と戦わされる異世界に飛ばされたことがあった。その入り口がこんな感じだったのだ」
「そんなの全部片付けちゃう。それに――」
「それに?」
「たとえ異世界に飛ばされても、あなたと一緒なら何一つ怖くないから」
「……よし、くぐるか」
 
 ………
 ……
 …
 

 あれ? 妙に明るい場所だな?
 しかし油断はできない。何が待ち構えていることか。
 ここに逃げ込んだ娘も、凶暴化していて襲い掛かってきたらめんどくさいからな。
 

 しかし怪しげな雰囲気など全く無く、奥には水辺など穏やかな空間が広がっていた。
 

「う~む、ユートピア?」
「何かの隠れ里ってところかしら」
「ここに逃げ込んだという娘は、あのテントに居るのかな?」
 
 しかし、テントの中はもぬけの殻だった。
 

「誰も居ないね」
「ひょっとしてこのウサギが、娘の化けた姿だったりしないだろうか?」
「あたしにバニーガールの格好して欲しい?」
「に~、どうしたもんだろ?」
 

 奥には水をたたえた祭壇があり、なにやら神聖な泉らしいことだった。
 
「この水を飲むと、死ぬか眠っている力を引き出すかの二択だ。どうする?」
「別に急いでいないから、もっと別の確実な方法で、じっくりと修行するわ」
 
 しかし水をすくおうとしても、なにやら不思議な力で流されてしまってうまく汲めない。
 これは、特別な容器でも必要なのだろうか?
 

「この容器を使うんじゃないのかしら?」
「よし、汲んでみるから飲んでみてくれ」
「やだ」
「飲んだら美人になれるかもしれないぞ?」
「何よ、今は美人じゃないって言うの?」
「もっと美人になれるということなのだがな」
「それじゃ、あなたが飲んでもっとハンサムになってよ」
「…………(。-`ω´-)」
 

 しかしこの神聖な水とやら、効果はすごいものだった。
 あらゆるものを回復できる薬、シンデリオンの作った探求のエリクサーがかすんで見えるぜ。
 
 そんなわけで、ここは何と表現したらよいのか?
 リエセリ遺跡の奥としか言いようが無いが、それほど広い場所ではなく、周囲を岩山で囲まれた水辺とだけ言える。
 ただ、逃げ込んだと言われていた娘の姿は無く、神聖な水の沸いている泉以外は、特にこれといったものはなかった。
 

 岩山以外の場所は、ダムと同じような壁で囲まれている。
 
「ん~、ここは何かの本拠地にできそうだな」
「やっぱりあたし達の野望の拠点にしようよ、ねぇ」
「よし、君達の野望の拠点にしなさい」
「なんでよ、あなたは野望を持たないの?」
「俺はアークメイジという身に余る地位を得た。満ち足りておる……(。-`ω´-)」
「それに対しては反論できないけど……。まぁいいわ、あたしが戦士ギルドを手中に収めたら、その時また語り合いましょう」
 
 怖いな、この緑娘の野望パラメータは100だな。
 

「あなたはね、あたしが焚き付けないと昔から動いてくれなかった」
「突然何だ?」
「ううん、なんでもない。自分の力でアークメイジ就任、おめでとう」
「ん? あ、ああ、どういたしまして」
「勢いに任せて、もっと上を目指しましょうよ」
「君は自分にそれほどの力があると思っているのか?」
「一人じゃ無理。でもあなたがいてくれたら、何でもできそうな気がするの」
「買いかぶりすぎだよ、俺にそんな力は無い」
「ええそうよ。一人じゃダメ。でも二人でなら――」
 
 この時、俺はこの会話の内容に既視感を感じていた。
 二人一緒なら何でもできる。
 この言葉が、失われた記憶を突いているな気がしてたのだ。
 
 
 
 
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