メイビン・ブラック・ブライア
ヴェックス「なぁ、もう1件引き受けてくれたらお互いの儲けになるんだけどさ」
レイジィ「やるぞ、任せてくれ」
ヴェックス「こいつは前に一度盗み出した品なんだが、どういうわけか別のカモの家にある。取り返す潮時だと思うだろ、な?」
リフテンに住んでいるクラン・スノー・ショッドの家から、玉石のゴブレットを回収するのが次の仕事だ。
開いてるぞ、在宅中か?
なるほどね。
まずは二階から調べてみたが、そこに玉石のゴブレットは無かった。
つまり、地下室にあるわけだ。
しかし地下室は、食卓の前を通らないと行けない様になっているようだが……
階段の隙間から無理やり侵入。
当然シャヴァーリには待機してもらう。
というか、仕事中は外で待ってても良いのだがな。
だがシャヴァーリも隠密の訓練はやりたいようだ。
将来、その力を使って自分の仕事ができたらと考えているようだ。
そして地下室に飾られていましたとさ。
ふふ、コソ泥の腕はどんどん磨かれているな。
盗みに入るのもスリルがあってなかなか楽しいじゃないか。
だがヴェックスの仕事ばかりしているわけにはいかない。
ブリニョルフが次の仕事を持ってきたのだ。
次の任務は、メイビン・ブラック・ブライアという人に会うことになった。
なんでも、彼女直々のご指名だそうだ。
メイビンとの取引は、大体身内に結構な額の金貨が渡ることになるという。
これは慎重にならないとな……
………
……
…
メイビン・ブラック・ブライアは、ビー・アンド・バルブという宿屋に居ることがわかった。
先日取り立てたアルゴニアンのキーラバが経営している宿屋だ。
メイビンは二階でくつろいでいたので、そこに向かうことにした。
メイビン「なるほど、お前ですか。ふーむ、あまり頼もしそうには見えないのですが」
レイジィ「そう見えても、この筋では随一の腕なんだぜ」
メイビン「たいした自信のようですが、口ほどの事はあるのですか?」
レイジィ「試してみるかい?」
メイビン「……いいでしょう」
メイビンは信用よりも、原因と結果を重んじる人だ。
要は目標を達成、それだけが評価の対象なのだ。
俺もそのつもりだ。
盗賊ギルドがこの人と繋がっているのなら、この人にできるところを見せつけてやりたいものだ。
メイビンからの指令は、ホワイトランに行くこと。
そしてバナード・メアという宿屋でマラス・マッキウスという男に会うことだ。
詳しいことはその男から聞くことができると言う。
なんでも商売仇のホニングブリュー醸造所という所を、商売から手を引かせたいのだとか。
ホニングブリュー醸造所の経営者はサビョルンという者で、メイビンの売り上げを奪っているとか……
なんとしても、彼を消して欲しい、だとさ。
その後にメイビンが介入して地所ごと頂くとか……、やりますなぁ。
メイビン「しかしいったいどうやって立ち上げからあんなに早く経営を起動に乗せられたのやら?」
レイジィ「凄腕のやり手ってことじゃないですかね?」
メイビン「お前はホワイトランに向かうはずではなかったかしら?」
レイジィ「へぇへぇ」
まぁ、メイビンのブラック・ブライア家と盗賊ギルドは昔から同盟関係にあるようだ。
ひとつ、本腰入れて働くか。
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