ブラインドサイト ~メルセルとの決着~
カーリア「いたわ、まだこちらに気づいていない。ブリニョルフ、扉を見張って」
居た! メルセルだ!
像の目から何かを取り出したぞ?
しかしこちらには気づいていないようだ。
奇襲して一気にやつけるか?
メルセル「カーリア、俺を出し抜くなんてお前には無理なんだよ。そろそろ分かってくれないか?」
ちっ、気づいてやがったか。
奇襲戦法は無理か。
やはりメルセルは一筋縄ではいかない奴だ。
そしてメルセルは、俺のほうを向き語りかけてきた。
メルセル「ブリニョルフがお前を連れてきた時、急に風向きが変わったように感じた。その瞬間に悟ったんだ、最後はお互い剣を交える事になるんじゃないかってな」
レイジィ「そんなことはどうでもいい。不壊のピックを渡せ、メルセル!」
メルセル「カーリアに何を吹き込まれたんだ?ノクターナルはお前のことなどどうでもいいんだ。不壊のピックやギルドの事もな」
レイジィ「ノクターナルとは関係ない、個人的な問題だ」
メルセル「復讐のためか? 俺達と行動を共にしたくせに、何も学ばなかったのか?」
レイジィ「俺を殺そうとしたくせに、何を言ってやがる」
メルセル「早く目を覚ませ、そして気づくんだ。お前は俺の同類なんだよ。嘘つきで詐欺師で泥棒だ。人の事など構いやしないのさ」
レイジィ「違うな。こっちにはまだ名誉が残っている。お前のように仲間を裏切るようなことはしない」
メルセル「不壊のピックに対する見解が違うようだな……、あれは無限の富をもたらす道具なんだぞ。なのにお前は自分のくだらない主義につまずきやがった」
レイジィ「いや、つまずくのはお前だメルセル。裏切り者のお前に未来は無い!」
メルセル「ならばもう話すことは無い。この剣に再びナイチンゲールの血を味わわせてやる!」
レイジィ「フンッ、そう思い通りには行かないぞ!」
こっちは三人だ。
一斉に飛び掛ってメルセルを押さえ込んでしまえ!
ブリニョルフ「な、何なんだ?! 自分が止められん!」
カーリア「負けないで、ブリニョルフ! あなたの精神を支配する気なのよ!」
なんと、ブリニョルフがメルセルに操られ、カーリアに襲い掛かっている。
カーリアも、ブリニョルフを傷つけるわけにはいかず、防戦一方だ。
おいおいマジかよ……
つまり、自由に動けるのは俺だけってこと?!
しかし、まともにメルセルと一騎撃ちをやって勝てるとは思えない……
情けない話だが、俺は戦闘はそんなに得意ではないのだ……
ちょっとした投げ技ができるぐらいなんだ。
考えやがったな、メルセル!
各個撃破で3人を仕留めるつもりだな。
だが、やるしかない!
ブリニョルフはメルセルに心を操られ、カーリアとやりあっている。
メルセルは俺がやるしかないのだ……
ギルドの未来の為に!
息を潜め、とにかく隙を伺う。
メルセル「隠れているつもりか? 影を支配するのはこっちの方だ!」
隠密だけは誰にも負けねぇ……
たとえメルセルが相手でも、見つかるわけねーよ!
メルセル「見つけてやるぞ、もうすぐな」
メルセルは脅すように呟いている。
口を開くということは、それだけ焦っているとも取れる。
だが隙を見せるようなことはない……
さすがだ……
しかし、バックを取れさえすれば!
脳裏に浮かぶ、完璧な投げ技をお見舞いしてやるんだがな!
その時、ついに待っていた隙が生まれた。
メルセルは俺の存在に気が付かずに、目の前を通り過ぎる。
後ろに回れたぞ!
今だ!!
レイジィ原爆固めだ!!
ズガーン!!
渾身の一撃を食らい、メルセルは意識を失ったか、そのままお陀仏してしまったか。
ピクリとも動かなくなってしまった。
うまく決まったぜ!
すまんな、剣を交えることにならなくて。
俺はこっちの方が得意なんでな。
レイジィ「カーリア! やったぞ、メルセルはくたばった!」
カーリア「いけない! 崩れるわ! 『不壊のピック』と『目』を回収して、さっさと脱出しましょう!」
ブリニョルフ「無理だな、お嬢。何かが扉の反対側で崩れたに違いない。全く動かん!」
カーリア「別の脱出路を見つけないと、ここはじきに水で一杯になる!」
カーリアの言うとおりだ。
滝のように水が流れてきて、どんどん溜まってきている。
急いでメルセルの懐を探る。
あった。
他にも、ファルメルの目があったので、それも忘れずに回収しておく。
そうこうしているうちに、水はついに像の首のところまで溜まってきてしまった。
そして――
完全に水没してしまった。
まぁ俺は別に平気だけどねw
今まで居た空間は、完全に水没してしまったが、そのおかげで抜け道に辿り着くことができた。