デインティ・スロード号 ~密輸品バルモラ・ブルー~
デルビン「ソリチュードに行き、エリクールに会え。彼はある種のサクラを使う仕事をしている」
お次はソリチュードだ。
盗品も増えてきたし、ついでにガラム・エイに引き取ってもらうか。
さて、ソリチュードのエリクールだが、必ずしも手放しで歓迎はしないだろうということだ。
だが、この仕事を立派にこなせば、我々はそこで大事な友人を作れるだろう。
焦りは禁物だ。
というわけで、再びソリチュード。
街に到着した時は既に夜になっていた。
人に会う必要があるので、朝まで宿屋にお世話になるかいね。
ソリチュードの宿屋は、ウィンキングスキーヴァーと言う。
盗品をガラム・エイに捌いてもらって一息つく。
ここも吟遊詩人が歌を歌っているな。
聞きほれている奴も何人か居る様だ、ぼんやりしていたら盗むぞw
とか思いながらうろうろしていたら、吟遊詩人が話しかけてきた。
リセッテ「今夜泊まる所を考えなきゃね。コルプルスは清潔な宿屋を経営しているわ」
レイジィ「じゃあ、ここにするか」
リセッテ「一杯飲んで、ここで少し骨を休めていってね」
レイジィ「どうでもいいことだが、ロッグヴィルって奴はどうなった?」
リセッテ「あの人は、処刑されちゃったわよ」
レイジィ「やっぱりな……、ホワイトランまで逃げたらよかったのに」
えへん!!
突然大きな咳払いが酒場に響き渡る。
聞こえた方を見ると、魔導師のローブを纏った一人のアルトマーが俺を睨みつけている。
……変な奴だな。
俺が吟遊詩人と話ししているのがそんなに気に入らねーのか?
それともカジートのシャヴァーリを店に連れ込んだのが気に入らないのか?
変な奴に因縁つけられるのもめんどくさいので、すぐに宿を取り部屋に向かうことにした。
エリクールに会うのは明日にしよう。
♪乾杯をしよう、若さと過去に――
吟遊詩人の歌を子守唄に、俺はすぐに眠りに就いた……
………
……
…
翌朝、エリクールに会うために行動を開始した。
エリクールは、ブルーパレスに居た。
なんでも、ソリチュードの従士で、自分が居ないとここはうまく動かないんだとさ。
レイジィ「デルビンに仕事があると言われて来たが」
エリクール「やっと来たか。信用できない者と取引する習慣はない、だからデルビンに最も優秀な者をよこすよう頼んだのだ」
レイジィ「だから自分が送られて来たんだ」
エリクール「ふん、それはまだ分からないな」
やな奴だ。
だが仕事をこなせば態度も変わるだろうということで、早速仕事の話に入ることにした。
なんでもデインティ・スロード号のヴォルフ船長が、合意済みの貿易協定を無視して好き放題やっているらしい。
そこで、懲らしめるために、スロード号にこっそり乗船して、密輸品を置いてきて欲しいんだとさ。
密輸品は、レッドウェーブという船のサビーヌ・ニエットからバルモラ・ブルーを手に入れる必要がある。
手に入れたら、それをヴォルフ船長の手荷物に入れればOKだ。
あとはエリクールがどうにでもやるそうだ。
なんかブランシェイの冤罪事件思い出すな……
盗んだものを忍び込ませて検挙ですかい。
やっぱブランシェイも嵌められていたんだよ。
ソリチュードには港がある。
以前、ガラム・エイを尾行して東帝都社に向かったところだ。
あの船が、レッドウェーブ号かな。
とりあえずその船に向かってみよう。
そこには、乗組員のサビン・ナイッテが居た。
エリクールの指定した人物とは違うが、話を聞くだけ聞いてみよう。
レイジィ「バルモラ・ブルーを探しているのだが?」
サビン「それなら、私の所に来て正解ね。タムリエルであれを手に入れられるのは、もうここだけだもの」
レイジィ「それはよかった。で、どこにある?」
サビン「探し出すのはもう不可能に近いわよ。買う気はある?」
サビンが提示してきた額は1500Gであった。
仕事の報酬や、盗品を捌くことで俺は今、結構な額の金を持っている。
だが、無駄に支払うのは気が進まない。
サビン「非合法の蜜売品が高すぎたみたいでごめんなさいね。次の商人ギルドの会議に提起するといいわ」
レイジィ「へぇへぇ」
さて、どうしたものか……
続く――
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