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霜降りし岩山の塔 ~魔術師の塔を調査~

 
 ジュラーエルがブルーマからの推薦状を書く条件として提示してきたことは、この国の北部の山脈にある「霜降りし岩山の塔」の調査だった。
 なにやらギルドはハンニバルから霜降りし岩山の塔というものを相続したらしいが、その塔についてはよく知られていないらしい。
 そこで、調査報告と交換で、緑娘の推薦状を出すことになった。
 
 ああそうだ、名前が分かるまで、俺はこの娘のことを他の娘と区別を込める意味で、「緑娘」と表現することにした。髪の色が特徴的で緑色だしな。

 そういうわけで、再び旅の始まりだ。
 ジュラーエルの言う魔術師の塔は、正面にそびえる雪山にある。俺は以前シェイディンハルへ行く途中に見かけたが、たぶんそれのことだろう。
 

 観光名所も緑娘に紹介してあげる。
 
「これが竜爪岩、何かに見えないかい?」
「確かに竜の爪みたいな形をしているね」
 
 思えばこの岩からスタートしたペイルパスの探検、それがこの緑娘との遭遇に繋がったんだよな。
 
 というわけで、山頂の塔まで一気に進む。霜降りし岩山の塔と呼ばれているらしい。

「あれが今回調査する塔だ」
「なんで調査しなくちゃいけないの?」
「君が魔術師ギルドに加わるためだろ? 君が加わってくれないと、俺も戦士ギルドの手伝いはやらないよ」
「しょうがないわねぇ……」
 

 入り口の門からしてでかい。好奇心をそそる突拍子も無い塔とはこのことだ。
 というより、画面に全景を収めにくいほど高い塔だ。
 ジュラーエルから預かっていた鍵をつかって中に入ってみた。
 

 塔に入ってすぐの場所は、円形の狭い部屋。そして中央にはクリスタルでできた手の像と、その上にある一冊の埃まみれの本。
 狭い部屋だ、それ以外に何も無い。外から見たら高い塔だが、中身はがらんどうなのか?
 
 他に見るべき物が無いので、俺はその本を手に取って読んでみた。
 なにやらここは、魔術師が建てた塔であり、落ち着いて実験できる場所として造られた物らしい。
 ギルドメンバーに隠れて研究してはいかんのじゃなかったっけ?
 

 そんなことを考えながら本を読んでいると、突然地響きがして壁の一部が開きだした。
 誰かが手の形をした像から本を取り上げると開く仕組みにでもなっていたのだろうな。
 

 開いた先は、大きな広間になっていた。
 少し高くなった祭壇のような場所、地面には円形に溶岩と氷と岩を敷き詰めた場所がある。
 

 祭壇に登っていき、よくわからないが「使い魔の嵐のアトロナック」とやらを呼び出してみた。
 すると広間にゴーレムらしきものが現れる。これはゴーレム生成機とでも言うのかな?
 
「一応メモっといて」
「どうして?」
「いや、調査に来ているんだし、君が調査することになっているだし」
「はぁ……」
 
 緑娘はめんどくさそうに、ギルドから受け取ったノートに見たことを纏め始めた。

 ゴーレムか、洞窟の中で敵としては何度も見てきたが、自分で作り上げたゴーレムは当然ながら襲い掛かってこない。
 連れて行くこともできるみたいだが、あまり連れて行っても面白く無さそうだし、ここは元の岩に戻ってもらうことにした。
 
「そういえばさ、ふと思い出したんだけど」
「なっ、何? 何を思い出したの?!」
 
 なんだか緑娘はうれしそうにするがすまぬ、そこまで過去ではないんだ。
 
「初めて出会ったときに、大きな鎌を取り出して威嚇してきたけど、あの鎌は戦闘では使わんの?」
「……なんだ、あれかぁ」
 
 がっかりされても仕方が無い。それと、「初めて会った」という単語も気に入らないみたいだ。
 
「あの鎌を振りかざさなければ、俺も必死で逃げることもなかったと思うけどね」
「だって、あなたをニードルヒールで蹴り刺したくなかったんだもん」
「針も鎌もどっちもやばいって。で、あの鎌は置いてきたのか?」
「ううん、あれは魔法の鎌なの」
 
 そう言うと、緑娘はなにやら魔法を唱え始めた。

 青白い光が現れ、それは次第に大きくなり、やがて一本の巨大な鎌へと姿を変えた。

「そうだそれそれ、なんだ召喚武器だったのか、重くないのか?」
「重さはさほどないの、主に魔力でできた武器だから、見た目ほどは重くないのよ」
「でも見た目だけを見れば、鎌の方がびっくりするね。靴の方は武器だと認識するのに時間がかかると思う」
「こっちの方がいい?」
「体術はこの国ではあまり発達していないみたいだから、奥の手にするのも面白いかもよ。俺も魔術を主に使って、ラムリーザキックという奥の手とかやっているし」
「あ、それおもしろいかも。ピンチになって武器を捨てろ! とか言われて、鎌を捨てたところで安心して近づいてきた敵を蹴り刺してやるんだ」
「蹴り刺す、初めて聞く攻撃だな。さて、調査を進めるぞ」
 

 というわけで、今度は使い魔の氷のアトロナックを召喚してみる。
 ギャリダンの涙を探しに行った時、フロストファイア洞穴の奥にいたゴーレムだな。
 

 塔の二階は、居住区にもなっていた。
 錬金術の研究場所であると同時に、寝室でもあるらしい。
 
「ベッドでくつろいでいないで、あっちにある薬草の調査に行くぞ」
「そんなこと言ってないで、お・い・で」
「誘ってもダメだ、過去の断片を見るのはもうちょっと待ってくれ」
「ああ、そうなっちゃうかぁ……」
 
 緑娘は仕方なさそうにしてベッドから降りてきた。
 そうなんだよな、この緑娘と近づけば近づくほど過去の断片に触れられるらしい。しかし、かなりの体力を消耗するので、旅の途中にやるのは避けたい。
 

「うむ、ここには無いな」
「何を探しているの?」
「ニルンルートといってな、それを材料にしてエリクサーを作ってくれる錬金術師が居るんだ」
「右端に生えているのがそうじゃないかしら?」
「……よく知っているなぁ!」
 
 シンデリオンにはしばらく会っていないけど、またニルンルートが貯まってきたので再会すべきだな。
 もらったエリクサーは、まだ使っていないけどね。
 
 あと行ける場所と言えば、洞窟のようになっている物置。 

 そして塔の頂上だ。
 
「ん、帝都とブルーマがよく見えるな」
「ラムリーザ、絶対にこの国を手に入れてみましょうよ」
「それはちょっと待って」
 
 こうして霜降りし岩山の塔の調査は、一通り完了した。
 後は、ブルーマの魔術師ギルドに戻ったときに、調査報告書を提出しておしまいだな。
 
 
 
 
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