デインティ・スロード号 ~嵌められた船長~
エリクールの依頼で、密輸品のバルモラ・ブルーを探してきて、それをスロード号に忍び込ませることになった。
しかし非合法の品物は高く、サビンから買い取るとなるとそれなりの金が必要となった。
払えないことはないのだが、ここは俺流のやり方でやらせてもらうぜw
ぼったくるのが悪いんだぜ……
鍵頂き!
さて、あとは隠し場所を探すことだ。
金庫の鍵も入手したので、レッドウェーブ号をくまなく調べてみたが、出てきたのはバルモラ・ブルーのメモだけだ。
ウェーブの下?
ウェーブの下……
レッドウェーブの最下層ならここだが……
もっと下か?
つまり船底?
シャヴァーリを桟橋に待たせて、俺はソリチュードの海に飛び込んだ。
水の中は任せておけ。
船底を見て回るが、それらしき箱は――
あった!
桟橋の下に隠されていたよ。
サビンから盗み取った鍵は合うかな?
ビンゴ!
これで密輸品の確保はできた。
あとはこれをデインティ・スロード号の船長室に忍び込ませるだけだ。
デインティ・スロード号はソリチュードの港を離れ、北の果てに泊めてあるようだ。
あれだなきっと……
船の上には武装した兵が何人か見受けられる。
なんだよここは、海賊船かよ!
貿易協定を無視しているってのもうなずけるな。
まぁ、あんたらに恨みはないが、これも仕事なんだ。
こっそりと潜入させてもらうよ。
中は荒くれで一杯だな。
まぁ、見つからなければ怖くない。
海賊風情よりも、盗賊ギルドの方が上なのだってことを思い知らせてやるぜ。
何も腕っ節だけで勝負すれば良いってもんじゃないんだ。
こういう戦いも、世の中にはあるんだぜ……
ここが船の一番奥のようだ。
密輸品をこっそりと忍び込ませて、と
これで俺の仕事はお終いだ。
海賊の皆さんご苦労様。
あとはエリクールがなんとかするんだったけな。
………
……
…
レイジィ「密輸品をデインティ・スロードに置いて来たぞ」
エリクール「ああ知ってる。ヴォルフ船長は今頃、監獄に向かっているはずだ」
レイジィ「仕事が早いねぇ」
エリクール「おっと、デルビンによろしくな。必要なら、ソリチュードでどんな店も喜んで再開すると伝えてくれ」
こうして盗賊ギルドは、エリクールをソリチュードで影響力がある協力者として頼りにできるようになったのであった。
~ Mission Complete ~
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